人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

森田芳光監督映画特集~「阿修羅のごとく」「失楽園」「家族ゲーム」を観る

2015年10月30日 07時02分17秒 | 日記

30日(金).わが家に来てから398日目を迎え,空き箱からtora家の夕食を想像する迷探偵モコタロです

 

          

             はは~ん tora家の夕食はビーフシチューだな!

 

  閑話休題  

 

昨日,休暇を取って飯田橋のギンレイホールで「神楽坂映画祭2015~森田芳光DAY」を観ました 「阿修羅のごとく」,「失楽園」,「家族ゲーム」の3本立てです

 

          

 

総入れ替え制で,それぞれ事前に入手した入場整理番号入りの整理券が必要です 私は10月3日にギンレイホールに行って整理券を3枚入手しています         

9時前に現地に着いたのですが,入口付近の広場はすでに人盛りが出来ており,5番キザミで呼ばれる番号を待っています 9時5分から,1番から10番まで,11番から15番まで・・・というように招集がかけられ入場していきました

 

          

 

9時20分から上映されたのは向田邦子脚本のテレビドラマを映画化した「阿修羅のごとく」です 2003年制作,上映時間136分の東宝映画です.父親(仲代達也)と母親(八千草薫),そして4人の娘たちを巡る,それぞれの恋愛事情が描かれています 父親が母親に内緒で外に女を囲っているという事実を目のあたりにした三女の目撃談から物語は展開しますが,何と言っても4人の娘役の女優たちが魅力を遺憾なく発揮しています 大竹しのぶは亭主に死なれ,妻ある男と別れるに別れられない関係を続ける長女を,黒木瞳は亭主の浮気を疑いながら生活する次女を,深津絵里は生真面目で恋愛に疎い三女を,深田恭子はボクサーと結婚を果たす四女を,それぞれしっかりと演じています

私は黒木瞳ファンなので彼女の姿ばかりを観ていましたが,今回この映画を観て演技の素晴らしさを再認識したのは深津絵里です 自分の父親の素行調査を依頼した興信所の所員(中村獅童)とのぎこちないやり取り,結婚式でのハッとする美しさ,妹を救うため強請りを追い払うための強い行動,それらすべてのシーンで深津絵里の魅力が十分発揮されていました

映画の中で,母と次女がレストランで食事をし,外に出ると雪が降っているシーンがありますが,「松本楼」と看板が映し出されていました.当ビル10階のレストランAから一望できる日比谷公園の一角にある老舗レストランです

この映画の魅力は言うまでもなく絢爛豪華なキャスト陣ですが,ここで一番賞賛されるべきは,原作者・向田邦子でしょう

 

          

 

次に上映されたのは11時50分開演の「失楽園」です.言うまでもなく,渡辺淳一原作のベストセラー小説の映画化です 1997年制作,119分の東映映画です 大手出版社の閑職にあり妻子のある男(役所広司)と,書道教室の先生で,夫のある女(黒木瞳)とのダブル不倫の果ての道行き物語です 官能的なシーンが少なくありませんが,いやらしさは極力抑えられています この映画の魅力はもう,黒木瞳に尽きます 

男が出版社の近くを歩くシーンで神保町の老舗喫茶店「さぼうる」が映し出されていました 今でも健在ですが,行列が出来る喫茶店は「さぼうる」くらいなものでしょう

 

          

 

最後に上映されたのは,午後2時5分開演の「家族ゲーム」で,1983年制作,上映時間106分です

ストーリーは,高校受験を控えたある家族のところに家庭教師(松田優作)がやってくる.クラスで下から数えた方が早い成績の次男坊の成績を上げるために奮闘努力を促す 喧嘩して負けてくれば勝つための闘う方法を教える 出されたお茶やコーヒーは一気飲みする.遂に次男坊は第一志望校に合格する

食事のシーンは不思議な光景が見られます.テーブルを囲まないで,横一列になり肩と肩を触れ合いながら食事します 家庭教師は食事をしながら,だんだんエスカレートしてきて,料理は手づかみで食べるは,ワインはぶちまけるは,ものすごい光景が展開します このシーンでは涙が出るほど笑いました 松田優作のコメディアン的な側面を見たような気がします.父親役の伊丹十三,母親役の由紀さおりがそれぞれ良い味を出しています

父親役の伊丹十三が朝食で目玉焼きの黄身の部分を直接口を付けて吸うシーンがありますが,当時,伊丹氏はエッセイか何かで「目玉焼きの正しい食べ方」というのを書いていたのを覚えています その中の一つに「黄身を吸う」というのがあったのかも知れませんが,そこまでは思い出せません おかしなキャラを持った俳優であり監督でした

この日上映された3本の映画はいずれも初めて観ましたが,内容的にはまったく異なるテイストの作品ではあるものの,強烈な個性を持った俳優たちの魅力を十分堪能することが出来た点で共通していました

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする