人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

コバケン+東京フィルでチャイコフスキー「交響曲第5番」他を聴く~文京シビック

2015年10月18日 09時18分01秒 | 日記

18日(日).わが家に来てから386日目を迎えたモコタロです

 

          

                         今日もパソコン動いて良かったね~ 一時はどうなるかと・・・

 

  閑話休題  

 

昨日,午後3時から文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ」公演を,午後6時からサントリーホールで東京交響楽団第634回定期演奏会を聴きました 今日は,最初に聴いた小林研一郎指揮東京フィルによる「響きの森」コンサートの模様について書きます

 

          

 

プログラムは①チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」,②同「交響曲第5番」で,①のピアノ独奏は及川浩治です このシリーズはいつも満席です.定期会員が多いのではないかと思います

オケの面々が登場し配置に着きます.コンマスは今年4月に就任した若きコンマス・依田真宣です それにしても名コンマス・荒井英治氏はどこに行ってしまったのでしょうか?

ソリストの及川浩治がコバケンに伴われて舞台に登場します.1曲目はチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調」です コバケンの合図で第1楽章がホルンで開始されます.及川の力強いピアノが入ってきて,その瞬間から”チャイコフスキー・ワールド”です 及川は100メートル走に喩えるならば”全力疾走”です 全体の半分以上を占める第1楽章が終わるとハンカチで汗をぬぐいます 第2楽章はフルートに導かれた牧歌的な旋律で開始されます.この楽章ではピアノの音の粒立ちがきれいです そして第3楽章のフィナーレに突入しますが,終盤の激しいパッセージは,ピアノとオケとの協演ならぬ”競演”で,畳み掛けるように終結します 及川もコバケン+東京フィルも熱演を展開しました.及川は大汗です 全体的に男性的な力強い演奏でしたが,あまりにも有名な曲であるが故に,他者との差別化をどう図るかが難しい曲でもあります さて,数あるピアニストの中で名声を得て生き残って行くにはどうしたらよいのか・・・・しばし考え込んでしまいました

 

          

 

休憩時に,このシリーズの会員であるAさん,Tさんとホワイエでコーヒーを飲んで話をしました いつもはコンサート帰りに近くの喫茶店で話をするのですが,今回は私が次のコンサート会場に直行しなければならないので,休憩時間にお茶しましょうと約束していたのです コーヒーを飲んでいる時,Aさんから「東京スカイツリーに行ってきたので,お土産を買ってきました」として,お菓子をいただきました お二人は幼なじみで,80歳を超えた今でも時々誘い合ってコンサートに出かけたりしている元気なシニア・レディです 私も見習わなくては,といつも思っています.Aさん,ありがとうございました

 

          

 

休憩後はチャイコフスキー「交響曲第5番変ロ短調」です.この曲の大きな特徴は,第1楽章冒頭の旋律(運命のテーマ)が,この楽章では暗く響くのに,第4楽章では力強く”勝利のテーマ”として明るく響くことです いわばベートーヴェンの第9番”合唱付き”のように,「苦悩を乗り越えて歓喜に至る」という前向きな曲であると捉えることが出来ます

コバケンは第1楽章「アンダンテ」をかなりゆったりしたテンポで開始します そして徐々にテンポを整えて行く訳ですが,聴いていて感じるのは,「コバケンはテンポを大きく動かすことによって曲にダイナミズムを生じさせ,聴く側に強い印象を残す」ということです またオケに歌わせるところは存分に歌わせ,畳み掛けるところは超スピードで駆け抜けます.これがコバケンの音楽作りの大きな特徴と言えるでしょう

私はこの曲の中では,第2楽章が一番好きです この楽章を聴くと「人生の黄昏」を感じます.チャイコフスキーは只のメロディーメーカーではありません.それなりの辛い人生経験を背負って作曲に当たっているのです

白熱の演奏が終わるや否や,会場一杯の拍手とブラボーがステージに押し寄せました コバケンは管楽器群の,ほとんど一人一人と握手して演奏を称えていました.「指揮者は音を出さない.音を出す演奏家こそ賞賛されるべきである」という考えのもとなのでしょう 気持ちは分かります.が,私がいつも言っているように「やり過ぎ」は控えた方が良いと思います.嫌味になります

コバケンは拍手を制し,「前回の演奏会で『今日はアンコールはやらないが,次回はやります』と約束しましたので,本日はアンコールを演奏します.チャイコフスキーと仲が良かったドボルザークの『ユモレスク』を演奏します 短い曲ですが,この曲で人の一生を表してみたいと思います 最初は生まれたての赤ん坊で,次第に成長し,辛いことも経験し,穏やかな老後を生き,最後はアーメンで締めくくりたいと思います これは私と東京フィルの考え方です.それでは,お聴きください

として,『ユモレスク』をアンコールに演奏し,大きな拍手を受けました

ところで,コバケンは「私と東京フィルの考え方」と言いましたが,ここだけの話,実は8月7日のミューザ川崎での日本フィルとの演奏会でも同じ曲のアンコールを演奏しています 興味のある方は8月8日付の当ブログを”内緒で”ご覧ください

 

          

コメント
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