人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京春祭ワーグナー・シリーズvol.9「ローエングリン」を聴く~クラウス・フロリアン・フォークト、ペトラ・ラング、アイン・アンガー、レジ―ネ・ハングラー、エギルス・シリンス、甲斐栄次郎にブラボー!

2018年04月09日 08時11分04秒 | 日記

9日(月)。わが家に来てから今日で1286日目を迎え、防衛省が7日、存在しないとしてきた自衛隊のイラク派遣の活動報告(日報)について、昨年2月に探索を求めた当時の稲田朋美防衛相の「指示」は口頭で、「本当にないのか」と疑問を投げかけるものだったことを明らかにした というニュースを見て新旧防衛大臣に成り切って一人会話をするモコタロです

 

     

      小野寺大臣「口頭によるあいまいな指示をしてなかった?」 稲田元大臣「否だ」

 

          

 

昨日、息子の赴任先 山形県T市から帰京し、その足で上野に向かい、午後3時から東京文化会館大ホールで「東京春祭ワーグナー・シリーズvol.9~『ローエングリン』」を聴きました

出演は、ローエングリン=クラウス・フロリアン・フォークト、エルザ=レジ―ネ・ハングラー、テルラムント=エギルス・シリンス、オルトルート=ペトラ・ラング、ハインリヒ王=アイン・アンガー、王の伝令=甲斐栄次郎ほか、管弦楽=NHK交響楽団、合唱=東京オペラシンガーズ、指揮=ウルフ・シルマー、映像=田村吾郎です

 

     

 

自席は1階10列3番、左ブロック左から3つ目です。会場はほぼ満席です ステージ後方に合唱団が並び、オケがスタンバイします。いつものN響の並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です コンマスは元ウィーン・フィルのコンマスで、N響ゲストコンマスのライナー・キュッヒルです。彼がどっしり構えていると すごく安心感があります 歌手陣は出番になるとオケの手前で歌います

聴衆が着席し、開演を待つばかりとなったその時、突然 場内アナウンスが入りました

「本日、ローエングリンを歌う予定でしたクラウス・フロリアン・フォークトは・・・」

会場:「えっ?」「まさか!」

「発熱のため・・・」

会場:「えーっ」「あーっ」

「・・・予定通り出演いたします

会場:「   あー(良かった)」

多くの聴衆の本音は「この機に及んで驚ろかさないでくれよな。フォークトに代演なんてあり得ないだろ」だと思います 最初に驚かせておいて、あとで安心させる手法は どこかの大統領みたいです 越後屋、おぬしも悪よのう

ステージ後方の巨大スクリーンには遠くに城が映し出されています。バイエルン国王ルートヴィヒが造らせたリンダーホーフ城でしょうか? つまり、イメージとしては聖杯を守護するパルツィヴァールの息子で聖杯騎士のローエングリンが住む「モンサルヴァ―ト城」でしょうか

 

     

 

ローエングリンを歌ったクラウス・フロリアン・フォークトはドイツのホルシュタイン生まれのテノールですが、日本の新国立劇場を含む世界中のオペラ劇場で「ローエングリン」のタイトルロールを歌っているこの役の第一人者です

ステージに現れたフォークトは、顔が赤みがかっていて、確かに熱があるように見えます しかし、彼の口から最初の歌声が発声されたのを聴いて「ああ、良かった」と安心しました いつもの通り輝かしいテノールです。全体を通して暗譜で歌ったのは、彼とペロラ・ラングだけですが、それだけ歌い込んでいるという証左です 彼の発熱は歌うことに対する情熱だと理解しました

オルトルートを歌ったペトラ・ラングはフランクフルト生まれのソプラノです 特に第2幕を中心に凄みのあるソプラノで会場を圧倒しました かのマリア・カラスは「歌っていない時も その役柄に成り切って演技をしている」として認められた、というのをどこかで読んだ覚えがありますが、ラングはまさにその演技が自然にできるソプラノです

エルザを歌ったレジ―ネ・ハングラーはオーストリア生まれのソプラノです 声が美しく力強くもあります

ハインリヒ王を歌ったアイン・アンガーはエストニア生まれのバスです。苦み走った阿部寛のような風貌ですが、深みのあるバスが魅力です

テルラムントを歌ったエギルス・シリンスはラトヴィア生まれのバス・バリトンです。とくに第2幕で妻オルトルートとのやり取りは凄みがあり、役に成り切っていました

王の伝令を歌った甲斐栄次郎は2003年から10年間ウィーン国立歌劇場専属ソリストとして活躍したバリトンです。説得力のある歌唱力で、この日は絶好調でした

ドイツのエッシェンハウゼン生まれのウルフ・シルマーは全体的に速めのテンポで音楽を進め、メリハリのある指揮振りがキュッヒル コンマス以下N響に好ましい影響を与えていました

終演後は会場いっぱいの拍手とブラボーが飛び交い、最後にはスタンディング・オベーションとなり幕引きとなりました 毎年この演奏会形式のオペラを楽しみにしていますが、期待を裏切られたことは1度もありません この公演も今年のマイベスト10に入ってくるでしょう

 

     

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