人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

N響「Philharmony」掲載:データで見るオーケストラの収益力~客単価では仙台フィルが全国第2位 / 柚月裕子著「朽ちないサクラ」を読む~進化を続ける筆者の傑作ミステリー

2018年04月24日 07時47分11秒 | 日記

24日(火)。わが家に来てから今日で1300日目を迎え、韓国の大韓航空を傘下に収める財閥「韓進グループ」の趙会長が22日、社内の会議で激高して水の入ったコップを投げつけたとして暴行容疑で警察の捜査を受けた次女の顕旼大韓航空専務を グループ内のすべての役職から退任させると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      姉の「ナッツ姫」といい 妹の「水掛け姫」といい 韓進グループには寒心するよ

     

        

 

昨日、夕食に「牛肉と玉ねぎの甘辛炒め」と「タケノコとウドと鶏のうま煮」を作りました 「タケノコ~」は初挑戦ですが、今が旬の素材を使うのは良いものですね

 

     

 

        

 

N響のプログラム冊子「Philharmony」4月号に、「オーケストラのゆくえ」のシリーズ第16回として、行政書士で音楽ジャーナリストの潮博恵さんが「データで見るオーケストラ」というテーマで書いています 公益社団法人日本オーケストラ連盟が毎年発行している「日本のプロフェッショナル・オーケストラ年鑑」のデータを基に筆者が独自に分析し、経営の側面からアプローチしたものです

それによると、2015年度のオーケストラ全体の収入源は、多い順に①演奏収入(53.7%)、②地方自治体(18.2%)、③経営母体(11.0%)、④民間支援(7.7%)、⑤文化庁・基金(5.5%)、⑥助成団体(0.4%)、その他(3.5%)となっています つまり 全体の半分しか演奏収入で賄えていないことになります   驚くのは、文化庁・基金からの支援が5.5%しかないことです

 

     

 

興味深いのは全国のプロ・オーケストラの収益力の比較です。全国34オーケストラの①1公演当たりの演奏収入(収益力)、②1入場者当たりの演奏収入(≒客単価)、③1公演当たりの入場者数(集客力)についてランキングしています

このうち①②③のいずれもダントツ1位は予想通りNHK交響楽団で①1208万円、②5814円、③2018人となっています   言うまでもなく、N響は収容人数の大きなNHKホール(3601席)を本拠地としていることが収益力において最大のメリットとなっています 第2位以下は①②③で順位がばらけてきます

①1公演当たりの演奏収入だけで言えば、第2位は読売日響で703万2千円、第3位は日本フィルで689万5千円となっています 第4位以下は東京交響楽団、新日本フィル、大阪フィル、東京フィル、札幌交響楽団、東京都交響楽団、仙台フィルの順になっています

②1入場者当たりの演奏収入だけで言えば、第2位は仙台フィルで4933円、第3位は日本センチュリー交響楽団で4896円となっています 当該オケには失礼な言い方かも知れませんが、これは意外でした 第4位以下は日本フィル、読売日響、東京交響楽団、奈良フィルハーモニー、中部フィルハーモニー、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団、新日本フィルの順になっています

③1公演当たりの入場者数だけで言えば、第2位は東京フィルで1718人、第3位は兵庫芸術文化センター管弦楽団で1653人となっています これも意外でした 第4位以下は大阪フィル、読売日響、東京都交響楽団、日本フィル、東京交響楽団、東京ニューシティ管弦楽団、神奈川フィルの順になっています

筆者は、演奏収入を基準に収益力を測るこのランキング方法だと、もともと演奏収入の多寡を経営方針としていないオーケストラ、例えば年間約100回の学校公演が大きな位置を占める山形交響楽団や群馬交響楽団などは、必然的に低い結果となると指摘しています

「問題は そのオーケストラが どういう演奏をするかだろう」という声も聞こえてきそうですが、時には 定期会員になっている、あるいは興味のあるオーケストラが経営的に全国でどういう位置にあるのか、知っておくのも良いことだと思います

 

         

 

柚月裕子著「朽ちないサクラ」(徳間文庫)を読み終わりました 柚月裕子の本は文庫化されるたびに このブログでご紹介してきました 柚月裕子は1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー、2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年「虎狼の血」で「第69回日本推理作家協会賞」を受賞しました

 

     

 

この小説の主人公は、東京で服飾メーカーのOLを3年間勤めた後に故郷の米崎県に戻り、県警の広報公聴課に配属されて4年目となる29歳の事務職員の森口泉 女子大生を狙ったストーカー事件で、米崎県の平井中央署生活安全課の担当警察官・辺見がまともに取り合わなかったため、女子大生はストーカーに殺されてしまう それだけならまだしも、ストーカー事案を担当する生活安全課がストーカー対策よりも 自分たちの慰安旅行を優先していたことが米崎新聞にスクープされ、県民たちの怒りが爆発する そうした中、泉の高校の同級生であり、慰安旅行の情報を知る人物でもある米崎新聞の記者・津村千佳が何者かに殺害される 彼女はなぜ誰に殺されたのか?その後、辺見が突然退職する。彼はなぜ辞めなければならないのか? 泉は警察学校の同期・磯川刑事とともに調査を進めるが、事件の裏にはある新興宗教と公安警察の陰がチラついていた

小説の終盤で、筆者は磯川刑事に次のように言わせています

「まだ小さかったこともあって、あの事件はなんとなく他人事のように感じていたけれど、身近でカルト教団信者が関わる事件が起き、公安警察の必要性を強く感じました。日頃、表に出る事件は、強盗や殺人など刑事警察が扱うものが多いけれど、テロやカルト教団など国家にとっての危険分子を監視する公安警察も、なくてはならない機関だなって、改めて思います

これは、オウム真理教が起こしたサリン事件を想起させますが、泉は「たしかに、公安は国にとっても必要な機関であることに間違いないが、今回、公安はカルト信者の刃から千佳を守れなかった。それを無視して考案を褒めたたえることは出来なかった」と結論付けています

泉は生活安全課の富樫課長から「サクラは公安警察の暗号名」であることを教えてもらっています。この小説のタイトル「朽ちないサクラ」はそこからきています  柚月裕子が公安警察に対してどういうスタンスをとっているかが分かります 柚月裕子は新作を発表するたびにプロットが冴えわたり、小説家として進化しているように思います 彼女ほど次作が待ち遠しい作者も珍しいでしょう

コメント (2)
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