4日(木)。わが家に来てから今日で1462日目を迎え、米紙ニューヨーク・タイムズは2日、トランプ米大統領がニューヨークで不動産業を営んでいた両親から資産を受け継ぐ際、家族ぐるみで不透明な手続きをとり、今の価値で少なくとも4億1300万ドル(約470億円)を得たと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
次から次へと過去の悪事が明らかにされる トランプ一家は不正のデパートか!?
昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」を作りました ドライカレーは親子そろって好きなので時々食べたくなります
昨夕、初台の新国立劇場 オペラハウスでモーツアルト「魔笛」を観ました これは大野和士 新国立オペラ芸術監督就任第1作、2018-2019シーズン開幕公演です キャストは、ザラストロ=サヴァ・ヴェミッチ、タミーノ=スティーヴ・ダヴィスリム、パミーナ=林正子、夜の女王=安井陽子、パパゲーノ=アンドレ・シュエン、パパゲーナ=九嶋香奈枝、モノスタトス=升島唯博ほか、管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=ローラント・べーア、演出=ウィリアム・ケントリッジです
【ストーリー】王子タミーノは大蛇に襲われるが、夜の女王に仕える三人の侍女に助けられる タミーノは夜の女王の娘パミーナが太陽の国の支配者ザラストロに捕らえられていると聞かされ、彼女を救出することを決意する 身を守るためタミーノは魔法の笛を、お供の鳥刺しパパゲーノは魔法の鈴を与えられ、ザラストロの神殿に向かう タミーノはザラストロが徳の高い高僧であることを知り、パミーナは邪悪な夜の女王から守るために匿っているとを聞かされる そして、パミーナと結ばれるためにまずパパゲーノとともに無言の修業に臨み、その後パミーナと二人で火や水の試練に挑む 厳しい試練を乗り越えた二人は祝福のうちに結ばれる 夜の女王は雷鳴とともに地獄に落ち、ザラストロを讃える声が神殿に響き渡る
私が新国立オペラで「魔笛」を観るのは2006年、2009年、2013年、2016年に次いで今回が5回目ですが、過去4回はすべてミヒャエル・ハンぺの演出でした 今回はMETライブビューイング、ショスタコーヴィチ「鼻」の演出でもお馴染みのウィリアム・ケントリッジによるプロダクションなので楽しみにしていました
舞台の幕にはエッシャーの「だまし絵」のような室内の模様が投影されています すでにここからケントリッジの演出は始まっています。3つの和音で始まる「序曲」が終わり 幕が開くと、タミーノが出てきて大蛇に襲われそうになり、三人の侍女に救われるわけですが、ビデオプロジェクションによってドローイング、アニメーション、あるいは影絵の手法で背景が変化していきます 舞台の物理的な奥行きに加えて、ビデオプロジェクションによる映像の奥行きが3D画面を見るように表出され、現実の世界と映像の世界が混然一体となって迫ってきます こういう演出なら大人も子供も十分楽しむことができると思います
レチタティーボの部分では、チェンバロではなくアップライト・ピアノが弾かれたので意外に感じました また、通常の公演では、アリアを歌い終わるたびに拍手が起こり オペラがその都度中断しますが、指揮者ローラント・べーアは拍手が起こる前に次の音楽の開始を指示します 「拍手をさせない」演出によってモーツアルトの心地よいテンポが維持されます それでも、安井陽子による第1幕と第2幕の「夜の女王のアリア」と、林正子による第2幕のパミーナのアリアの直後は、しばし拍手が鳴り止みませんでした
パミーナのアリアと言えば、話かけても沈黙を守るタミーノの態度を愛の喪失と受け取りパミーナが苦悩のアリアを歌う訳ですが、その時、パミーナがタミーノに話かけると、タミーノは(試練のため)声を出せない代わりに魔笛を吹きます。そのメロディーが(昨日のブログでご紹介した)「フルート四重奏曲第1番ニ長調K.285」の第2楽章「アダージョ」でした これまで観てきた「魔笛」のこのシーンでこの曲が流れたことは記憶にないので、このプロダクション独自の演出だと思いますが、曲想としてはピッタリの選曲です
歌手陣は主役級のパミーナ、タミーノ、ザラストロから三人の童子に至るまで充実していました。中でも特に印象に残った歌手と上げると、パミーナを歌った林正子が最も声が良く出ていたと思います 美しい声でソロを、パパゲーノとのデュオを歌いました 安井陽子の「夜の女王のアリア」を初めて聴いたのは2009年の新国立オペラでしたが、度肝を抜かれたことを覚えています その時のコロラトゥーラ・ソプラノは今でも健在です。とくに第2幕のアリアは迫真の演技・歌唱でした
ザラストロを歌ったサヴァ・ヴェミッチは深みのあるバスで存在感がありました タミーノを歌ったスティーヴ・ダヴィスリムは決して軽くはないテノールですが、安定感のある歌唱力を発揮しました
三人の侍女(増田のり子、小泉詠子、山下牧子)はそれぞれが個性豊かで歌も良かったです パパゲーナを歌った九嶋香奈枝は新国立の魔笛で2度歌った鵜木絵里のように当たり役になっています また、モノスタトスを歌った升島唯博は身のこなしが軽く声も軽く、独特のキャラを演じ歌いました
特筆すべきはローラント・ベア指揮東京フィルの演奏と、三浦洋史率いる新国立劇場合唱団の高いパフォーマンスです 最後に、この公演の成功はウィリアム・ケントリッジによる斬新な演出なくしてあり得なかったことを付け加えておきます カーテンコールにチームのメンバー(美術、衣装、照明、プロジェクション等)と共に現れ、満場の拍手とブラボーを浴びるケントリッジの満面の笑みがこの公演の成功を物語っていました
この日の公演を観るに当たって、事前に新国立オペラのホームページで「大野和士のオペラ玉手箱with Singers Vol.1『魔笛』(ハイライト版)」の動画を見て予習しました これは音楽監督・大野和士氏が『魔笛』のカバー歌手たちが歌う主なアリアのピアノ伴奏を務めながら解説を加えるという内容です この公演を理解するのに大いに役立ちました。これから観劇される方はご覧になると参考になると思います