人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

フォーレ四重奏団でモーツアルト「ピアノ四重奏曲第1番」、メンデルスゾーン「ピアノ四重奏曲第2番」、シューマン「ピアノ四重奏曲」を聴く~トッパンホール

2018年10月02日 07時17分41秒 | 日記

2日(火)。わが家に来てから今日で1460日目を迎え、トランプ米大統領が29日、ウェストバージニア州で開かれた選挙集会で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長について「私は彼が好きだ。彼も私が好きだ。互いに非常に厳しくあたってきた。関係は行ったり来たりした。そして恋に落ちた」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      独裁者同士で気が合うんだろうな  でも「恋は盲目」という  この二人あぶねえ!  

 

         

 

昨日、夕食に「豚こま de ポークケチャップ」「鶏肉団子スープ」「マグロの山掛け」を作りました 「豚肉~」は cookpad のレシピです。スープは鶏ガラスープの素で適当に作りました。両方とも美味しいです

 

     

 

         

 

昨夕、トッパンホールでフォーレ四重奏団のコンサート(第1夜)を聴きました プログラムは①モーツアルト「ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478 」、②メンデルスゾーン「ピアノ四重奏曲第2番ヘ短調作品2」、③シューマン「ピアノ四重奏曲変ホ長調作品47」です

フォーレ四重奏団は ドイツ・カールスルーエ音楽大学卒の4人が1995年に結成して以来、不動のメンバーで23年間レギュラー活動してきた 他にあまり例を見ない常設のピアノ四重奏団です  メンバーはヴァイオリン=エリカ・ゲルトゼッツァー、ヴィオラ=サーシャ・フレンブリング、チェロ=コンスタンティン・ハイドリッヒ、ピアノ=ディルク・モメルツの4人です 


     


フォーレ四重奏団の人気を反映して 会場は文字通り満席です

1曲目はモーツアルト「ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478 」です   この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が、「フリーメーソンのための葬送音楽」の直後の1785年10月16日(作曲者29歳)に完成させた作品です この後 歌劇「フィガロの結婚」が書かれ、その後「ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調K.493」が書かれています このため、ト短調で書かれた第1番の方はフリーメーソンの世界に曲想が近く、変ホ長調で書かれた第2番の方はフィガロの結婚の世界に曲想が近いと感じられます

この曲は第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・モデラート」の3楽章から成ります

4人が登場、さっそく演奏に入ります。音楽学者アインシュタインが「運命のモティーフ」と呼んだ第1楽章の冒頭は衝撃的です 第2楽章は穏やかな音楽が奏でられます。そして第3楽章は明るくモーツアルトらしさに溢れた音楽です ピアノ四重奏曲、あるいはピアノ五重奏曲というとピアノが突出して弦楽の音を掻き消してしまうことがままありますが、さすがは23年間不動のメンバーです ピアノのディルク・モメルツはソロの部分は強く出ますが、弦楽が絡むときは音量を調整します したがって、この四重奏団の大きな特徴は4人の演奏家の完全な調和といえるでしょう それと、4人の演奏姿を見ていると演奏する喜びに溢れています。とくにこのモーツアルトではそう感じます

彼らのモーツアルト「ピアノ四重奏曲第1番&第2番」は下のCDに収められています。2005年6、7月の録音です


     


2曲目はメンデルスゾーン「ピアノ四重奏曲第2番ヘ短調作品2」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809‐1847)が1823年に作曲し、師のツェルターに献呈されました ということは彼が14歳の時の作品です 第1楽章「アレグロ・モルト」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「インテルメッツォ:アレグロ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

4人の演奏で第1楽章に入りますが、冒頭のメランコリックな主題が印象的です これが作品全体を支配します 本当に14歳の少年が作曲したのか  

第2楽章のアダージョはとても美しい   とくにエリカ・ゲルトゼッツァーの第1ヴァイオリンが弱音で美しいメロディーを奏で、それをサーシャ・フレンブリングのヴィオラとコンスタンティン・ハイドリッヒのチェロがフォローし、陰でディルク・モメルツのピアノがしっかりと支えるところはロマンティシズムの極致です マジ14歳で作ったのか 

第3楽章の間奏曲を経て、第4楽章はこの曲の白眉です   躍動感にあふれる主題が疾走します。これぞメンデルスゾーンの真骨頂です

実は、私が初めてフォーレ四重奏団のコンサートを聴いた時、この第4楽章がアンコールとして演奏されたのです  その時は作曲者名も曲名も知りませんでしたが、この曲のこの演奏にヤラレました    メンデルスゾーンとフォーレ四重奏団にのめり込むキッカケになったと言っても過言ではありません    それ以来、フォーレ四重奏団のCDを買い集めました(と言っても、それほど点数は多くないのですが)。メンデルスゾーンに関しては、それまでは16歳の時に書いた「弦楽八重奏曲」が神童の証明だと思っていたのですが、14歳で書いたというこの「ピアノ四重奏曲第1番」を聴いて、これこそ神童の証明ではないかと思うようになりました 神に誓って14歳で作曲したのか

フォーレ四重奏団のメンデルスゾーン「ピアノ四重奏曲第2番&第3番」は下のCDに収録されています。2009年7月の録音です


     


プログラム後半はシューマン「ピアノ四重奏曲変ホ長調作品47」です この曲はロベルト・シューマン(1810‐1856)が1842年10月24日から11月6日までの短期間に作曲した作品です この年には3つの弦楽四重奏曲、ピアノ五重奏曲、ピアノ四重奏曲を立て続けに作曲しており、「室内楽の年」と呼ばれています

第1楽章「ソステヌート・アッサイ~アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」、第4楽章「フィナーレ:ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

この曲は予習の時間があまり無かったので、特に印象に残った感想を書くことにします それは第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」におけるチェロの演奏です それまでは、それほど前面に出る機会もなく、地味な存在に徹していたコンスタンティン・ハイドリッヒのチェロが 俄然輝きを増してロマン溢れる演奏を展開したのです 他の弦楽とピアノを含めてもこの楽章こそ全体の白眉というべき楽章でした

第4楽章は4人の渾身の演奏による圧巻のフィナーレでした 会場いっぱいの拍手とブラボーに応え、4人はムソルグスキー(ピアノ四重奏用編曲版)「展覧会の絵」から「バーバ・ヤガー」を類まれな集中力で演奏、それでも鳴りやまない拍手に 同じ曲の最後の曲「キエフの大門」をスケールの大きな演奏で圧倒し、会場の温度を2度上昇させました

私がフォーレ四重奏団の演奏を初めて聴いたのは、チラシに書かれた「彼らの演奏を聴いた人は誰でも必ずまた聴きたくなるでしょう」というマルタ・アルゲリッチの言葉を信じたからです   彼女の言葉を信じた結果が、いまこうしてフォーレ四重奏団の演奏について書いていることにつながっています

次は5日(金)に同じトッパンホールでブラームスとフォーレのピアノ四重奏曲とラフマニノフの音の絵というプログラムを聴きます。楽しみです

【追記】ともさんからアンコールの1曲目は「小人」ではないか、とのご指摘がありました。確認したところご指摘の通りでした。ともさんにお礼を申し上げるとともに、ここに訂正させていただきます


     

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする