人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

日下紗矢子✕北谷直樹✕読響アンサンブルでバッハ「ブランデンブルク協奏曲第5番」、バルトーク「弦楽のためのディベルティメント」他を聴く~これぞアンサンブルの極致!

2018年10月23日 07時20分34秒 | 日記

23日(火)。わが家に来てから今日で1481日目を迎え、米ニューヨーク・タイムズ(電子版)は21日、トランプ政権が性の定義を生まれつきの性別に限定し、変更を認めない措置を検討していると報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      あれもこれも11月の中間選挙を見据えて 共和党支持層にアピールする政策だな

 

         

 

昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」を作りました 野菜は茄子、ピーマン、トマト、玉ねぎが入っています。何回食べても飽きない味です

 

     

 

         

 

昨夕、よみうり大手町ホールで読響アンサンブル・シリーズ「日下紗矢子リーダーによる室内合奏団」公演を聴きました プログラムは①ビーバー「バッターリア」、②J.S.バッハ「ブランデンブルク協奏曲第5番」、③バルトーク「弦楽のためのディヴェルティメント」です ヴァイオリン独奏はベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のコンマスで、読響の特別客員コンマスの日下紗矢子、②のチェンバロ独奏はアーノンクール、シュタイアーなどに師事した北谷直樹、フルート独奏は首席のフリスト・ドブリノヴです その他の出演者は、ヴァイオリン=太田博子、鎌田成光、小杉芳之、山田耕司、瀧村依里、小田秀、杉本真弓、外園彩香、山田友子、ヴィオラ=鈴木康治、正田響子、冨田大輔、三浦克之、チェロ=富岡廉太郎、唐沢安岐奈、松葉春樹、渡部玄一、コントラバス=瀬康幸、ジョナサン・ステファ二アクというメンバーです

いつものように、開演前にプレトークがあり読売新聞社の鈴木美調さんが今回の仕掛け人・日下紗矢子さんに演奏曲目についてインタビューしました 鈴木さんはさすがにインタビューが上手いですね

 

     

 

さて、本番です。1曲目はビーバー「バッターリア」です 「バッターリア」とはバロック時代に好まれた戦いを描写した合奏曲とのことで、この曲はボヘミア出身のハインリッヒ・イグナツ・フォン・ビーバー(1644-1704)が1673年に作曲した作品です 演奏時間にしてわずか10分程度の作品の中に8つの楽章があります

日下さん以下9人の弦楽奏者とチェンバロの北谷直樹氏が登場し、さっそく演奏に入ります プレトークで日下さんが話された通り、第2楽章では各々の楽器がそれぞれ別々のメロディーを演奏し 酩酊状態にある兵士を表現します 不協和音ここに極まれり また、第7楽章ではチェロとコントラバスのピッツィカートが銃声を模倣して弾かれます 傑作なのは、戦いに負けたらしい兵士たちが「やれやれ」といった感じでため息をつくような最後の一音です

この曲を聴いて、思いました。バロックとは「いびつな真珠」という意味だけど、ビーバーの「バッターリア」こそ「いびつな真珠」ではないか、と

2曲目はJ.S.バッハ「ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調」です ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)はケーテンのレオポルト公のカペルマイスター(宮廷楽長)の時代(1717ー1723)に楽器編成の異なる6つの協奏曲を書きました これをブランデンブルク辺境伯に献呈したことから 後に「ブランデンブルク協奏曲」と呼ばれるようになりました この曲の大きな特徴は、従来コンティヌオ(通奏低音)として扱われていたチェンバロが独奏楽器として活躍するところです これは当時の音楽界では画期的な出来事でした。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アフェットゥオーソ」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります

日下さん以下8人の弦楽奏者とフルートのドブリノヴ氏、チェンバロの北谷氏がスタンバイし第1楽章の演奏に入ります プレトークで、日下さんは「ベルリンでも室内楽を多く演奏していますが、第5番を演奏するのは初めてです」と語っていましたが、とても初めてとは思えないノリの良さでアンサンブルをリードしていきます また「バロック音楽は『拍』の取り方が大事で、それを共有することが重要です」と語っていましたが、10人の息はピッタリです 終盤の北谷氏によるチェンバロのカデンツァはさすがだと思いました 鮮やかな演奏はまさに名人芸です 第2楽章はソロ・ヴァイオリン、フルート、チェンバロによる三重奏ですが、この演奏が素晴らしかった 極上のワインを飲んでいるような味わいでした そして第3楽章は再び弦楽合奏とフルートとチェンバロの息の合ったアンサンブルが素晴らしい しばらく拍手が鳴り止みませんでした

この拍手を受けて、北谷氏が「これから演奏するトリオ・ソナタのジーグはバッハ作と言われていますが、疑わしい作品です アンコールに演奏します」とアナウンスして、バッハ「トリオ・ソナタ  ハ長調BWV1037」から「ジーグ」を、日下、ドブリノヴ、北谷、富岡の4人で演奏し、大きな拍手を浴びました

 

     


プログラム後半はバルトーク「弦楽のためのディヴェルティメント」です この曲はベラ・バルトーク(1881-1945)が1939年8月に、当時の作曲家たちのパトロン、アルパウル・ザッハーのスイスの別荘で作曲しました 作曲期間はなんと2週間でした 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「モルト・アダージョ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ」の3楽章から成ります

第1楽章は民俗風のメロディーが様々に変容していき、とても面白い曲です 弦楽だけの一糸乱れぬアンサンブルが見事です 日下さんはプレトークで「日本の弦楽奏者のレヴェルは非常に高い」と語っていましたが、まさにその通りの緻密なアンサンブルです 「緻密のアッコちゃん」などと冗談を言っている場合ではありません 第2楽章は憂いに満ちた暗い音楽が続きますが、聞こえてくるのは第二次世界大戦の足音でしょうか 第3楽章は一転、明るく弾むような民族舞曲風の音楽です ヴィオラの鈴木康治氏などは実に楽しそうに弾いています 演奏家はこうでなくっちゃ 20人の弦楽奏者の演奏はアンサンブルの極致です

満場の拍手とブラボーに応え、アンコールにモーツアルト「ディベルティメントK.136」から第3楽章「プレスト」が軽快に演奏され 再び会場溢れんばかりの拍手の中、コンサートの幕を閉じました  この日の公演は、読響の弦楽セクションの緻密なアンサンブルを まざまざと見せつけられた、実に素晴らしいコンサートでした

コメント
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