人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ベートーヴェンの告白」~ピアニスト本田聖嗣氏のエッセイから / 「村上レディオ 第2弾」を聴く / 伊坂幸太郎著「陽気なギャングは三つ数えろ」を読む~4人のギャングの特殊能力で危機を脱出!

2018年10月22日 07時26分12秒 | 日記

22日(月)。昨日午後7時から TOKYO FM で「村上レディオ  第2弾~秋の夜長は村上ソングスで」を聴きました   これは小説家・村上春樹がディスクジョッキーを務める番組で、今回が2回目です。村上氏が自宅から持参したCD(LPも?)をかけながら、その曲にまつわるエピソードを村上節で披瀝していきます 前回アネサ・フランクリンの曲をかけたら、最近彼女が死去したことから、最初は彼女の歌う「マイウエイ」がかかりました 村上氏の説によると、彼女はオリジナル曲を換骨奪胎してまったく違う曲にして歌っているが、クラシックで言えばグレン・グールドが似ているとのことです その後、ダニー飯田とパラダイスキングとか、ジャズピアニストの大西順子(「ゲット・バック」)とか、エンゲルベルト・フンパーディンク(「ラスト・ワルツ」)とか、ルイ・アームストロング+ジャック・ニコルソン(「バラ色の人生」)とか、スタン・ゲッツとか、いろいろなジャンルの歌手や演奏家の曲がかかりましたが、残念ながら今回もクラシックはかかりませんでした 55分間耳を傾けていましたが、あの調子ではクラシックの入る余地はまったくありません。もし1曲でも入ったら浮いてしまいます もし第3弾があるのなら、今度こそ「クラシック特集」を期待したいと思います

ということで、わが家に来てから今日で1480日目を迎え、11月6日に投開票される米中間選挙まで2週間あまりとなったが、世論調査によると定数435の下院では民主党が過半数を奪い返す可能性が十分ある というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプは「下院で負けても自分の責任ではない」と予防線を張ってるようだよ

 

         

 

昨日の日経朝刊「The STYLE」面にピアニストの本田聖嗣氏が「ベートーヴェンの告白」と題するエッセイを寄せています。超訳すると

〖私がプレゼンターを務めているインターネットのクラシックラジオ「OTTAVA」の事務局に、ベートーヴェンの幼なじみのフランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラー医師が創業者だったという孫が経営するドイツの「ヴェーゲラー醸造所」から「今度『ベートーヴェンのベストフレンド』というワインを売り出すので、宣伝してほしい」という電話がかかってきた。ベートーヴェンは若くしてボンを離れウィーンに移住したが、ヴェーゲラーとは手紙のやり取りをしていた ベートーヴェンは 遠く離れても親身になってくれる医師であり幼なじみでもあるヴェーゲラーに、『私はウィーンで気難しい人間として知られているが、考えてもみたまえ。音楽家の看板を下げている私が『すいません、おっしゃることが良く聞こえないのですが?』などと聞き返せるだろうか?それを避けるために、気難しい男の振りをしているのだ。この苦労がわかるだろうか!」と告白している。故郷ボンを後にしてから決して振り返らなかったベートーヴェンが、旧知の友人だけに見せた弱さ・・・ 死の床にあるベートーヴェンにヴェーゲラーから故郷のワインが差し入れられるが、弱ったベートーヴェンは「遅すぎる!」といって息を引き取った、という逸話が添付のリーフレットに記されていた。ドイツから届いた立派な木箱には「Symphony No.9」と書かれていた ワインを味わいながら、鉄人ベートーヴェンもやはり人間だったのだ・・・としみじみと思いながら噛みしめた

ベートーヴェンが聴覚を失いながら次々と名作を世に出していったことは良く知られていますが、突然耳が聴こえなくなったのではなく、だんだんと聞こえなくなっていったようです そのために反って、人との会話に苦労をするようになったのだと思われます    ベートーヴェンの生まれ故郷ボンの「Symphony No.9」というワイン、飲んでみたいものです   在庫ありますか?と訊いて、nein と言われたら諦めるしかありませんが

 

         

 

伊坂幸太郎著「陽気なギャングは三つ数えろ」(祥伝社文庫)を読み終わりました 伊坂幸太郎は1971年千葉県生まれ。2000年に「オーデュボンの祈り」で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞してデビューして以来、数々のヒット作を発表、多くの文学賞を受賞しています

「陽気なギャングは三つ数えろ」は、2003年2月の「陽気なギャングが地球を回す」、2006年の「陽気なギャングの日常と襲撃」に続く9年ぶりのシリーズ第3作です

主人公の銀行強盗はそれぞれ特殊能力を持った4人組です。成瀬は他人の嘘を見抜く能力を持っており、ギャングのリーダー格的存在 響野は口から出まかせの演説の名人で、普段は喫茶店ロマンを経営している 雪子は時間をコンマ単位で把握できる体内時計の持ち主でシングルマザー 久遠はスリの名人で、動物に詳しい 響野には妻の祥子がおり、雪子には息子の慎一がいます 物語は彼らを巻き込んで展開します

 

     

 

久遠はひょんなことから週刊誌記者の火尻を暴漢から救うが、ギャングの一味だという正体に気付かれてしまう その直後から4人のギャングたちの身近で、当たり屋、痴漢冤罪などのトラブルが頻発する 4人は連携を取りながらハイエナのようにしつこく嗅ぎまわる火尻の追及をかわし、逆に追い詰めていく

この本を読むと、「今どき、銀行ギャングなんて出来るわけがないだろう」と思いますが、銀行強盗のシーンは冒頭部分だけで、物語のキッカケに過ぎません この本を読む楽しさは、4人のギャングがそれぞれの特殊能力を生かして如何にして目の前の危機を脱し 反転攻勢に移るかにあり、伊坂幸太郎特有の会話の妙にあります

例えば、成瀬と響野の会話に次のようなものがあります

成瀬「世の中にはどっちかに分類できない話が多いんだ。いい話にも悲しい話にも思えるものばかりだ

響野「チャップリンの言ったあれか?人生はクローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ、という

成瀬「それとはちょっと違う

読み始めたら読む手が止まらない面白さです。お薦めします

コメント
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