29日(月)。わが家に来てから今日で1487目を迎え、前衛芸術家の草間彌生さんが理事長を務める草間彌生記念財団は、中国の上海市などで草間さん贋作の展覧会が開かれたが、財団の申し入れにより中止になったと27日発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
このニュースはトランプ米大統領が知的財産権侵害で中国を非難するのが頷ける
ヴァイオリニストの前橋汀子さんが日経朝刊 最終面の「私の履歴書」に連載していることはすでにご紹介しました 毎回、波乱万丈の半生で面白く読んでいるのですが、第26回目の「履歴書」では 1980年に日本に戻ってきてからのコンサート以外の活動についても触れています 田中康夫原作の映画「なんとなく、クリスタル」に出演したこと、NHK紅白歌合戦の審査員を務めたこと、テレビ番組の企画でシャンソン歌手ジュリエット・グレコと対談したこと、などが綴られています 面白いと思ったのは、グレコがいつも黒ずくめの衣装で歌っているのは「主役は音楽であって、私は黒子だから」と言ったのに対し、前橋さんは「ステージで演奏する時は、服も曲の一部だと思っています。だから私はいつも衣装を数着持ってコンサートに出かけ、ステージの壁の色や照明なども考えて着る服を選ぶ。それも楽しみなのです」と持論を展開し、お互いに譲らなかったというエピソードです そして、83年にデビューアルバムを発表して以来、次々とCDを送り出していき、88年に「バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全集」を録音したと書いています 私が唯一持っている前橋さんのCDがこの2枚組のバッハです
おそらく30年ぶりにCDジャケットを開いてみたら、作家の五木寛之氏が「魂のヴァイオリニスト 前橋汀子さんのこと」という題でエッセイを書いていました これを読んで面白いと思ったのは、幼い頃に前橋さんがロシアのサンクト・ペテルブルク音楽院出身の小野アンナさんにヴァイオリンを習っていたころ、五木氏は早稲田のロシア文学科の学生で、ブブノヴァというロシア夫人に語学や詩などの講義を受けていたが、ブブノヴァさんはアンナさんのお姉さんだということを後で知ったそうです そんなこともあって、五木氏は前橋さんに親近感を覚えるようになったと書いています ロシアつながりの縁ですが、いつ、どこで、誰と誰が繋がっているのか分からないものです。オソロシア
来年3月1日(金)午後7時からサントリーホールで開かれる「がんばろう日本!スーパーオーケストラ」公演のチケットを取りました プログラムは①ブラームス「悲劇的序曲作品81」、②同「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77」、③ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調作品88」です ②のヴァイオリン独奏=木嶋真優、管弦楽=「がんばろう日本!スーパーオーケストラ」、コンマス=小森谷巧、指揮=高関健です
今年も残り少なくなってきたので、3本柱の目標達成状況をチェックしてみました 10月28日現在で、①クラシック・コンサート181回(目標:年間200回)、②映画鑑賞135本(同:150本)、③読書50冊(同:70冊)となっています ①は今年の残りチケットの枚数をみるとクリアできる、②は楽勝でクリアできそう。しかし③は残り2か月で20冊、単純計算で3日に1冊のペースで読まなければなりません 極めてハードルが高いですが、あーだこーだ理屈をこねている暇はありません。目標がある限り達成を目指すべし
ということで、ジェフリー・アーチャー著「嘘ばっかり」(新潮文庫)を読み終わりました ジェフリー・アーチャーは1940年英国生まれ。1966年に大ロンドン市議会議員として政界デビューを果たし、69年には最年少国会議員として下院入りを果たしています 当ブログでは7部からなり6年の歳月を要した「クリフトン年代記」(①時のみぞ知る、②死もまた我らなり、③裁きの鐘は、④追風に帆を上げよ、⑤剣より強し、⑥機は熟せり、⑦永遠に残るは)をはじめとして、文庫化された作品は全てご紹介してきました
この「嘘ばっかり」は「十二本の毒矢」「十二の意外な結末」「十二枚のだまし絵」「十四の嘘と真実」「プリズン・ストーリーズ」「15のわけあり小説」に次ぐ7番目の短編小説集です 「嘘ばっかり」には15の短編小説と「次作についてのお知らせ」という名のもとに新作長編小説(1960年代のソ連を舞台に展開するアレクサンドルの物語)の最初の3章が収録されています
いずれも「そうきたか」「してやられた」という傑作揃いですが、すべてをご紹介するわけにもいかないので特に印象に残った作品をいくつか挙げてみます
まず最初に「最後の懺悔」です 30年来の友人である4人の男が主人公です。弁護士でサン・ロシェールの町長であるマックス・ラセールズ、個人銀行の会長であるクロード・テシエ、高等学校の校長であるアンドレ・パルメンティエ、病院の上席医であるフィリップ・ドゥ―セ博士の4人です 4人はナチに逮捕され同じ監獄に監禁されています。ある日、神父が来て「ドイツの列車がレジスタンによって爆破されドイツ人将校が死んだ。その報復に、収監されている4人のうち誰か1人を生かして残り3人を絞首刑にしなければならない。選択の方法として、各自が犯した最悪の懺悔をしてもらい、内容によって自分が決める方法を取りたい」と言い、一人一人が神父に懺悔をすることになります 4人はそれぞれ今まで神父に懺悔したことのない最悪の懺悔をします。さて、誰が生き残ることが出来たか?・・・結論を読むと納得します
次は「だれが町長を殺したか?」です イタリアの小さな町でロンバルディ町長が何者かに殺されます。彼は強請、贈賄など悪行の数々をやりたい放題やっていたので、誰も悲しむ町民はいませんでした 殺人捜査を命じられた32歳の若き警部補アントニオは町民一人一人に事情聴取することになります。しかし、誰もが「ロンバルディを殺したのは自分だ」と主張するので混乱します なぜ町民は口裏を合わせるように嘘をつくのか?ただ一人町長殺しを自白していない女性がカギを握っていたーというお話です
最後は「上級支店長」です 早期退職を強いられた銀行員アーサー・ダンバーが資産家の顧客の秘密に気が付き、人生の大逆転をかけて仕掛ける大金獲得作戦ですが、裏工作が上司にバレてしまいます しかしダンバーは凝りません。性懲りもなく徹底的に人生を賭けた勝負に出ます。そこがいいところです
いつものごとく、読み始めたら途中でブレーキがかけられない面白さです。お薦めします