9日(火)。わが家に来てから今日で1467日目を迎え、第41回シカゴ・マラソンが7日、米シカゴのグラントパーク発着の42.195キロで開催され、大迫傑が2時間5分50秒の日本新記録で3位に入った というニュースを見て感想を述べるモコタロです
サッカーに次いで マラソンでも 「大迫半端ない」が合言葉になりそうだな
昨日、夕食に「さんまの塩焼き」「マグロの山掛け」「炊き込みご飯」「ワカメの味噌汁」を作りました カボチャの煮つけはいただきものです。「炊き込みご飯」は炊きあがり時間の関係で写真には写っていません。悪しからず
昨日、東京藝大奏楽堂で「東京藝大ピアノ科と桐朋学園弦楽科教授陣によるフランス室内楽の午後」コンサートを聴きました 桐朋学園大学からは加藤知子(Vn)、久保田巧(Vn)、佐々木亮(Va)、長谷川陽子(Vc)が、東京藝大ピアノ科からは青柳晋、東誠三、有森博、伊藤恵、江口玲、坂井千春、迫昭嘉、津田裕也が出演しました
プログラムは①ドビュッシー「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」、②ミヨー「4つの顔」、③同「2台のピアノのための『スカラムーシュ』」、④ラヴェル「ヴァイオリンとピアノのための『ツィガーヌ』」、⑤同「2台のピアノのための『序奏とアレグロ』」、⑥ドビュッシー「チェロとピアノのための『ソナタ』」、⑦フォーレ「ピアノ五重奏曲第2番」です
このコンサートは、藝大准教授で桐朋学園出身の青柳晋氏が 同学園で同期だった長谷川陽子さんを通じて桐朋弦楽科主任の加藤知子さんに提案したことから実現したものです
午後2時開演のため1時10分頃奏楽堂に行ったのですが、すでに長蛇の列ができていました それでも1階15列12番、左ブロック右通路側を押さえることができました 会場は満席です
1曲目はドビュッシー「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」です この曲はクロード・ドビュッシー(1862‐1918)が完成させた最後の作品です 第1楽章「アレグロ・ヴィーヴォ」、第2楽章「間奏曲:幻想的で軽やかに」、第3楽章「フィナーレ:とても生き生きと」の3楽章から成ります 演奏はヴァイオリン=加藤知子、ピアノ=迫昭嘉です
2曲目はミヨー「ヴィオラとピアノのための”4つの顔”」です この曲はダリウス・ミヨー(1892‐1974)が作曲した音楽の肖像画とでも呼ぶべき小品集です 第1曲「カリフォルニア娘」(ゆっくりと)、第2曲「ウィスコンシン娘」(生き生きと華やかに)、第3曲「ブリュッセル娘」(ゆっくりと)、第4曲「パリ娘」(中庸な快活さで)の4曲から成ります 演奏はヴィオラ=佐々木亮、ピアノー津田裕也です
3曲目はミヨー「2台のピアノのための『スカラムーシュ』」です この曲はピアニストのマルセル・メイエルとイダ・ヤンケレヴィッチの依頼により1937年のパリ万博のために作曲されました 第1曲「活き活きと」、第2曲「中庸な速さで」、第3曲「ブラジルの女」の3曲から成ります 演奏は有森博、東誠三です
プログラム前半の最後は、ラヴェル「ヴァイオリンとピアノのための『ツィガーヌ』」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)がハンガリーのヴァイオリン奏者イェリー・ダラー二のために作曲した作品です「ツィガーヌ」とはフランス語で「ロマ(ジプシー)」を意味します。演奏はヴァイオリン=久保田巧、ピアノ=江口玲です
以上、前半の4曲を聴いた中で、一番面白かったのはミヨー「2台のピアノのための『スカラムーシュ』」です。有森博と東誠三の丁々発止のやり取りは迫力満点で”見もの 聴きもの”でした そして、ラヴェル「ヴァイオリンとピアノのための『ツィガーヌ』」では、江口玲の巧みな伴奏のもと、久保田巧のヴァイオリンによる重音、トリル、ピッツィカートなどの超絶技巧が冴えわたり唖然としました
プログラム後半の1曲目はラヴェル「2台のピアノのための『序奏とアレグロ』」です この曲は1905年にラヴェルがエラール社からハープのための作品を委嘱され「序奏とアレグロ」(弦楽四重奏、フルートとクラリネットを伴奏に持つハープのための曲)を作曲したのですが、その翌年に2台のピアノのため用に編曲し出版しました 演奏は坂井千春、青柳晋です
後半2曲目はドビュッシー「チェロとピアノのための『ソナタ』」です この曲は1915年7~8月に作曲されました。第1楽章「プロローグ:ゆっくりと」、第2楽章「セレナード:中庸の速さで生き生きと」、第3楽章「フィナーレ:生き生きと」の3楽章から成ります 演奏はチェロ=長谷川陽子、ピアノ=青柳晋です
この2曲では長谷川陽子の生き生きしたチェロが印象に残りました 彼女は華があるのでステージに登場しただけで舞台が明るくなります 現代においてはアーティストに求められる重要な条件の一つだと思います
ところで、「チェロ・ソナタ」の第1楽章が終わったところで、1階後方の席からケータイの軽薄な着信音が鳴り出しました まだいるんですね。こういう不届き者が 音はステージにも届いているはずですが、二人の演奏家は何事もなかったように第2楽章に入りました。いつまでも粗忽者を相手にしません。大人の対応です
さて、この日の最後を飾るのはフォーレ「ピアノ五重奏曲第2番ハ短調作品115」です この曲はガブリエル・フォーレ(1845‐1924)が1919年に着手し1921年に完成させた作品です。1921年5月21日にパリ国立音楽院の講堂で開かれた初演は大成功裡に終わったといいます 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アレグロ・ヴィーヴォ」、第3楽章「アンダンテ・モデラート」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります 演奏はピアノ=伊藤恵、ヴァイオリン=加藤知子、久保田巧、ヴィオラ=佐々木亮、チェロ=長谷川陽子です
第1楽章はピアノのアルペッジョで開始され、ヴィオラにより最初の主題が奏でられますが、この部分を聴いただけで感動を覚えます ちょうど1週間前に聴いたフォーレ四重奏団による「ピアノ四重奏曲第1番ハ短調作品15」にしても、この「ピアノ五重奏曲第2番ハ短調作品115」にしても、フォーレは何と素晴らしい曲を書いたことでしょうか すべての楽章が、ひとつの大きな流れを作って音の川が滔々と流れていくようです
フォーレというと、私などは「レクイエム」とか「パヴァーヌ」とか「ヴァイオリン・ソナタ」とかしか馴染みがなかったのですが、この1週間で室内楽の名曲を2曲聴いたお陰でフォーレの魅力を再発見することが出来、フォーレが好きになりました その意味で、私にとってこの日のコンサートは大きな意義のあるものになりました