4月1日(月)。学校や多くの企業では今日から新年度です ブレグジット(英国の欧州連合からの離脱)で3回目の協定案を否決され、最終決断を迫られたメイ首相の動向が注目を集めています
私は密かに英国の国営放送(BBC)がエイプリルフールに便乗して何らかの大うそを放送しないかと期待しています
何しろBBCは1957年に「スイスで『スパゲティが大豊作』と 木からスパゲティを収穫する映像を流して、栽培法を尋ねる電話が数百本あった」とか、1980年には「国会議事堂の大時計(ビッグベン)の針をプレゼントすると報じた」とか、とても国営放送とは思えないジョークをかましている放送局ですから期待が高まります
しかし、国を二分するような「ブレグジット」をテーマにウソをかますと、賛成・反対両陣営から袋叩きにされる恐れもあります
しかし そこはBBCのことです。視聴者のBBCからの「合意なき離脱」が生じないよう慎重に考えると思います
BBCはどんなギャグをかますのか、あるいは沈黙を守るのか、メイ走するメイ首相をしり目に 報道を見守りたいと思います
今日から新年号だ!って ウソだぴょん 5月1日からだから勘違いしないでね!
新聞報道によると、フランスの映画改革運動ヌーベルバーグの旗手として脚光を浴びた映画監督アニエス・バルダさんが29日未明までにパリの自宅で死去(享年90歳)しました ベルギーのブリュッセル近郊のイクセル生まれで、1954年から映画制作に入り、85年「冬の旅」でベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞したほか、2018年には米アカデミー賞名誉賞を受賞しています
私が観た唯一の彼女の作品は今年2月19日に早稲田松竹で観た「顔たち、ところどころ」(2017年フランス映画・89分)です この映画は、54歳下のフランス人アーティストのJRと二人で、地方を旅しながら人々の大きなポートレートを撮り、現地に”景色”として残していく活動を記録したロードムービースタイルのドキュメンタリーです
親交のあったゴダール監督の家を訪ねた時、訪問の日時を約束していたにも関わらずゴダールが留守にしていたことに腹を立て、涙を流すバルダさんの悲しさ、そして何とか彼女を慰めようとするJRの優しさが忘れられない作品です(2月20日のブログ参照)。バルダさんのご冥福をお祈りいたします
丹羽宇一郎著「仕事と心の流儀」(講談社現代新書)を読み終わりました 丹羽宇一郎さんは1939年愛知県生まれ。名古屋大学法学部を卒業後、伊藤忠商事に入社。1998年社長に、2004年に会長に就任。2010年には民間出身では初の駐中国大使に就任。現在、公益社団法人日本中国友好協会会長ほか
当ブログでは「死ぬほど読書」(幻冬舎新書)をご紹介しました
この本は、息子に読んでほしくて買いました 人に本を薦める時は、まず自分が読んでからにしています。丹羽さんは 私が新聞関係の団体に勤務していた時にお話を伺ったことがありますが、常識人であり人格者だと思いました
丹羽さんは「はじめに~努力に終わりはない」の中で、次のように書いています
「本書は、私から働いているすべての方々に送るエールです。これから日本の中心となる若い人に、いま私がいちばん知ってほしいのは、仕事を通して得られる人生の喜怒哀楽、とりわけさまざまな喜びです」
そして、次の章立てによって丹羽さんのメッセージが紹介されています
第1章「逆境が心を成長させる」
第2章「仕事と人生」
第3章「上司と部下」
第4章「組織と個人」
第5章「努力とチャンス」
どの章を読んでも、働く人にとって実践で役立つことばかりですが、丹羽さんの主張の根幹にあるのは「人は仕事で磨かれる」という信念です
第1章で一番印象に残ったのは「失敗のない優等生ほど怖いものはない。小さな失敗をたくさんせよ」というメッセージです。丹羽さんはここで「ハインリッヒの法則」を紹介しています
これは、一つの重大な事故が起きるまでには30近い軽微な事故が起きており、さらにその背後には10倍の300回くらい「ヒヤリ」「ハット」とするような小さな失敗や異常があるという、事故の法則です。丹羽さんは「小さな失敗はたくさんした方がいい。仕事で大失敗しないためのいちばん良い方法は、絶えず小さな失敗をしていくことだと、私は思っています
」と語ります。さらに「その時に大事なのは、失敗したらすぐ、上司に報告することです。報告すれば叱られて落ち込むかも知れませんが、『重大事故を未然に防いだ』と考えて、頭を切り替えればいいんです
」と述べています。このことは、長年実社会で働き 数々の失敗を繰り返してきたわが身を振り返るとよく理解できます
第2章で特に印象に残ったのは「『くれない症候群』から抜け出せ」というメッセージです 「俺が実力を発揮できないのは上司が認めてくれないからだ」、「仕事がうまくいかないのは同僚が協力してくれないからだ」、「自分の技能が活かされないのは会社が公正に評価してくれないからだ」という具合に、「~してくれない症候群」に陥っていないか、「それは自分のせいではないか」と頭を切り替えてみることを勧めています
第3章で印象的なのは「きみの能力は自分で評価するものじゃない。他人が決めるんだ」というメッセージです。丹羽さんは「ビジネスの世界では、自己評価など何の足しにもならない」と断じています
この章では「飲み二ケーションは、やっぱり大事」という重要なメッセージもあります
最近の若者はアフター・ファイブの付き合いが悪いようですが
第4章では「良心に忠実に生きよ。それが会社を救い、社会を救う」と言うメッセージが印象に残ります まずウソを付かないこと。そして組織の不正は許さないこと。それが引いては会社のためになるということです
第5章で印象的だったのは「誰にだってチャンスはある。勉強しないとチャンスは掴めない」というメッセージです。「チャンスというのは、そう滅多にあるものではない」とよく言われるが、「チャンスはあちこちにあると思っている」と語り、「ただし、目の前に流れている情報をただ『ボーッ』と眺めているだけではダメで、日ごろから関心のある情報を頭の中に入れ、気になることがあれば調べておくという姿勢でなくてはならない」と述べています
この本は特に若い皆さんに読んでほしいと思います 働く上での心構えが具体的に分かり易く書かれています
私はさっそく、山形に単身赴任して働き始めてから ちょうど1年が経過した息子に送りました