人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

是枝裕和監督映画「万引き家族」、上田慎一郎監督映画「カメラを止めるな!」を観る~ギンレイホール / JR上野駅の発着サイン音楽はプッチーニ「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」

2019年04月24日 07時21分43秒 | 日記

24日(水)。一昨日、東京文化会館に行くとき、JR上野駅の山手線ホームに降りたら、プッチーニ「トゥーランドット」のカラフのアリア「誰も寝てはならぬ」が電車の発着サイン音楽として使われていました 東京文化会館と新国立劇場がタイアップして実施する「オペラ夏の祭典」の一環として、7月12~14日に東京文化会館で上演される「トゥーランドット」を盛り上げるため、同会館がJRを巻き込んでPR活動を展開しているのでしょう 一方の新国立劇場の最寄駅・都営新宿線の初台駅の発着サイン音楽はヴェルディ「アイーダ」の「凱旋行進曲」です 新国立劇場でも同じプロダクションによる「トゥーランドット」が7月18~22日に上演されますが、その間は「アイーダ」から「トゥーランドット」に発着サイン音楽が変わるのでしょうか 注目したいと思います

ということで、わが家に来てから今日で1664日目を迎え、トランプ米大統領は22日、同氏の有力支援者で元実業家のハーマン・ケイン氏が米連邦準備理事会(FRB)理事への指名を辞退したと発表したが、利上げに反対するケイン氏の就任には「政治色が強すぎる」として人事を承認する上院に反対論があった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプって恥も外聞もなく 仲良しグループのメンバーだけを重用すると思わね?

 

         

 

昨日、夕食に「豚としめじの味噌チーズ炒め」「トマトとレタスとハムのスープ」「野菜サラダ」を作りました 「豚~」を作るのは2度目ですが、今回は美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「万引き家族」と「カメラを止めるな」の2本立てを観ました 平日の午前9時40分開演なのに館内はほぼ満席です 2本ともちょっと前に一世を風靡した話題作だからでしょう

「万引き家族」は是枝裕和監督による2018年製作映画(120分)です

下町の古い家で治(リリー・フランキー)と信代(安藤サクラ)夫婦、息子の祥太、信代の妹・亜紀(松岡菜優)の4人が祖母・初枝(樹木希林)の年金を頼りに暮らし、足りない生活費を万引きで稼いでいた 社会の底辺ともいえる生活環境の中にあっても、なぜかいつも笑いが絶えず仲良く暮らしていた ある日、万引きの帰り道、凍えている少女を見かけ、家に連れ帰りいっしょに暮らすことになり、6人の生活が始まる 少女ゆりは親から虐待を受けていたのだった。数日後、親から捜索願が出されていることが分かる。誘拐事件としてテレビが大々的に報道を始めたが、ゆりは親元には戻ろうとせず6人で生活することを選ぶ ある日、祥太とゆりが店で万引きをするところを店員に見つかり、祥太はゆりを救うため自分が犠牲になって店員に追わせる。追い詰められた祥太は歩道橋から飛び降り大けがを負って入院する それをきっかけに残りの家族5人の身元が警察によって明らかにされ、家族一人ひとりの本当の”正体”が明かされていく

 

     

 

ご存知の通り、この作品は第71回パルムドール受賞作です 確かに、何をやってもピタリとはまるリリー・フランキーは凄いし、圧倒的な演技力の安藤サクラは凄いし、そこに居るだけで存在感のある樹木希林は凄いのですが、亜紀を演じた松岡菜優、祥太を演じた城桧吏、ゆりを演じた佐々木みゆを含めた6人の一人ひとりが主役を張っているのが凄いと思います

映画を観ていると、まず最初に治と信代の二人がいて、そこから一人ひとりが家族として迎えられてきたことが分かってきます そしてあたかも本当の家族のような絆で結ばれて生きていくのです 治と信代は曰く因縁があって共に生活を始めたわけですが、彼らの基本スタンスは「捨てない」ということです 「使い捨て」の今の世の中、これがどれほど難しいか

劇中、学校に行っていないのに勉強家の祥太が、”父親”の治に「スイミー」の話を聞かせるシーンがあります 「スイミー」は、オランダ出身のアメリカの絵本作家レオ・レオ二が描いた絵本で、日本語訳は谷川俊太郎さんです 知人にあげてしまい今は手許にありませんが、子どもたちが小さいころは何度も繰り返し読み聞かせていた絵本のひとつです 「スイミー」は次のようなストーリーです

「スイミーは小さな魚。仲間たちがみな赤い小魚だったのに、スイミーだけは真っ黒な小魚だった しかし、泳ぎは他の誰よりも速かった 大きな海で暮らしていたスイミーと仲間たちだったが、大きなマグロに仲間を食べられてしまい、泳ぎの速いスイミーだけが助かる。岩の陰に隠れてマグロに怯えながら暮らす赤い小魚たちを見つけ、スイミーは一緒に泳ごうと誘うが、小魚たちはマグロが怖いからと出てこない そこでスイミーは、マグロに食べられることなく自由に海を泳げるように、みんなで集まって大きな魚の形をつくって泳ぐことを提案する スイミーだけが黒い魚なので、自分が目になることを決意する。こうして、小魚が集まって作った大きな魚はマグロを追い払い、海をスイスイ泳げるようになった

祥太が治に「スイミー」について語るシーンは2度出てきますが、この映画の”核”となるエピソードだと思います 黒の両目は治と信代で、赤い魚は同居する”疑似家族”たちでしょう 一人ひとりが世の中から疎外された存在でも、ひとつに集まれば、たとえ血がつながっていなくとも ”家族”として幸せな生活を送ることができる 祥太が語る「スイミー」には、そんなメッセージが込められているように思います

 

     

 

         

 

「カメラを止めるな!」は上田慎一郎監督による2017年製作映画(96分)です

人里離れた山奥の廃墟で自主制作映画のチームがゾンビ映画を撮影していた。監督の要求がエスカレートしていく中、本物のゾンビが襲い掛かってくる ディレクターの日暮は大喜びで撮影を続けるが、撮影隊の面々は次々とゾンビと化していく

 

     

 

この映画は、映画専門学校「ENBUゼミナール」のワークショップ「シネマプロジェクト」の第7弾として製作された作品です 前半はゾンビ映画の製作の途中で本物のゾンビが襲い掛かってくるシーンを30分以上にわたる長回しで撮影するなど、意欲を感じさせる作りになっています これだけで終わっていたら、「なーんだ、こんなもんか」で済んでいたでしょう しかし、本当に面白いのは後半でした 前半の各シーンがなぜそうなったのかについて、舞台裏の動きを見せることによって種明かしします 表面的にはスムーズに撮影が進んでいるように見えますが、裏側ではとんでもないアクシデントが次から次へと発生し、監督はじめ製作人が対応に追われてアタフタと動き回っている様子が映し出されます あまりお金をかけないアイディア勝負の傑作B級映画と言っておきます

コメント
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