17日(水)。わが家に来てから今日で1657日目を迎え、トランプ米大統領は15日、2度の墜落事故を起こした米ボーイングの新型機「737MAX」について、「私がボーイングなら、優れた機能を追加して新しい名前を付ける」とツイッターに投稿した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプなら「ゴーイング マイ ウェイ MAX」とでも名付けるんじゃね~の!?
昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」を作りました 娘も私も大好きなので時々作りますが、あまりの美味しさにお代わりしました
昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ドニゼッティ「連隊の娘」を観ました これは今年3月2日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演は、マリー=プレティ・イエンデ、トニオ=ハヴィエル・カマレナ、シュルビス=マウリツィオ・ムラ―ロ、ベルケンフィールド侯爵夫人=ステファニー・ブライズ、管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=エンリケ・マッツォーラ、演出=ロラン・ペリーです
「連隊の娘」はガエターノ・ドニゼッティ(1797‐1848)が1840年に作曲、同年2月11日にパリのオペラ・コミック座で初演された全2幕の喜劇オペラです
砲声がして村人や旅の途中のベルケンフィールド侯爵夫人が様子を伺っていると、フランス軍21連隊がシュルピス軍曹に率いられてやってくる その中には孤児として連隊の兵士たちに可愛がられて育ったマリーの姿があった。物思いにふけるマリーは、父親と慕う軍曹に問われるまま「命を助けてくれたトニオという若者に恋をしている」と告白する。シュルピスは「おまえが結婚できるのはこの連隊の一員のみだ」と忠告する。そこへマリーの後を追ってきたトニオがスパイ容疑で連行されてくるが、彼女のとりなしで自由になり 連隊に加わることになる 宴でマリーは『連隊の娘』を歌う しかし、その後 侯爵夫人の行方不明の姪がマリーであることが判明し、彼女との結婚を期待するトニオの想いとは裏腹に、夫人はマリーを家に連れ帰ることを決意する 皆に惜しまれながらマリーは連隊から去って行く(以上第1幕)
数カ月後、マリーは貴族相手の縁談のために花嫁修業をしている。軍曹だったシュルピスは、執事として仕えている。しかし、マリーは馴染めない上流階級の生活に 連隊を懐かしがっていた そこへ将校に昇進したトニオが連隊兵士たちとともにやってきて、マリーに結婚を申し込むが、公爵夫人は認めようとしない 実はマリーは侯爵夫人の姪ではなく娘だったのだ 予定通り婚礼の準備が進められていく中、トニオと兵士がなだれ込んできて、自分たちの『連隊の娘』マリーを救いにきたと明かすとその場は大混乱になる ”連隊の雑用係”である自分の身の上を正直に語り、連隊の兵士へ感謝を捧げるマリーの姿を見て 公爵夫人は感動し、トニオとの結婚を許す(以上第2幕)
前回「連隊の娘」を観たのは、2008年のMETライブビューイング(ロラン・ペリーのMET演出デビュー作)のアンコール上映でした マリーをナタリー・デセイ、トニオをフアン・ディエゴ・フローレスが歌いましたが、当時 最強のコンビでした
タクトをとるエンリケ・マッツォーラはイタリア出身ですが、2016年にドニゼッティ「愛の妙薬」でMETデビューを果たしました 現在フランス国立イル・ド・フランス交響楽団の音楽監督を務めています
今回 マリーを歌ったプレティ・イエンデは南アフリカ生まれのソプラノですが、2013年にロッシーニ「オリ―伯爵」のアデーレでMETにデビュー、2017-18のMETライブビューイング、ドニゼッティ「愛の妙薬」のアディーナにも出演し絶賛されています ナタリー・デセイに負けず劣らずの体当たり演技で、おてんば娘マリーを演じましたが、第1幕終盤で、マリーが連隊と別れを告げるアリアは涙なくして聴けませんでした ドニゼッティは喜劇でもドタバタにしません 幕間のインタビューで「かなりアドリブがあったようですが」と問われたイエンデは、「リハーサルで ズールー語(南アフリカの公用語の一つ)でアドリブを呟いたら、それいいね ということになって、本番でも使いました」と答えていました
トニオを歌ったハヴィエル・カマレナは1976年メキシコ生まれのテノールですが、第1幕終盤でトニオが歌う「友よ楽しい日」ではハイCを9連発し、長いあいだ 拍手とブラボーが止みませんでした なんとアンコールがかかり、再びハイCを9連発し会場を興奮の渦に巻き込みました 彼と勝負できるのは、前回トニオを歌ったフアン・ディエゴ・フローレスしかいないと思います それにしてもカマレナはメキシコ、フローレスはペルーと、共にアメリカの南側の出身です。トランプ大統領はメキシコとの間に「ばかの壁」を建設している余裕はないんじゃない
幕開け前に「本日 シュルビスを歌うマウリツィオ・ムラ―ロは、風邪のため体調が万全ではありませんが、出演いたします。何卒ご了承ください」とアナウンスがありましたが、イタリア出身のムラ―ロは確かに熱があるような赤ら顔をしていましたが、声は万全で、魅力のバスバリトンを聴かせてくれました
ベルケンフィールド侯爵夫人を歌ったステファニー・ブライズは1970年生まれのメゾソプラノですが、喜劇オペラにはピッタリのキャラです 恵まれた体格から発声するメゾは深みがあり演技力にも味があります
今回の公演では、クラッケントルプ公爵夫人役にキャスリーン・ターナーが抜擢され、セリフと演技だけの出演を果たしました 私は良く知らないのですが、この人はアメリカでは”知らない人以外はみんな知っている”有名な女優さんのようです 幕間のインタビューで映画とオペラの違いを訊かれ、「映画は演技が自然ですが、オペラは大げさです オペラで怖いのは傾斜舞台です」と語っていました。オペラでは ちょっとした動作やセリフで笑いを取っていましたが、さすがは大女優だと思いました
演出面では、第2幕終盤で 強制された結婚を嫌がるマリーを救うため、戦車に乗ったトニオが兵士たちを従えて駆けつけるシーンは 胸がジーンと熱くなりました
エンリケ・マッツォーラ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団は、歌手に寄り添いつつ、オーボエが、チェロが、オケ全体が、ベルカントを美しく歌っていました