22日(月)その2.よい子は「その1」も見てね モコタロはそちらに出演しています
昨日は読響サマーフェスティバル2019「三大交響曲」と「三大協奏曲」の読響会員優先発売日だったので、両方ともチケットを取りました
「三大交響曲」は①シューベルト「交響曲第7番”未完成”」、②ベートーヴェン「交響曲第5番”運命”」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界より”」で、8月18日(日)午後2時から東京芸術劇場です 指揮はマルチェロ・レーニンガ-です
「三大協奏曲」は①メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」、②ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」、③チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」で、8月21日(水)午後6時半から東京芸術劇場です ①のヴァイオリン独奏は髙木凛々子、②のチェロ独奏はアレクサンドル・ラム、③のピアノ独奏はアレクサンダー・マロフェーエフ、指揮はマルチェロ・レーニンガ-です
この中で最も期待しているのは髙木凛々子さんです 昨年度の東京藝大モーニングコンサートでメンデルスゾーンのこの協奏曲を弾きましたが、とても印象に残っています
昨日午後4時から、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン第132回定期演奏会を聴きました プログラムはJ.S.バッハ「マタイ受難曲 BWV244」です 出演は、ソプラノ=キャロリン・サンプソン、同=松井亜希、アルト=ダミアン・ギヨン、同=クリント・ファン・デア・リンデ、エヴァンゲリスト=櫻田亮、テノール=ザッカリー・ワイルダー、イエス/バス=クリスティアン・イムラ―、バス=加来徹、管弦楽・合唱=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木雅明です
会場に入って、ステージを見て「おやっ」と思いました いつもはパイプオルガンの操作卓(鍵盤部分)が2階中央正面に現われているのですが、今回は1階のステージ中央の壁際に設置されています パイプオルガン特有のストップが見当たらないので、移動式のオルガン操作卓なのでしょうか。周囲に装飾を施した立派なオルガンですが、演奏者(鈴木優人)は後ろ向きに演奏しなければなりません
会場はほぼ満席 「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ曲」の時はいつも満席です 通常のカンタータ・シリーズ公演もこうだと良いのですが
オーケストラは、いつも「マタイ受難曲」を演奏する時のように、弦楽器群と木管楽器群、そしてコーラスが左右に分かれ、センターに通奏低音(オルガン、チェロ、ファゴットなど)がスタンバイします 向かって左サイド(第1群)のコンマスは寺神戸亮、右サイド(第2群)のコンマスは若松夏美です。第1群にはオーボエの三宮正満、フルートの菅きよみ、前田りり子といった主要メンバーがスタンバイします
ソリストと合唱、そして指揮をとる鈴木雅明が登場し、さっそく演奏に入ります コーラスが第1曲「来なさい、娘たち、ともに嘆きましょう」を歌い始めると、「ああ、バッハの旅が始まったんだな」と思います 正味3時間弱のこの大曲を最後まで聴き通すのは、いわば”旅”そのものです
ソリスト陣は充実していましたが、最も優れたパフォーマンスを見せていたのはイエスを歌ったバスのクリスティアン・イムラ―と、エヴァンゲリストを歌った(語った)テノールの櫻田亮の二人です イムラ―は艶のある独特のバスで声が良く通り、堂々たるイエスでした 櫻田亮のエヴァンゲリストを聴くのは今回が2度目ですが、すっかり福音史家が蒲鉾になり、もとい、板についてきました あとはカウンターテナーのダミアン・ギヨンが透明感のある声で、聴かせていました 他のソリストも期待通りの出来でした。合唱の素晴らしさは言うまでもありません
歌手に寄り添って演奏するオケのメンバーでは、フルートの菅きよみ、前田りり子、オーボエの三宮正満、コンマスの寺神戸亮、若松夏美といった実力者たちが素晴らしい演奏を展開していました
オケが最後の「私たちは涙を流しながらひざまずき」の演奏を始めた時、「ああ、バッハの旅もいよいよ終わりだな」と思い、感慨深いものがありました
著名な音楽評論家・吉田秀和氏は生前 バッハの音楽について概要次のように書いています
「バッハには、およそ西洋音楽の歴史を通じて創造された最高の音の構造物が二つある。その一つは『マタイ受難曲』であり、もう一つは『ロ短調ミサ曲』である。この二作は 西洋音楽の全地平線を貫いて、そびえたつ最高の大伽藍である」
この見解に異論を唱える人は恐らく誰もいないでしょう