人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京春祭「クールマン、愛を歌う」を聴く ~ サン=サーンス「あなたの声に私の心も開く」、ロイド・ウエバー「私はイエスがわからない」ほか / N響2019-2020シーズン「席替え」で申し込む

2019年04月10日 00時48分44秒 | 日記

10日(水)。わが家に来てから今日で1650日目を迎え、仏ラジオ局RTLは8日、会社法違反容疑で再逮捕された日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者について、仏大統領府が特別扱いしない方針だと伝えた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       不正が発覚する前に マクロン大統領夫妻を”社長号”に招待しとけば良かったのに

 

         

 

昨日、夕食に「トマトと豚肉の重ね蒸し」を作りました 河野雅子先生のレシピですが、ここだけの話、「湯カップ1/4」とあるのを「酒カップ1/4」と読み間違え、日本酒を入れてしまいました 料理中に酒のアルコール分がある程度 飛んだせいか、何とか違和感(少)なく食べることが出来ました。娘には内緒にしとこおっと

 

     

 

         

 

N響から「2019-20シーズン  会員券更新のご案内」が届きました 19年9月から20年6月まで9回のコンサートです 現在 私はB2プログラム(A席)会員ですが、3つのプログラムを比較すると、私の好みはAプログラムのようです。10月のショスタコーヴィチ「第11番」、1月のマーラー「第2番」、2月のブルックナー「第7番」、5月のショスタコーヴィチ「第9番」、6月のマーラー「第9番」がラインアップに含まれています また、ブロムシュテットは11月にブラームスの「第3番」を振ります。手帳で日程を確認したら、現時点で他のオケのコンサートと重なっているのが2公演ありますが、N響は2日間同一プログラムなので振り替えがききます したがって日程的には問題ありません。会場がサントリーホールでなくNHKホールなのが不満が残るところですが、プログラム重視で選択するしかありません 早速 WEBチケットN響のマイページから「更新手続き」の「席替え」を選んで申し込みました。このため、7月7日以降に席替え手続きをする必要があります

 

     

 

         

 

昨夕、東京文化会館大ホールで「東京・春・音楽祭2019」の「クールマン、愛を歌う」(原題:「ラ・ファム・セ・モア」=「女、それは私」)を聴きました

出演は、企画構成・歌=エリーザベト・クールマン、ヴァイオリン=アリョーシャ・ビッツ、ヴィオラ・編曲=チョー・タイシン、チェロ=フランツ・バルトロメイ、コントラバス=ヘルベルト・マイヤー、クラリネット/サクソフォン=ゲラルト・プラインファルク、アコーディオン=マリア・ライター、ピアノ=エドゥアルト・クトロヴァッツです

プログラムは2部構成になっています 第1部「愛と時間について」は次の通りです

①チョー.タイシン「前奏曲」、②サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」より「あなたの声に私の心も開く」、③コール・ポーター「キス・ミー・ケイト」より「アイ・ヘイト・メン」、④ビゼー:歌劇「カルメン」より「恋は野の鳥」、⑤H.ウォーレン「ザッツ・アモーレ」、⑥ブリテン「4つのキャバレー・ソング」より「恋の真実を言って」、⑦A.ロイド=ウェバー「ジーザス・クライスト・スーパースター」より「私はイエスがわからない」、⑧シューベルト「糸を紡ぐグレートヒェン」、⑨T.パーラー「あの人が消えた」、⑩シェレシェ・レジェ―「暗い日曜日」、⑪モーツアルト:歌劇「魔笛」より「愛の喜びは露と消え」、⑫シューベルト「死と乙女」、⑬R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」より「でも、時は不思議なもの」、⑭ジョン・レノン&ポール・マッカートニー「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」

自席は1階8列24番、センターブロック右通路側席です。会場は6~7割くらいの入りでしょうか とは言っても、同じ大ホールでも1999席の東京芸術劇場と2303席の東京文化会館とは分母が違います。かなりの集客数と言っても良いでしょう

拍手の中、バックを務める7人の演奏者たちが入場し配置に着きます 左からヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、アコーディオン、クラリネット、センター後方にピアノという布陣です

1曲目のチョー・タイシン(ヴィオラ奏者)作曲による「前奏曲」がインスツルメンツのみで演奏されますが、ゆったりしたバラード調のメロディーはベートヴェンの「月光ソナタ」によく似ています 聴き惚れていると、会場の右通路が急に明るくなり、後方で拍手が起こりました 世の中には3つの坂があります。「登り坂」、「下り坂」、そして「まさか」です。その「まさか」が起こりました 何と主役のクールマンがサン=サーンスの歌劇「サムソンとデリラ」より「あなたの声に私の心も開く」を歌いながらステージに向かって歩いてくるではありませんか 濃いピンクの衣装のクールマンが私のすぐ右を通って前方に歩いて行きました。とてもクールではいられません これだから通路側席は止められないのです ステージに上がった彼女は日本語で「それは嘘よ」と言ってコール・ポーターの「アイ・ヘイト・メン」を茶目っ気たっぷりに歌いました そうかと思うと、ビゼーの「カルメン」のイントロに反応して靴を脱ぎ、「恋は野の鳥」を歌い始めました クールマンは、ウィーン・フィルの首席チェロを45年勤めたフランツ・バルトロメイを挑発したり、ウィーン・フィル首席コントラバスのヘルベルト・マイヤーに肩を寄せたりと、忙しく動き回りながら歌い上げました この後も、クラシックからポピュラーへ、ポピュラーからクラシックへと歌い続けていきましたが、その歌い分けが見事です ほとんど混合メドレーのように繋げていきます ある曲が終わると、バックの演奏者が次の曲のイントロを準備して、クールマンが歌いやすいようにおぜん立てをしているように見受けられます しかし、よく考えてみると、このブログの最初にある通り「企画構成・歌=エリーザベト・クールマン」なのです つまり、おぜん立てするように企画構成したのはクールマンその人だったわけです おそらく、クールマンがすべての選曲を行い、それをどういう順番で歌っていくかを決め、そのためにはどういう編曲をすれば次の曲にスムーズにつなげるかを考え、編曲をチョー・タイシン氏に依頼したのではないか、と思います

第1部の最後はジョン・レノン&ポール・マッカートニーの「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」ですが、曲が終わりに近づくと、ヴァイオリンが去り、ヴィオラが去り、クールマンが去り、ピアノが去り・・・と、まるでハイドンの「交響曲第45番”告別”」のように一人ひとり演奏者が抜けていき、最後にクラリネット奏者が舞台袖に引き上げ、大きな拍手が起こりました これもクールマンが仕掛けたのでしょうか

 

     

 

第2部「暴力と救済」は次の通りです

①ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「ワルキューレの騎行」、②モーツアルト:歌劇「魔笛」より「夜の女王のアリア”復讐の炎は地獄のように我が胸に燃え」、③ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「それならば、永遠の神々はもうお仕舞いなのですか?」、④同:歌劇「タンホイザー」より、⑤同:楽劇「ラインの黄金」より、⑥同:楽劇「ワルキューレ」より、⑦ビゼー:歌劇「カルメン」より「諸君の乾杯を喜んで受けよう」⑧ベートーヴェン「交響曲第9番ニ短調」第4楽章より「おお友よ、このような調べではない!」、⑨シューベルト「魔王」、⑩バーンスタイン:「ウェスト・サイド物語」より「どこかへ」、⑪K.ワイル「三文オペラ」より「海賊ジェニー」、⑫ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」より「呪われし美貌」、⑬C.ポーター「ミス・オーティス・リグレッツ」、⑭リヒャルト・シュトラウス:歌劇「サロメ」より「7つのヴェールの踊り」、⑮シャルル・デュモン「水に流して」

第2部が始まるや否や、舞台両サイドから口喧嘩のような声が聞こえてきます 何事かと注目すると、出演者がお互いに口論しながら登場し、黒の衣装に着替えたクールマンに至ってはコントラバス奏者と取っ組み合いをはじめて、彼女だけが舞台袖に引き上げました どうやらこのパフォーマンスは1曲目のワーグナーの楽劇「ワルキューレ」より「ワルキューレの騎行」の勇ましい音楽への前触れであるとともに、インスツルメンツだけで演奏するためクールマンを引き上げさせる意図があったようです すると今度はクールマンが頭にスター・ウォーズに出てくるストームトルーパーのようなヘルメットをかぶって出てきて、モーツアルトの「夜の女王のアリア」とワーグナーの楽劇「ワルキューレ」などをごちゃ混ぜにした歌を歌いました これは私の理解力を超えていました

次にインスツルメンツだけでビゼー「カルメン」で闘牛士エスカミーリョが歌うアリアを演奏します これが素晴らしい演奏で、個々の演奏者がホンモノのプロフェッショナルであることを証明しました 大きな拍手が起こる中、舞台袖からクールマンが再登場し、ベートーヴェンの「第九」第4楽章の「おお友よ、このような調べではない」を高らかに歌い上げます つまり、「私のことを忘れていませんか」といいうメッセージです

クールマンはプログラム最後の曲、チャールズ・デュモンの「水に流して」を歌い上げ、コンサートを締めくくりましたが、これ終わる訳がありません 誰も席を立たない会場に向けて、ヴェルディ「ファルスタッフ」のフィナーレ(Falstaf  falls  tough)を歌い、鳴りやまない拍手にジーツィンスキーの「ウィーン、わが夢の街」を流暢な日本語で歌って喝さいを浴び、それでも鳴りやまない拍手とブラボーに、「この世で一番美しい音楽だと思う」と紹介した上で リストの「愛し合うことは素晴らしいことだろう」を歌い、「Have a good night!」と挨拶して舞台袖に引き上げました

エリーザベト・クールマンは、クラシックに飽き足らず、ジャンルを超えて表現したいものを内に秘めているのだと思います そしてそれを歌で表現する才能を持っている人です

ジャンルを超えたエンターティナー、エリーザベト・クールマンと、超一流のプロフェッショナル・アーティストたちによるコンサートは、次がどういう展開になるのかワクワクドキドキの連続で、最初から最後まで楽しむことが出来ました

 

     

コメント (1)
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