4日(木)。わが家に来てから今日で1644日目を迎え、東京都は3日 現代芸術家で名誉都民の草間彌生さんがデザインした黄色地に大小とりどりの黒の水玉模様をあしらったグランドピアノのお披露目を都庁の南展望室で開いた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
弾く人は 水玉模様に惑わされてホンキートンクみたいになりそうな気がするよ
昨日の朝日新聞第1面のコラム「折々のことば」(鷲田清一氏)に「ビジネスでよく耳にする言葉」として、
「Plan・Do・Check・Action」
を取り上げていました。PDCAサイクルと呼ばれる「計画・実行・評価・改善」という仕事の流れを指しています 鷲田氏によると この手法は、
Plan(計画)・Delay(遅延)・Cancel(中止)・Apology(謝罪)
と揶揄するむきもある、として「設定された計画が真に十全なものか、よく吟味せずにそれを始点とすれば、前例主義や上意下達、減点主義といった〈萎縮)の慣習になってしまうからだろう」と結んでいます。これを読んで、”大英帝国”のブレグジットを思い浮かべました
昨日、夕食に「ニラのスタミナ丼」を作りました 本当は生の黄身を載せるのですが、半熟卵を載せてみました。とても美味しいです
昨夕、上野の東京文化会館小ホールで「東京・春・音楽祭2019」の「ブラームスの室内楽Ⅵ 小山実稚恵を迎えて」公演を聴きました プログラムはブラームスの①ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8、②ヴァイオリン・ソナタ《F.A.E》より第3楽章「スケルツォ」、③ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34です
演奏はヴァイオリン=竹澤恭子、小川響子、ヴィオラ=川本嘉子、チェロ=向山佳絵子、ピアノ=小山実稚恵です
自席はD列19番、左ブロック右通路側です。会場は満席近い状況です
1曲目は「ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833‐1897)が1853年から54年にかけて作曲し、その後89年から90年にかけて改訂を加えた作品です
本来はヴァイオリン、チェロ、ピアノのための三重奏曲ですが、この日はヴァイオリンに代えてヴィオラで演奏されます
第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ」の4楽章から成ります
川本、向山、小山の3人が配置に着き、さっそく第1楽章の演奏に入ります 小山さんのピアノから入りますが、理想のテンポです
次いで向山さんの気品に満ちたチェロが入り、川本さんの歌うヴィオラが参入します
このアンサンブルが素晴らしい
私はブラームスの室内楽ではこの曲が一番好きなのですが、オーギュスタン・デュメイ(Vn)、ジャン・ワン(Vc)、マリア・ジョアオ・ピリス(P)によるCDが私の基準としている演奏です
この日の演奏はこのトリオの演奏に限りなく近いテンポでした
かなり前に、指揮者チョン・ミョンフンが姉弟でトリオを組んでこの曲を演奏したのを聴いたことがありますが、チョン・ミョンフンのピアノの出だしがあまりにも速すぎてガッカリしたことを覚えています
彼はチャイコフスキー国際コンクール(ピアノ部門)の入賞者ですが、この時だけは、彼は指揮に専念すべきだ、と思ったものです
第2楽章のスケルツォを経て、第3楽章のアダージョは”弱音の魅力”とでも言うべき繊細でニュアンスに満ちた演奏で、静かな感動を覚えました
そして 第4楽章のフィナーレの追い込みは見事でした
2曲目は「ヴァイオリン・ソナタ《F.A.E》」より第3楽章「スケルツォ」です この曲は第1楽章をA.ディートリヒが、第2・第4楽章をロベルト・シューマンが、第3楽章をブラームスが作曲し、ヴァイオリニストのヨアヒムに献呈されました
そのため、この日は第3楽章だけが演奏されました。なお、「F.A.E」はドイツ語の「自由だが孤独」の略で、各楽章はF.A.E(ヘ・イ・ホ)をモットーとしています。この曲もヴァイオリンの代わりにヴィオラで演奏されます
この曲では川本さんの鋭い切り込みに小山さんがピタリとつけていました 中間部では川本さんのヴィオラが良く歌っていました
それにしても、ペラ1枚のプログラムの不親切さは何とも言いようがありません 演奏曲目と出演者の一覧が書かれているだけで、前半の2曲をヴァイオリンに代えてヴィオラが演奏するという情報はどこにも書かれていません
1行で済むのだから、せめてそのくらいの情報は書いておいてほしいと思います
プログラム後半は「ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34」です この曲はブラームスが1861年から64年にかけて作曲した作品で、1868年にパリで初演され、ヘッセンのアンナ王妃に献呈されました
第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ、ウン・ポコ・アダージョ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:ポコ・ソステヌート~アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります
この曲からヴァイオリンの竹澤恭子さんと小川響子さんが加わります 編成は左から第1ヴァイオリン=竹澤恭子、第2ヴァイオリン=小川響子、チェロ=向山佳絵子、ヴィオラ=川本嘉子、奥にピアノ=小山実稚恵という並びです
竹澤さんの合図で第1楽章に入ります 左サイドのヴァイオリンの二人の動きが激しいのに対し、右サイドのチェロ=向山さん、ヴィオラ=川本さんの落ち着いた演奏態度が対照的です
竹澤さんは椅子に身体を少ししか乗せていません。ほとんど前のめりに演奏します
第2楽章は弱音の魅力です
第3楽章は一転、推進力に満ちたスケルツォです
この曲の聴かせどころと言っても良いかもしれません
聴いている方が楽しいのだから、演奏する方はもっと楽しいのだろうと思います
愉悦感に満ち溢れた演奏でした
そして第4楽章の渾身のフィナーレを迎えます
会場いっぱいのブラボーと拍手がステージに押し寄せ、カーテンコールが繰り返されます
日本を代表するベテランの演奏家の中にあって、現在ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミー在籍中の小川響子さんは大健闘でした
この日はブラームスの中でも好きな曲ばかりで、演奏も素晴らしかったので、最高の気分で会場をあとにすることが出来ました つくづくブラームスはいいなあ、と思います