25日(木)その2.よい子は「その1」も見てね。モコタロはそちらに出演しています
昨日の朝、娘が「スーパーSIで午前10時から限定販売する『いちごバター』を買っておいてください」というので、コンサートのついでに池袋地下のSIに行ってみたら「売れ切れました」と冷たく通告されました しかたないので、ダメ元で地元の巣鴨に戻りアトレ内のSIに行ってみたら十数個も残っていました 「お一人様1個限り」とあったので、1個買って、ぐるりと店内を一周してもう一度並んで1個買いました 出資者の特権で娘が食す前にパンに塗って食べてみましたが、結構美味しいです
昨夕、東京オペラシティコンサートホールで「ウィーン・プレミアム・コンサート」を聴きました プログラムは①シューベルト「交響曲第5番変ロ長調D485」、②ブルッフ「クラリネットとヴィオラのための協奏曲ホ短調作品88」、③ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇「ヴェネツィアの一夜」序曲、④J.ランナー:ワルツ「ロマンティックな人々」、⑤ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ「遠方から」、⑥ヨハン・シュトラウス2世「宝石のワルツ」、⑦同:ポルカ・シュネル「急行列車」、⑧同「入江のワルツ」です
演奏する「トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン」は、ウィーン・フィルのコンマス、フォルクハルト・シュトイデが芸術監督・コンサートマスターを務め、ウィーン・フィルやウィーン交響楽団などの精鋭30名から成る特別編成室内オーケストラです 私は毎年このコンサートを聴くのを楽しみにしています
自席は1階20列9番、左ブロック右から2つ目です。会場は9割くらい埋っているでしょうか
シュトイデをはじめ、オケのメンバーが入場し配置に着きます。弦は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです とは言え、管楽器を含めて30人なので各セクションの人数は極めて少数です 指揮者を置かないため、コンマスのシュトイデが指揮者の代わりに合図を送ります
1曲目はシューベルト「交響曲第5番変ロ長調D485」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が19歳の時、1816年秋に作曲しました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト~トリオ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
シュトイデの合図で第1楽章に入ります。溌剌として推進力に満ちた曲想は、確かにシューベルトのDNAが認められます 少数精鋭メンバーによるオケはシューベルトのアイデンティティーを掬い上げます 第3楽章「メヌエット」もシューベルト特有の曲想です 第4楽章を聴きながら思ったのは、これがたった30人のオケの音だろうか、ということです まるでフル・オーケストラが演奏しているように感じました ウィーン響のソロ・フルート奏者、エルヴィン・クランバウアーの演奏が溌剌として素晴らしかった
2曲目はブルッフ「クラリネットとヴィオラのための協奏曲ホ短調作品88」です この曲はマックス・ブルッフ(1838-1920)が1911年にクラリネット奏者だった息子のために作曲した作品です 第1楽章「アンダンテ・コン・モート」、第2楽章「アレグロ・モデラート」、第3楽章「アレグロ・モルト」の3楽章から成ります
オケのメンバーの二人、クラリネットのゲラルド・パッヒンガ―(ウィーン響首席)とヴィオラのエルマー・ランダラー(ウィーン・フィル)がソリストとして登場します
シュトイデの合図で第1楽章に入ります 全体を聴いた印象は、思いついたメロディーをつなぎ合わせたような曲想で、美しいとは思うものの起伏が少なく、曲としての魅力に乏しい感じがします やはり、同じ時期に活躍したブラームスにはとうてい及ばないと思います
プログラム後半はウィーンのオケが得意とする「ワルツ・ポルカ集」です 1曲目はヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇「ヴェネツィアの一夜」序曲です この曲はワルツ王、ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)がベルリンのフリードリヒ・ヴィルヘルム劇場の開場を記念して作曲、1883年秋に初演された喜歌劇の序曲です ワルツあり、ポルカあり、ギャロップあり、とテンポが目まぐるしく変化しながら展開します 30人のオケの演奏はまるでウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの縮図のようです 第1ヴァイオリンのメイン・メロディーに対して、第2ヴァイオリンとヴィオラが微妙にテンポをずらして演奏するのが何とも言えない魅力です 彼らは嬉々として演奏します これぞウィンナワルツと言いたくなるような演奏です
次はヨーゼフ・ランナー(1801-1843)のワルツ「ロマンティックな人々」です この曲はワルツ王の父ヨハン・シュトラウス1世のライバル、ヨーゼフ・ランナーが1840年の舞踏会で発表したワルツです 優美なメロディーは豊潤なワインのようです
次いで、シュトラウス2世の弟ヨーゼフ・シュトラウス(1827-1870)のポルカ・マズルカ「遠方から」です ヨーゼフは兄のヨハンとともに1869年夏にサンクト・ペテルブルク近郊のハヴロフスクで開かれる舞踏会に出席するため現地に赴きましたが、ウィーンに残してきた家族に想いを寄せて「遠方から」を作りました 郷愁をさそう優美な音楽です
次いで、ヨハン・シュトラウス2世「宝石のワルツ」が演奏されます この曲はオペレッタ「ジプシー男爵」の中に出てくるワルツです この曲でも、第2ヴァイオリンとヴィオラが微妙にずれて演奏するスタイルが堪りません
次は同じくヨハン・シュトラウス2世のポルカ・シュネル「急行列車」です この曲は1866年秋に初演されました。軽快なテンポによるポルカが心地よく響きます
プログラムの最後は同じくヨハン・シュトラウス2世の「入江のワルツ」です この曲は1曲目に演奏された「ヴェネツィアの一夜」から編まれたワルツです 様々なワルツが出てくるので楽しく聴けました
30人のメンバーは満場の拍手とブラボーに応え、アンコールにエドゥアルト・シュトラウスのポルカ・シュネル「テープは切られた 作品45」を、それでも鳴りやまない拍手にヨーゼフ・シュトラウスのポルカ・シュネル「短いことづて 作品240」を圧倒的な速さで演奏し 会場の温度を2度上昇させました
聴き終わって感じたのは「こういうのを超一流の演奏と言うんだろう」ということでした