人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

久石譲 ✕ 新日本フィルによるマーラー「交響曲第1番」の公開リハーサルを聴く ~ すみだトリフォニーホール / 井上道義 ✕ 新日本フィルのマーラー「交響曲第1番」の思い出

2021年09月10日 07時17分16秒 | 日記

10日(金)。わが家に来てから今日で2435日目を迎え、北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、同日午前0時から平壌の金日成広場で軍事パレードが開かれ、金正恩総書記が閲兵し、朝鮮労働党の李書記が「国家防衛の柱である人民軍隊を強化し、国の防衛力を絶えず向上させていく」と演説した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     経済が苦しいんだから 軍事パレードよりも 国民生活の安定を優先すべきじゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「ひき肉と野菜のドライカレー」を作りました 今や私の定番料理ですが、材料はナス、ピーマン、トマト、玉ねぎ、挽き肉で、味付けは塩コショウ、トマトケチャップ、ウスターソース、顆粒洋風だし、カレー粉で、ニンニクとショウガで材料を炒めています やっぱりワインが良く合います

     

     

 

         

 

昨日午後2時から、すみだトリフォニーホールで公開リハーサルがあったので聴きに出かけました    新日本フィル「2021-2022シーズン」第1回公演(第637回定期演奏会)のリハーサルです 本番の9月11日と12日には①久石譲「Metaphysica(交響曲第3番)」(新日本フィル創立50周年委嘱作品・世界初演)、②マーラー「交響曲第1番ニ長調」が演奏されますが、この日はマーラーのみリハーサルが公開されました

会場入口で検温してもらいましたが、「低いですね」とパトロネージュ部の登原さん 34度6分でした。おれは冷血動物か

弦楽器は16型!で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置。舞台上手にはハープ2台がスタンバイします コンマスは崔文洙です 弦楽奏者は新型コロナ感染予防のためマスクを着用しています

最初に事務局から、「この日のリハーサルはマーラーの交響曲第1番、久石譲氏の新作の順に演奏しますが、マーラーのみ公開します」とのアナウンスが入りました

上下黒の衣装とスニーカーというラフな格好で現れた久石氏が指揮台に上ります 彼はマイクを持って会場に向き直り、「スポンサーの皆さん、いつもお金をありがとうございます」とあいさつしました 随分ストレートな物言いだな、さすがはトトロの作曲家だと思いました 寄付をして賛助会員等になると年数回リハーサルが見学できるので、そういう言葉になったのです

マーラーの「交響曲第1番 ニ長調」は、グスタフ・マーラー(1860‐1911)が1883年から88年にかけて作曲(93年〜96年に改訂)した作品です 第1楽章「穏やかに、引きずるように」、第2楽章「力強く動いて」、第3楽章「あまり緩やかにすることなく、荘厳かつ荘重に」、第4楽章「嵐のように激動して」の4楽章から成ります

久石氏は「せっかくなので、第3楽章から演奏することにします この楽章はティンパニのキザミに乗ってコントラバスがソロで暗いメロディーを演奏します この主題は童謡「フレール・ジャック」として知られるフランスの民謡ですが、それを短調にしたものです いろいろな場面をイメージしながら聴くと良いと思います 例えば、『かつてオケのコンマスをしていた男が、今は落ちぶれて錦糸町の裏通りをとぼとぼと歩いている』といったような情景を思い浮かべながら聴くこともできますね』と説明しました これが”作曲者目線”というものか マスクで表情が良く見えませんが、崔コンマスが微妙な顔をしていたような気がします。きっと、気のせいです 久石氏の指揮により、ティンパニのキザミに乗せて竹田勉のコントラバスが「フレール・ジャック」を演奏します その後は、途中で演奏を止めては指示を出し、再び演奏をするということを繰り返しました かなり細かい指示を出していたのが意外でした 続けて第4楽章の演奏に移りましたが、この楽章も同様のやり方でリハーサルを進めました。ちょうど1時間経ったところで休憩に入りました

18分ほど経ったところでリハーサルが再開されました 第4楽章のフィナーレを中心に、演奏しては止め再び演奏し、ということを繰り返しましが、フィナーレではホルン8本に立奏を求め、クラリネットにはベルアップ奏法を求めていました 次いで第2楽章、第1楽章の順に演奏し4時10分に公開リハーサルを終了しました

新日本フィルによると、11日の公演はソルドアウトですが、12日はまだ間に合うようです

 

     

 

さて、新日本フィルによるマーラー「交響曲第1番」ということでは 忘れられないコンサートがあります 以前、当ブログに書きましたが、1999年9月30日にすみだトリフォニーホールで開かれた公演です 井上道義 ✕ 新日本フィルはマーラー生誕140年を目前にして「マーラー・交響曲連続演奏会」を挙行、全曲をライブ録音しCD化することになりました マーラーの交響曲を第1番から順番に演奏するコンサートで、この日が初日公演でした ライブ録音ということで、楽団員側も客席側も緊張感に満ちていました 演奏前に「本日の公演はライブ録音します。ケータイ電話、アラーム付き時計をお持ちのお客様は電源をお切りください」というアナウンスが入ります 井上が指揮台に上り、第1楽章冒頭の緊張感に満ちたヴァイオリンの弱音が流れ、やがてクラリネットによるカッコウの鳴き声が聴こえます 順調な滑り出しだと思っていると、5分も経たないうちに1階席中央右のやや後方から”トルルルルー”というかすかなケータイ着信音が聞こえてきたのです 管楽器の何人かも音に気付いたようで客席の方を見ています すると、指揮台上の井上が突然「ア~ッ」と大きな声を出して、指揮台から転げ落ちてしまったのです 演奏は中断され、井上はおもむろに立ち上がり舞台袖に引き揚げてしまいました 場内は騒然となりましたが、しばらくして井上が再登場し第1楽章冒頭から演奏をやり直しました その時、井上は「ライブ録音のCD化」が頭に浮かび上がり、前代未聞の”大芝居”に打って出たわけです 井上は当日のやり直し演奏に満足できなかったようで、翌2000年7月29日に定期会員を招待して、トリフォニーホールでもう一度演奏をやり直しました ライブ録音されたCDは、両公演の演奏の”良いとこ取り”をして発売されました 長い人生をやってますが、指揮者が指揮台から転げ落ちたのを見たのはあの時が最初で最後です

 

     

     

 

公開リハーサル終了後、登原さんと立ち話をしましたが、彼女は「今、2回目を読んでいます。とても面白いです」と語りかけてきました 彼女が読んでいるのはフランスの音楽ジャーナリスト、クリスチャン・メルラン著「オーケストラ 〜 知りたかったことのすべて」(みすず書房)です 600ページの大作ですが、1年程前に読んでとても面白く参考になったので、登原さんに「読んでみたら」とお薦めしておいたのです オーケストラの奏者たち、組織、各楽器、指揮者との関係など、幅広いテーマを扱いウィットに富んだ筆致で解説しています 私はこれまで数多くの音楽関係書籍を読んできましたが、これほど面白い本はありません 登原さんが2回目を読もうとする気持ちがよく解ります

 

     

 

またしても新型コロナ禍に係る東京都の緊急事態宣言が今月末まで延長されます 新日本フィルをはじめ各オーケストラはコンサート会場の50%までという入場制限があるので、これが自動的に延長されることになります 一日も早く正常な形でコンサートが開けるようにならないとオーケストラにとって存亡の危機となります 新型コロナの一日でも早い収束を祈るばかりです

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