12日(日)。わが家に来てから今日で2437日目を迎え、出席を欠かさなかった児童・生徒に贈られ、終業式や卒業式で表彰される皆勤賞が、「休むことは悪」という日本の風潮を助長しているとの批判や、長引く新型コロナウイルス禍で「体調が悪いのに無理をして登校する必要はない」と取りやめる動きが加速していることを受け、消えつつある というニュースを見て感想を述べるモコタロです
皆勤しか自慢できない生徒には辛い 給食を一番速く食べた賞の創設を解禁したら?
昨日、東京芸術劇場コンサートホールでNHK交響楽団2021-2022シーズン「池袋Cプログラム」第1回目の演奏会(第1936回定期公演)を聴きました このシリーズは休憩なし約1時間のコンサートです プログラムはバルトーク①組曲「中国の不思議な役人」、②管弦楽のための協奏曲です 指揮はN響首席指揮者 パーヴォ・ヤルヴィです
N響定期演奏会は昨年2月が最後で、それ以降はその都度チケットを発売して公演を開催してきました 久しぶりの定期演奏会復活です 今期は2階左側のバルコニー席が私の定期会員席です この席のメリットは①演奏者に一番近い、②指揮者の表情が良く見えるし、会場の全体を見渡すことが出来る、③迫力のある音で楽しめるーといったところですが、デメリットは①第1ヴァイオリンは背中しか見えないのをはじめ、ステージ下手側の演奏者がまったく見えない、②音のバランスが悪いーといったところです 取りあえず1年間この席で聴いてみることにします
この池袋Cプログラムだけの特典として、開演前の約15分間、室内楽の演奏があります この日はクラリネット=山根孝司、ヴァイオリン=松田拓之以下弦楽奏者4人により、ブラームスの「クラリネット五重奏曲」の第2楽章が演奏されました ブラームスの室内楽は秋の季節にとてもマッチします 穏やかで温かい演奏でした
会場は7~8割の客入りでしょうか。よく入った方だと思います
最初に管・打楽器が入場するところは従来と同じですが、次に、何と指揮者のパーヴォ・ヤルヴィとコンマスのマロさんが入場してきたのにはビックリしました 指揮者とコンマスが弦楽奏者を迎え入れる形をとりました 新型コロナ感染防止上の措置ですが、その徹底ぶりに驚きました その代わりと言っては何ですが、楽員はマスクを着用していません
オケは14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという、左から右へ高い音から低い音へと並ぶ配置です これはアメリカの指揮者レオポルド・ストコフスキーがステレオ録音のために考え出したと言われる配置です つまり、高音楽器を左サイドに、低音楽器を右サイドに集め、ステレオの左のスピーカ―からは高音部が、右のスピーカーからは低音部が聴こえるように「ステレオ効果」を狙ったものです もっとも、残念ながら自席のような会場の右や左のバルコニー席では「ステレオ効果」は望めません
1曲目はバルトークの組曲「中国の不思議な役人」です この曲はベラ・バルトーク(1881‐1945)が1918年から翌19年にかけて作曲(1924年に管弦楽化、1927年に組曲版完成)した作品です 太田峰夫氏のプログラムノートによると、「作家メニヘールト・レンジェルによるパントマイム劇の筋書きの舞台は大都会。ならず者たちは自分たちの巣窟の窓際に少女ミミを立たせ、誘惑にのってやって来る客たちに略奪行為を働いていた 老紳士と学生が犠牲になった後、豪奢な衣装を身にまとった中国の役人がやってくる。ミミが踊り、しなだれかかると、静かだった役人が震えだし、猛烈な勢いで少女を追い回し始める 押さえつけられても、はては首を吊られても、役人はミミを求め続ける しかしミミに抱きしめられると、彼女の腕の中で静かに息を引き取る」という内容です 曲は「導入」「第1の誘惑と老紳士」「第2の誘惑と学生」「第3の誘惑と役人」「少女の踊り」「追跡」の6つの部分からなります
全曲を聴いた印象は、時にバーバリズムを感じさせる激しい音楽が聴かれ、ストーリーからもストラヴィンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」を思い浮かべました とくに最後の「追跡」におけるアラブ民俗風の速くて激しい音楽の演奏を聴いて、N響のオーケストラとしての総合力の高さを感じました
休憩はありませんが、ここで一旦全員が退場します 最初に楽員が退場し、最後にヤルヴィとマロさんが退場しました
プログラム後半はバルトーク「管弦楽のための協奏曲」です この曲は1943年にクーセヴィツキー夫人の追悼とクーセビツキー生誕70周年とボストン交響楽団指揮者就任20周年を記念して作曲され、1944年12月1日にクーセヴィツキ-指揮ボストン交響楽団により初演されました 第1楽章「序奏」、第2楽章「対の遊び」、第3楽章「エレジー」、第4楽章「中断された間奏曲」、第5楽章「終曲」の5楽章から成ります
再びヤルヴィとマロさんが先に登場し、後から入場してくる楽団員を迎え入れました
ヤルヴィの指揮で第1楽章「序奏」に入ります トランペットの演奏が素晴らしい また、フルートの神田寛明の演奏が冴えています 面白かったのは第2楽章「対の遊び」です 管楽器が2本ずつペア、つまり”対”になって音楽の遊びを繰り広げるものです ファゴット、オーボエ、クラリネット、フルート、トランペットの順番に二重奏を展開しますが、N響の木管を中心とする楽員の名人芸を聴くことが出来ました 第3楽章「エレジー(悲歌)」では、ヴィオラを中心とする弦楽器の渾身のアンサンブルが素晴らしい 第4楽章「中断された間奏曲」の「中断」というのは、曲の中盤で乱入してくるショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」の第1楽章の主題(ナチスによるレニングラード侵攻を描いたもの)が引用されている部分のことです トロンボーンのグリッサンドによる「ブーイング」と、それに続く木管楽器による馬のいななきのような「嘲笑」を聴くと、いつも笑ってしまいます ヤルヴィはここで思い入れたっぷりに指揮をしていました 第5楽章「終曲」ではトランペット、トロンボーン、チューバ、ホルンの金管楽器群の、天を突くような迫力が印象的でした
全般を通して、ヤルヴィは切れ味鋭い日本刀のような鮮やかな指揮ぶりを見せ、N響の楽員は見事にヤルヴィの高いレヴェルの要求に応えていました
大きな拍手の中、楽員が引き揚げ、最後にヤルヴィとマロさんが引き揚げますが、カーテンコールがあり、ヤルヴィとマロさんが再登場し満場の拍手に応えました
今回の入退場方法を見て考えたこと・・・こちらの方がスマートではないか コロナ禍の時代における入退場のニューノーマルとなるか
ということで、急な話ですが 今日はこれを聴きに行きます まだ当日券あります。早い者勝ちです