人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ケネス・プラナー監督「ベルファスト」を観る ~ 監督の故郷ベルファストへのノスタルジーと愛が詰まった作品:平和な日常生活は一瞬にして戦場と化すことを教えてくれる

2022年09月29日 07時03分37秒 | 日記

29日(木)。わが家に来てから今日で2818日目を迎え、ウクライナ東部、南部の計4地域の親ロシア派勢力は27日、「ロシアへの編入」を問う「住民投票」の開票を終え、9割超の圧倒的多数がロシア編入に同意したと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     投票率が明らかでないので信用できない  明らかにしてもそれ自体が信用できない

 

         

 

昨日、夕食に「五目炊き込みご飯」「ちぎり厚揚げと豚バラの和風炒め」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「ジャガイモの味噌汁」を作りました 「炊き込みご飯」には「ちぎり~」が良く合います

 

     

 

         

 

早稲田松竹でケネス・プラナー監督による2021年製作イギリス映画「ベルファスト」(モノクロ&カラー、98分)を観ました

北アイルランド・ベルファストで生まれ育ったバディ(ジュード・ヒル)は家族と友だちに囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごしていた しかし、1969年8月15日、プロテスタントの武装集団がカトリック住民への攻撃を始め、バディの穏やかな世界は突如として悪夢へと変わってしまう 住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく 暴力と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断を迫られる

 

     

 

この映画は、北アイルランドのベルファスト出身のケネス・プラナーが自身の幼少期を投影した自伝的作品です

冒頭の1969年8月15日のベルファストの町のシーンが強烈です 戦争ごっこをしていたバディの目の前でプロテスタントの武装集団が投げつけた火炎瓶が炎上し、暴徒たちが襲い掛かってきます 何が起きたのか理解できないバディは唖然としてボーッと突っ立っているしかありません 母親に引っ張られてかろうじて家に逃げ込んで難を逃れます 戦争ごっこでは誰も傷つきませんが、本当の戦争は人が死にます。バディはいきなりそういう世界に放り込まれることになります

このシーンを見てすぐに思い浮かべたのは今年2月24日のロシアによるウクライナ攻撃です 「プーチンは武力攻撃してこないだろう」と高を括っていたウクライナ国民にとっては「まさか」のミサイル攻撃だったと思います しかも、当初は東部地域だけ攻撃すると思われていたのに、首都キーウにも同時に攻撃を仕掛けてきたのは想定外だったと思われます こうして平和な日常生活は一瞬にして戦場と化すことを「ウクライナ戦争」が、そして「ベルファスト」が教えてくれます

本作はパーシャル・カラーを使用しています 全体の基調はモノクロ映像ですが、バディたちが映画館で観る「チキチキバンバン」などはカラー映像になっていて、後で強く印象に残ります

映画のラストでは、バディは両親・兄とともにベルファストを離れることになりますが、祖母は一人残ることになります ベルファストで生まれ育った祖母にとっては、この地を離れることは死ぬのと同じことなのでしょう 一方、両親も本当は馴染みのあるベルファストに留まりたいが、子供たちの命と将来を考えると、この地を離れるのがベストの選択だと判断したのでしょう 残された時間がどれだけあるか、また、守らなければならない人がいるかどうかによって、今後の人生の選択肢が変わってくることを暗示しているように思います

この映画は第94回アカデミー賞で作品賞、監督賞等7部門にノミネートされ、脚本賞を受賞しました ケネス・プラナー監督の故郷ベルファストへのノスタルジーと愛が詰まった作品です

 

     

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