19日(月・祝)。わが家に来てから今日で2808日目を迎え、アメリカ連邦捜査局(FBI)によるトランプ前大統領への捜査を巡り、司法省は、押収した機密資料の使用停止を決めたフロリダ州連邦地裁の判決を不服として控訴した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
そもそも 裁判所の許可を得て押収した機密資料なのだから 使用停止命令はおかしい
フジコ・ヘミング著「『幸福』と『不幸』は半分ずつ。」(PHP文庫)を読み終わりました イングリット・フジコ・ゲオルギー・ヘミングはスウェーデン人の父と日本人の母のもと、ベルリンに生まれる 5歳でピアノを始め、10歳でレオニード・クロイツァーに師事。東京藝大卒業後、29歳でベルリン音楽学校に留学。ウィーンではパウル・パドゥーラ=スコダに師事。レナード・バーンスタインやブルーノ・マデルナに才能を認められるが、聴力を失うアクシデントに遭遇する 日本に帰国後の1999年、NHK「フジコ ~ あるピアニストの奇跡 ~」が大反響を呼び、デビューCD「奇跡のカンパネラ」は200万枚を超える大ヒットとなる 2001年にはカーネギーホールでコンサートを開き、以来 国内外で演奏活動を続けている
本書は2018年8月に秀和システムから刊行された「くよくよしない力」を改題し、加筆・修正したものです
巻頭言でフジコさんは大筋次のように書いています
「ピアニストの夢を追いかけ、ピアニストとして歩んできた人生の中で、私は多くの苦難に直面しました 学生時代に受けたいじめ、コンサートの直前に聴力を失い、どん底まで突き落とされたこと、それから長い間、ピアニストへの道が開けなかったこと うまくいかない恋もたくさんしました けれども、苦難を乗り越えてこられたのは、大切な人たちに出会い、動物たちに出会って、勇気をもらったおかげ そして、その勇気を力に変えて這い上がってきたから、今の私があると思っています 自分の不幸ばかり考えていたら、ますます不幸になってしまいます。自分のまわりにある幸せとは何か、考えてみてください。どんなにささやかなことでも、人は幸せになれるのです。落ち込んでいても仕方がない。くよくよしていても何もいいことはありません。まわりと比べるのではなく、あなたはあなた、人は皆、いいところがあるのだから、自身と勇気をもって生きていきましょう」
このように自信を持って書けるのは、様々な苦難に直面しながらも、持ち前の才能を信じて、いつかは世間に認められると、地道な努力を続けてきたフジコさんだからこそだと思います 1999年にNHKで放映されたドキュメンタリー「フジコ ~ あるピアニストの奇跡 ~」は私も観ましたが、あの番組がなかったら今のフジコさんはいませんでした まさにオセロの石が黒から白に反転し、人生の明るい未来が開けた瞬間でした
本書は便宜的に次の3つの章に分けられています
1.愛しなさい! 幸せが待っている
2.大切な出会い、感謝する心
3.夢と自分らしさを捨てないで
この3つのタイトルだけでも「愛する」「感謝」「夢」「自分らしさ」といった重要なキーワードが現れています フジコさんが普段から大切にしている心構えと言っても良いでしょう それぞれの章の中で、フジコさんは自身の経験に基づいた多くの教訓を教えてくれます
そのうちのいくつかをご紹介します
「相手に何かをしてもらうのではなく、愛情を注ぐ存在がいれば、自分の不幸なんてたいしたことないと思えてくる」
「へんなプライドは捨てなさい。多くの人に愛される条件は人柄、経験、そして人生そのもの」
「幸せは自分で作らなければいけない。自分なりの幸せを見つけて それに満足することが大事」
「幸福と不幸は半分ずつ。一生幸福な人もいないし、一生不幸な人もいない」
「自分の夢のために努力して、きちんと準備をしていれば、チャンスは必ず訪れる」
「何か一つ趣味を持ちなさい。辛いことや悲しいことを一時忘れることができて心をリセットできる」
以上のほか、個人的に一番共感できたのは「他者への思いやり」を説いた教訓です フジコさんは次の2つのエッセイで取り上げています
「悲劇が起こっている現実を見ると、一人で幸せに酔うことはできない。人の幸せについても考えていかなければいけない」
「自分より貧しい人を見たら、少しでもお金をあげるべき。弱い者のために尽くしたいという気持ちを持つ」
フジコさんは演奏活動のほか、動物や被災者のための寄付、チャリティーコンサートなど、数々の支援活動も続けています。そんな彼女だからこそ言葉が説得力を持ちます
以上の通り、本書は 生きていく上で役に立つ多くの教訓を与えてくれる本です 自信をもってお薦めします