人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新日本フィル9月度定期 公開リハーサルを聴く ~ ラヴェル「マ・メール・ロワ」他 / 同「室内楽シリーズ ~ 桑田歩プロデュース編」を聴く ~ チャイコフスキー & ブラームス「弦楽六重奏曲」

2022年09月09日 07時02分02秒 | 日記

9日(金)。わが家に来てから今日で2798日目を迎え、東京五輪・パラリンピック組織委員会などの会長を務めた森喜朗元首相の功績をたたえるため、政財界人の15人が発起人になり、胸像制作の募金活動をしている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     森氏は東京五輪がらみで裏金を受け取っている疑いのある人物だよ 何かの冗談だろ

 

         

 

昨日、夕食に「肉じゃが」「生野菜とツナとタコのサラダ」「冷奴」「キャベツの味噌汁」を作りました 肉じゃがは牛肉がアメリカ産だったので若干固かったのが残念でしたが、味は美味しくできました

 

     

 

         

 

昨日午前10時30分から、すみだトリフォニーホールで新日本フィル9月度定期演奏会の公開リハーサルを聴きました 本公演は9月10日(土)14時からトリフォニーホールで、同12日(月)19時からサントリーホールで開かれます プログラムは①ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」、②ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」、③ベートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」です このプログラムは50年前の1972年9月15日に東京文化会館大ホールで開かれた「新日本フィル結成特別演奏会」(指揮=小澤征爾)を再現したものです 指揮はマルクス・シュテンツです

この日公開されたのはベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」とラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」の2曲です

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び コンマスは西江王子、その隣はアシスタント・コンマスの立上舞です。彼女から時計回りにビルマン聡平、佐々木絵理子、川上徹、長谷川彰子、瀧本麻衣子、中恵菜と盤石の態勢を整えています

最初にベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」が演奏されました この曲はエクトール・ベルリオーズ(1803ー1869)が1843年に作曲、翌1844年にパリで初演されました 本来は歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」の第2幕の前奏曲として計画されましたが、後に独立曲として出版されました

指揮をとるマルクス・シュテンツはケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の音楽監督、ボルティモア交響楽団の首席客演指揮者、メルボルン交響楽団の芸術監督・首席指揮者などを歴任しました

シュテンツが登場し、さっそくリハーサルに入りますが、彼は最初に、途中で止めることなく全曲を通して演奏しました 聴く側にとって、こういうのはありがたいです。最初から小間切れに演奏されると鑑賞どころではなくなってしまいますから その後、演奏しては止めて指示を出し、ということを繰り返し1時間ジャストでこの曲のリハーサルを終えました

15分の休憩の後、ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」のリハーサルに入りました この曲はモーリス・ラヴェル(1875ー1937)が1911年に作曲、翌1912年にパリで初演されました「マ・メール・ロワ」とは「マザー・グース」のことで、もともとピアノ連弾曲として作曲したものを後に管弦楽曲化した作品です 第1曲「眠りの森の美女のパヴァーヌ」、第2曲「おやゆび小僧(一寸法師)」、第3曲「パゴタの女王レドロネット」、第4曲「美女と野獣の対話」、第5曲「妖精の国」の5曲から成ります

シュテンツはこの曲でも、最初に中断することなく全曲を通して演奏しました 次いで、第3曲 ⇒ 第4曲 ⇒ 第5曲 ⇒ 第1曲 ⇒ 第2曲の順に、途中で止めては指示を出し、ということを繰り返し、ちょうど1時間で終了しました

第5曲「妖精の国」を聴いていて、エルガー「エグニマ変奏曲」の第9曲「ニムロッド」に曲想が似ているな、と思いました どちらもすごく良い曲です

2曲のリハーサルを通じて、シュテンツ氏はエネルギッシュで、その一方、かなり細かい人だな、という印象を持ちました

ところで、7日付のブログに10月13日開催予定の公開リハーサルについて、「上岡氏の指揮で決行するのか、あるいは中止にするのか、新日本フィルからの連絡を待ちたい」旨 書きましたが、下の掲示のとおり 実施するとのことです パトロネージュ部の登原さんの指摘により10月度の「公開リハーサルのご案内」の【注意事項】をよく見たら、「状況により、出演者・曲目等変更になる場合がございます。変更の際のご連絡はいたしませんのでご了承ください」と書かれていました。私の早とちりでした 新日本フィルからの連絡はありませんのでご承知おきください なお、「お知らせ」の通り 公開リハーサルは休憩なしの90分です

 

     

     

 

         

 

一旦家に帰って、夕食を作って食べてから、再びすみだトリフォニーホール(小)に出向き、新日本フィル「第151回  室内楽シリーズ ~ 桑田歩プロデュース編」を聴きました プログラムは①チャイコフスキー「弦楽六重奏曲 ニ短調 作品70 ”フィレンツェの思い出” 」、②ブラームス「弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調 作品18」です 演奏はヴァイオリン=ビルマン聡平(首席)、今高友香、ヴィオラ=瀧本麻衣子(首席)、脇屋冴子(フォアシュピーラー)、チェロ=桑田歩(首席)、飯島哲三です

 

     

 

チケットは販売開始早々に販売予定枚数終了とのことで、プレトークで「せっかく刷ったチラシが大量に余って困っている」と、この日の仕掛け人・桑田氏が嘆いて?いました

プレトークでは、チャイコフスキーとブラームスは誕生日が同じ(5月7日)であることが紹介されました(ブラームスが7つ年上)

1曲目はチャイコフスキー「弦楽六重奏曲 ニ短調 作品70 ”フィレンツェの思い出” 」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840ー1893)が1887年から1890年にかけて作曲(91~92年に改訂)、1892年にペテルブルクで初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・スピリト」、第2楽章「アダージョ・カンタービレ・エ・コン・モト」、第3楽章「アレグレット・モデラート」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

メンバーは下手からビルマン聡平、今高友香、飯島哲蔵、桑田歩、脇屋冴子、瀧本麻衣子という並びです

全体を通して聴いた印象は、第1ヴァイオリンのビルマン聡平が終始美しい音色で素晴らしい演奏を展開していました アンサンブルとしては後ろの楽章にいくにしたがって調子を上げていった印象があります 特に良かったのは第2楽章で、ピッツィカートに乗せてヴァイオリンのソロが、そしてチェロのソロが美しいメロディーを弾くところです また、第4楽章は爽快な演奏でした

休憩に入る前に出演者から一言ずつ挨拶がありましたが、面白かったのはヴィオラの脇屋冴子さんです 「やりたくないこともやらなきゃならないし・・・。でも、このコンサートはやりたいことがやれるので嬉しいです」と語っていました。正直で良いと思いますが、「やりたくないこと」って何でしょう?  演奏したくない曲を演奏すること?  本来業務以外の雑用?  それとも朝と晩のお祈り?  みんなで考えてみましょう また、桑田氏はウィーン市立音楽院でロシアの先生にチェロを師事したそうですが、先生や先輩方からは「チャイコフスキーは三大バレエ曲を演奏して初めて交響曲に新しい景色が見えてくる モーツアルトはオペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』を演奏して初めて、『ジュピター交響曲』に新しい景色が見えてくる」と教わったそうです これは真理を突いていると思います

 

     

 

プログラム後半はブラームス「弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調 作品18」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1858年から1860年にかけて作曲(25歳の時)、1861年にハノーファーで初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・マ・モデラート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」、第4楽章「ロンド:ポコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ」の4楽章から成ります

第1楽章が桑田のチェロにより悠然とした旋律で開始されますが、このチェロが素晴らしい そしてヴィオラとチェロの中低音にヴァイオリンの高音が絡み、見事なアンサンブルを奏でます これこそブラームスの魅力です 第2楽章は冒頭、ヴィオラからヴァイオリンにメランコリックなメロディーが受け継がれますが、この演奏が素晴らしい この楽章では瀧本麻衣子のヴィオラが良く歌っていました 第3楽章は一転、アクセントのあるスケルツォです。そして第4楽章では第1楽章のメロディーを回想しながら、悠然と音楽が進みます 6つの楽器のアンサンブルが見事です

「良い演奏」というのは聴き終わったあとで、作曲者や作品をあらためて見直すようなところがありますが、その意味では、ブラームスの魅力をあらためて見直した名演でした

満場の拍手に仕掛け人・桑田氏は、「アンコールにドヴォルザークの『弦楽六重奏曲イ長調』から第3楽章を演奏します 実は今日はドヴォルザークの誕生日(1841年9月8日)なのです ドヴォルザークの181回目の誕生祝いを兼ねて演奏します」と語り、6人により民俗色豊かなメロディーをノリノリで演奏、再び大きな拍手を浴びました

満席のコンサートを聴いて思ったのは、プログラミングを良く練り、出演者の半数位は首席クラスを揃えないとトリフォニー(小)ホールを満席にするのは難しいのではないか、ということです この室内楽シリーズは「楽団員プロデューサー編」と銘打っているので、特定の楽団員の独断でプログラムが組まれることになりますが、あまりにも玄人好みの作品に特化し、誰も聴いたことのない作品ばかり並べると、観客離れを起こす懸念があります 2曲演奏するのであれば1曲は比較的ポピュラーな名曲を取り上げるなどの配慮が必要だと思います オペラ界では時に「演出家のための演出」が批判されますが、「演奏する側のための公演」でなく、あくまでも「聴く側の立場に立った公演」を意識してプログラミングしてほしいと思います

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