21日(木).昨日,喫茶店で新聞を読んでいる時,ちょっと離れた席の2人の男性うちの一人の声が極端に大きく聞こえて,すごく気に障りました たわいのないサラリーマンの会話でしたが,普通に話しているようなのに凄く大きな声で聞こえてくるのです 「よくいるよな,周囲の迷惑を考えない声の大きいヤツが」と思いました.30分くらいして二人は席を立ったので一安心していたら,今度は女性の二人組がそこに座りました.そのうちの一人の声がやはり必要以上に大きく聞こえるのです まさに先ほどのデカ声の男性の座っていた座席です
彼らの座っていた場所は比較的お店の中央に近い席,一方,私が座っていたのはお店の奧の突き当りの席でした ここで,ハタと考えました ひょっとして,音響力学上の関係で,部屋の中央で出た音が天井に最良の角度で反射して部屋の隅の自席に届いたのではないか,と 優れたコンサートホールは舞台上で落とした針の音が会場の隅まで聞こえるという話を聞いたことがありますが,それと似たような現象だったのではないか,と つまり,誰がその席に座って話しても私には大きな声で話しているように聞こえるのではないか,ということです
ということで,わが家に来てから662日目を迎え,おやつを食べるか ボディローションを塗るか 迷っているモコタロです
なんで ぼくがボディローションを塗らなきゃならないんだよ!
閑話休題
昨日,内幸町の飯野ビル1階エントランスロビーで「第52回ランチタイムコンサート」を聴きました 今回の出演はピアノの近藤愛花さんです 2005年第52回スタインウェイ国際ピアノコンクール(ドイツ)のカテゴリーAで第1位を獲得したのをはじめ,これまで多くのコンクールで入賞を果たしています 現在は特別特待生として東京音楽大学1年に在学中です
プログラムは①ショパン「華麗なる変奏曲 作品12」,②同「4つのマズルカ 作品24」から第2番,③同「同・第4番」,④J.S.バッハ「フランス風序曲BWV831」より6曲,⑤ショパン「3つのワルツ作品34」から第3番ヘ長調”子猫のワルツ”,⑥「バラード第2番ヘ長調 作品38」,⑦同「エチュード 作品25」から第11番イ短調”木枯らし”」です
開演20分前の11時45分にロビーに着いて,一番前の席を確保しました 小柄な近藤愛花さんが淡いピンクの衣装で登場し,1曲目のショパン「華麗なる変奏曲」の演奏に入ります 一番前の席なのでベーゼンドルファーの迫力ある音が身近に迫ってきます
演奏後,マイクを持って次の2つのマズルカについて「第2番は農民の踊り,第4番は男女が踊ったり離れたりする様子が想像できます」と解説し,演奏に入りました
次のバッハ「フランス風序曲BWV.831」は8曲から成りますが,このうち6曲を演奏しました 序曲と銘打っていますが舞曲です この一連の演奏は聴きごたえがありました
最後にショパンの「3つのワルツ作品34」から第3番,「バラード2番」,「エチュード作品25」より第11番イ短調”木枯らし”を演奏しましたが,最後の練習曲第11番”木枯らし”は冒頭から迫力に満ちた演奏で,ロビーを行きかう人々の足を止めていました
演奏前に近藤さんが「このエチュードは”木枯らし”という激しい曲想を表すと同時に,私には祖国ポーランドへの想いやショパンのプライドが現れているように思います」と語っていましたが,その言葉を体現するかのような誇り高き演奏でした
も一度,閑話休題
神楽坂のギンレイホールで沖田修一監督「モヒカン故郷に帰る」(2016年,125分)を観ました
モヒカン頭がトレードマークの売れないバンドのボーカル永吉(松田龍平)は,妊娠した恋人(前田敦子)を連れて7年ぶりに瀬戸内海に浮かぶ故郷の戸鼻島(とびじま)に里帰りする 昔気質の頑固な父親・田村治(柄本明)は,定職についていない息子に怒りながらも二人のために大宴会を開く そうした中,父親はガンのため余命わずかという事実が発覚する そんな父親のために息子の永吉は病院で結婚式を挙げることを決心する
自分の息子に永吉と名付けるほどの矢沢永吉ファンの田村治を,大ベテランの柄本明が喜々として演じています.その妻・春を演じた もたいまさこ の演技は何気ないのに素晴らしいですね
舞台が瀬戸内海の小島であることから,テレビで野球中継を見るシーンは広島カープの試合です 今年は(セリーグでは現在のところ)カープが首位を走っているので,結果的にはグッド・タイミングです
ここで映画のタイトルをもう一度確認しておきます 「ポケモンGO」ではなく,「モヒカン故郷に帰る」です.そこんとこ よろしく
最後の,閑話休題
ジェフリー・アーチャー著「剣より強し(上・下巻)」(新潮文庫)を読み終りました これは,第1部「時のみぞ知る」,第2部「死もまた我等なり」,第3部「裁きの鐘は」,第4部「追風に帆を上げよ」に次ぐクリフトン年代記の第5部作です
物語は,第4部「追風に帆を上げよ」のラストシーンと直結して,バリントン海運が竣工した豪華客船「バッキンガム」に,敵対者たちと手を結ぶIRAテロリストが爆発物を仕掛けて一発触発の事態に・・・・という場面から始まる 結果的には,爆発物は直前に発見され海に投げ込まれるが,バリントン家は経営的な見地から事実の隠蔽に苦労することになる
その後,ハリーはシベリア強制収容所に霊閉されている一人のロシア人作家・ババコフを救出する決意を固める 彼はかつてスターリンの専属通訳を務め,内幕を暴露した本を著して逮捕されていたのだった ババコフが書いた「アンクル・ジョー」の在りかを知ったハリーは単身モスクワに赴く.しかし,そこに待ち受けていたのは国家の罠だった.ハリーは逮捕され裁判にかけられる
一方,ハリーの妻エマはバリントン海運社内の人事を巡る危機を抱えながら,宿敵ヴァージニア(ジャイルズの元妻)から起こされた名誉棄損訴訟の法廷に立つことになる そうした中で,息子のセバスチャンは恋人サマンサの愛を失い,彼女を追ってアメリカに渡る
さて,この物語に出てくるロシアのババコフは架空の作家ですが,モデルはノーベル賞作家のアレクサンドル・ソルジェニーツィンと思われます ソルジェニーツィンは1945年にスターリンを批判した罪で逮捕され,長らく流刑にされ,出獄後 東西陣営の”雪解け”の恩恵で代表作「イワン・デニーソヴィチの一日」を出版し,国際的な話題を巻き起こしました しかし,ブレジネフ時代に入ると迫害に合い,ついには国外追放されました
いったいどこまでこの物語は続くのか と思うほど代わる代わる難事件が起こり,ハリー,エマ,セバスチャン,ジャイルズたちはそれを乗り越えていきます 面白くてページをめくる手が止みません.お薦めします
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