人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ウェールズ弦楽四重奏団 ~ アカデミー生とともに」公演でモーツアルト「弦楽五重奏曲第4番」、ブラームス「弦楽六重奏曲第2番 ト長調 作品36」他を聴く ~ 第一生命ホール

2022年11月20日 07時00分15秒 | 日記

20日(日)。わが家に来てから今日で2869日目を迎え、北朝鮮の朝鮮中央通信は19日、金正恩総書記がミサイル発射の現地指導に自らの娘を同行させたと伝えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     北朝鮮は今後も世襲制度を維持して金王朝を存続させるという意思表示に過ぎない

 

         

 

昨日、晴海の第一生命ホールで「ウェールズ弦楽四重奏団 ~ アカデミー生とともに」公演を聴きました プログラムは①モーツアルト「弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516」、②ウェーベルン「弦楽四重奏のための緩徐楽章」、③シューマン「弦楽四重奏曲第2番 ヘ長調 作品41-2」、④R.シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」作品85より序曲(弦楽六重奏)、⑤ブラームス「弦楽六重奏曲第2番 ト長調 作品36」です 演奏はウェールズ弦楽四重奏団(﨑谷直人、三原久遠、横溝耕一、富岡廉太郎)、ウェールズ・アカデミー生、クァルテット・アベリア、レグルス・クァルテットです

ウェールズ弦楽四重奏団は昨年結成15周年を迎えましたが、「後進の指導にも取り組みたい」として「ウェールズ・アカデミー」を創設しました これは「オーディションで選ばれたアカデミー生とのリハーサルの場を通して、アンサンブル能力を一緒に高め、第一生命ホールで共演する」というものです 今回はその第1回目の公演になります

 

     

 

1曲目はモーツアルト「弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516」です ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)は6つの弦楽五重奏曲を作曲しましたが、いずれも弦楽四重奏に第2ヴィオラが加わる編成となっています 「第4番 ト短調」は1787年、作曲者31歳の時に作曲されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「メヌエット」、第3楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、第4楽章「アダージョ ~ アレグロ」の4楽章から成ります

この曲が日本で人口に膾炙したのは小林秀雄「モオツァルト」がきっかけでした それはこんな風に書かれています

「スタンダアルは、モオツァルトの音楽の根柢は tristesse(かなしさ)というものだ、といった。(中略) tristesse を味わうために涙を流す必要がある人々には、モオツァルトの tristesse は縁がないようである。それは、凡そ次のような音を立てる、アレグロで(ト短調クインテット、K.516)

 (ここにK.516の第1楽章冒頭の楽譜が表示される)

ゲオンがこれを tristesse  allante と呼んでいるのを、読んだ時、僕は自分の感じを一言で言われた様に思い驚いた。確かに、モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。涙の裡に玩弄するには美しすぎる。空の青さや海の匂いの様に、『万葉』の歌人が、その使用法をよく知っていた『かなし』という言葉の様にかなしい。こんなアレグロを書いた音楽家は、モオツァルトの後にも先にもない」

モーツアルトの「弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516」を聴くとき、私はどうしても小林秀雄のこの言葉を思い浮かべてしまいます

演奏はヴァイオリン=﨑谷直人、東亮汰、ヴィオラ=谷村香衣、木田美帆、チェロ=山梨浩子です

﨑谷のリードで演奏に入ります 第1楽章冒頭はデモーニッシュな演奏を期待しましたが、その域までは達しませんでした しかし、全体的にソフトで丁寧な演奏でした

2曲目はウェーベルン「弦楽四重奏のための緩徐楽章」です この曲はアントン・ウェーベルン(1883ー1945)が若き日の1905年に作曲しました

ウェールズ弦楽四重奏団の4人が登場し、演奏に入ります チェロの富岡廉太郎は読響の首席ですが、エンドピンが極端に長いのにビックリします チェロ本体の位置が高いので、富岡はチェロを抱くようにして弾くことになります

この曲は後期ロマン派の流れを汲むロマンティックで聴きやすい曲です ウェーベルンもやるじゃん と思いますが、この路線のまま突き進んだら彼の名は音楽史に残らなかったでしょうね 聴きごたえのある素晴らしい演奏でした

3曲目はシューマン「弦楽四重奏曲第2番 ヘ長調 作品41-2」です この曲はロベルト・シューマン(1810ー1856)が32歳の時、1842年に作曲しました 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ・クワジ・ヴァリアツィオー二」、第3楽章「スケルツォ:プレスト」、第4楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

演奏はクァルテット・アベリア(ヴァイオリン=菊川穂乃佳、清水里彩子、ヴィオラ=田口夕莉、チェロ=田上史奈)です

4人の演奏は明るく溌溂として、シューマンらしい旋律美に溢れていました

 

     

 

プログラム後半の1曲目はR.シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」作品85より序曲(弦楽六重奏)です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864ー1949)が1941年に作曲、翌42年に初演されました

演奏はヴァイオリン=菊川穂乃佳、清水里彩子、ヴィオラ=田口夕莉、横溝耕一、チェロ=田上史奈、富岡廉太郎です

息の長い美しく甘美な旋律が続き、儚いロマンの香りが感じられますが、熟した果物のように、今にも枝から落ちそうな感覚があります 4人の演奏はそのようなリヒャルト・シュトラウス特有の濃厚なロマンを見事に表現していました

最後の曲はブラームス「弦楽六重奏曲第2番 ト長調 作品36」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1865年に作曲しました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ・ノン・トロッポ」、第3楽章「ポコ・アダージョ」、第4楽章「ポコ・アレグロ」の4楽章から成ります

演奏はヴァイオリン=吉江美桜、東條太河、ヴィオラ=山本周、横溝耕一、チェロ=矢部優典、富岡廉太郎です

この曲の演奏で際立っていたのは第1ヴァイオリンを担った吉江美桜です 第12回東京音楽コンクール第3位、桐朋学園大学を首席で卒業という経歴の持ち主です とにかく演奏スタイルが表情豊かで、ヴァイオリンが良く歌います また、中低音部にウェールズの2人が加わったことにより、重心の低い安定感のある演奏が展開しました 6人のアンサンブルが素晴らしかった

室内楽のコンサートは大ホールでの大曲の演奏と違い、親密な空間で演奏されるので演奏者に親しみを感じます 第一生命ホールには今後ともこの企画を続けてほしいと思います

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沖澤のどか ✕ 大西宇宙 ✕ 新日本フィルで マーラー「亡き子をしのぶ歌」、ブラームス「交響曲第4番」、モーツアルト「フリーメイソンのための葬送音楽」を聴く

2022年11月19日 07時02分27秒 | 日記

19日(土)。わが家に来てから今日で2868日目を迎え、米ツイッターを買収した米起業家のイーロン・マスク氏が同社の従業員らに長時間の猛烈な労働を受け入れるか、退職するかの「踏み絵」を迫っていることが明らかになった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     残った社員には 1人で3人分以上の仕事を課す という意図が見える 過労死が心配

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」と「白舞茸の味噌汁」を作りました 野菜の付け合わせはブロッコリ、アボカド、レタス、ミニトマト、パプリカです。ヘルシーで美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「クラシックへの扉 第11回定期演奏会」を聴きました プログラムは①モーツアルト「フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477」、② マーラー「亡き子をしのぶ歌」、③ブラームス「交響曲第4番 ホ短調 作品98」です 演奏は②のバリトン独唱=大西宇宙、指揮=沖澤のどかです

沖澤のどかは東京藝大指揮科首席卒業、同大学院修士課程修了。ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程オーケストラ指揮専攻修了。第56回ブザンソン国際指揮者コンクール優勝、同時に聴衆賞とオーケストラ賞を受賞 2020年8月から2年間、ベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーの奨学金を受け、キリル・ペトレンコのアシスタントを務める 22年9月、ミュンヘン響のアーティスト・イン・レジデンスに就任。23年4月から京都市交響楽団の第14代常任指揮者に就任予定   若手で最も今後の活躍が期待される指揮者の一人です 公演前に開かれた「60分ワンコイン講座」の講師・小室敬幸氏によると、沖澤さんは最近結婚され、お子さんが生まれたとのことです

 

     

 

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び コンマスは西江王子です

1曲目はモーツアルト「フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が、所属メンバーだったフリーメイソン(自由な石職人)の重要人物だった2人の貴族の死に際して、支部で行われた追悼式のために1785年に作曲した作品です

満場の拍手の中、思ったより小柄な沖澤のどかが指揮台に上ります 2曲目のマーラー「亡き子をしのぶ歌」の前座的な位置づけで選曲したのか、5分ほどの短い曲で、悲しみを湛えた作品でした

 2曲目はマーラー「亡き子をしのぶ歌」です この曲はグスタフ・マーラー(1860ー1911)がフリードリヒ・リュッケルトの詩に基づき1901年(第1、3,4曲)と1904年(第2,5曲)に作曲、1905年にウィーンで初演されました 小室敬幸氏はプログラム・ノートに、「1833の冬、リュッケルトの6人の子どもたちが猩紅熱にかかり、わずか17日の間に3歳の娘ルイーゼと5歳の息子エルンストが亡くなってしまう リュッケルトは『亡き子をしのぶ歌』と呼ばれることになる400以上もの詩を生み出した 一方 マーラーは、1902年3月、19歳年下のアルマと結婚、同年11月には長女が、1904年6月には次女が誕生している 『亡き子をしのぶ歌』完成から3年後の1907年7月、長女が4歳で猩紅熱とジフテリアの合併症により急逝してしまう 妻アルマは後年、夫の理解に苦しむ行動が不幸を呼び込んだのだと振り返っている」と書いています

第1曲「いま、太陽は明るく昇らんとする」、第2曲「いまならわかる、なぜあれほど暗い炎を」、第3曲「おまえのお母さんが」、第4曲「よく思う、あの子たちは出かけているだけ」、第5曲「こんな天気、こんな嵐のなか」の5曲から成ります

バリトン独唱の大西宇宙(おおにし たかおき)は武蔵野音楽大学及び大学院修了、ジュリアード音楽院卒業。シカゴ・リリック歌劇場で研鑽を積む 2019年、セイジ・オザワ松本フェスティバルでファビオ・ルイージ指揮による「エフゲニー・オネーギン」のタイトルロールで日本オペラ・デビューを飾る 以後、国内外でオペラ公演に出演し絶賛されています

大きな拍手の中、大西と沖澤が登場し さっそく演奏に入ります 大西は背丈があるのでほとんど大人と子どもくらいの差があります 大西は魅力のあるバリトンで、高音から低音まで無理のない歌唱によりマーラーの悲しみを表現しました 第1曲では神農広樹のオーボエが、第2曲では冒頭のチェロのアンサンブルが、第3曲では森明子のイングリッシュホルンが、大西のバリトン独唱に華を添えました 第5曲のラストは、ホルンと弦楽のアンサンブルが美しく響き、静かに曲を閉じました

マーラーの交響曲は比較的多く聴く機会がありますが、歌曲集は滅多に聴くチャンスがありません その意味では、今回のプログラムは指揮者・ソリスト共に魅力あるアーティストだったので貴重な体験になりました

休憩時間にパトロネージュ部の登原さんとお話ししました 彼女は、10月23日(日)にサントリーホールで開かれた東京交響楽団の定期公演を聴きにいったとのことで、その時の話をしてくれました 東響のアシスタント・コンマスと楽団長を兼務している廣岡克隆氏が11月から楽団長専任になることから、この日の公演が現役最後の公演という位置づけにありました 登原さんは国立音大卒(フルート専攻)ですが、当時アマオケでも吹いていて、その時にオケの指導(弦楽)に来てくれていたのが廣岡氏だったそうです コンサート当日はカーテンコール時の写真撮影が解禁になっていたので、その様子を見ることも兼ねて聴きに行ったようです オケの事務局員としては自分の所属する楽団の演奏を聴くことは大事ですが、たまには他の楽団の公演を聴いたり事務局のオペレーションを見たりすることも大切なことだと思います 当日撮影した写真を見せてくれましたが、東響にも何人かアマオケ時代の仲間が在籍しているようです その日はたまたま私が風邪を引いて聴きに行けなかったので、現地でお会いできなかったのが残念でした

カーテンコール時の写真撮影については、新日本フィルでも近々解禁になるとのことですが、公演ごとに出演者の了解を取らなければならないようなので、事はそう簡単ではないみたいです アーティストによっては写真撮影に対して「いつでもOKです」という人もあれば、肖像権にうるさい人もいるので、調整が難しいのでしょう いずれにしても、N響、東響、日本フィルはすでに解禁しているので、他のオケも徐々に解禁に向けて動いていくと思われます

 

     

 

プログラム後半はブラームス「交響曲第4番 ホ短調 作品98」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1884年から翌85年にかけて作曲、1885年にマイニンゲンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ」、第4楽章「アレグロ・エネルジーコ・エ・パッショナート」の4楽章から成ります

オケは14型に拡大します 管楽セクションを見渡して、「おやっ?」と思いました 前日の公開リハーサルで沖澤から「ブラボー」と称賛されていたクラリネットのマルコス・ペレス・ミランダの姿が見えません 代わりに首席の位置にスタンバイしているのは、元首席の重松希巳江さん(現・東京音大非常勤講師)でした 急病か何かのアクシデントがあったのでしょう。ひょっとして、重松さんは「今朝、電話で代役の依頼があって、午前中のゲネプロだけ参加して、ほとんどぶっつけ本番で演奏しました」みたいな裏事情があった可能性があります それにしても、すぐに対応できるというのは現役を退いたとはいえ、さすがはプロだと思います

沖澤の指揮で第1楽章に入ります 冒頭の下降・上行音型は肩に力を入れることなくごく自然に流れ、後半に向かって徐々にテンポアップしてエネルギッシュに演奏が展開します 沖澤の指揮姿は背中に1本筋が真っすぐ通っているような感じで、中心がブレません 第2楽章では日高剛のホルンが素晴らしく、弦楽アンサンブルが美しく響きました 第3楽章が聴きものでした。猛烈に速いテンポで推進力に満ちたアグレッシブな演奏が展開しますが、まったくブレません 第4楽章は弦楽セクションのうねりが凄い エネルギーに満ちた最後の追い込みが素晴らしかった

満場の拍手の中、カーテンコールが繰り返されますが、沖澤は真っ先に急な代役を引き受けて立派に責任を果たした重松さんを立たせました 全体を通して、沖澤はオケを存分に鳴らして爽快な演奏を展開していました また、是非聴きたい指揮者です。今後の活躍が楽しみです

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沖澤のどか ✕ 新日本フィルによるブラームス「交響曲第4番 ホ短調 作品98」の公開リハーサルを見学する / 所得税延滞金請求詐欺に注意!

2022年11月18日 07時01分30秒 | 日記

18日(金)。一昨日の午後、ショートメールに「国税庁」から次のようなメールが入りました

【国税庁】重要なお知らせ、必ずお読みください。

http://gxoftiichk.duckdns.org

上のアドレスを開くと次のような「通知」が出てきます

差押最終通知 納税確認番号※※※3697

あなたの所得税(または延滞金(法律により計算した客いんについて、これまで自主的に納付されるよう督促してきましたが、まだ納付されておりません。もし最終期限までに納付がないときは、税法のきめるところにより、不動産、自動車などの登記登録財産や給料、売掛金などの債権などの差押処分に着手致します。

滞納金額合計:40000円

納付期限:2022/11/17

最終期限:2022/11/17(支払期日の延長不可)

その下に

「お支払いへ」とあり、クリックするよう求めています

これを開くと

メールアドレス、電話番号、名前の入力を求めてきます

この時点で、スマホに組み込んだトレンドマイクロの賢い「ウイルスバスター」が働いて警告を発します

実に分かりやすいフィッシング詐欺メールです

①そもそも国税庁から延滞金請求の通知を直接メールを送ってくることはあり得ない。必ず文書で送付される

②「これまで自主的に納付されるよう督促してきましたが」とあるが、そんな事実はないし、督促される覚えもない

③「所得税(または延滞金(法律により~」と書かれているが、「(  」を受ける 「  )」がどこにもない。さらに、「きめるところ」は「決めるところ」と漢字で書くべきところ。よほど文章力のない低能による幼稚な文章である

④滞納金4万円の根拠がどこにも書かれていない

⑤督促するからには相手の住所・氏名・電話番号が判っているはずなのに、メルアドや電話番号に限らず名前まで聞いてくるのは明らかにおかしい   詐欺を自己紹介しているようなもの

私には、これほどミエミエの詐欺に付き合っている暇もお金もないので、無視してメールを削除しました こういう詐欺メールを送ってくる奴は人間のクズだ 人間やめたようがいい

しかし、よくよく考えてみると、ショートメールで送ってきたということは、敵はこちらのケータイ番号を知っているということだ。それ自体がおかしい どこから詐欺師に個人情報が渡ったのか?  調べようがない    皆さんも、この手のミエミエの詐欺に引っかからないように気を付けてください  注意 一秒  怪我 一生  メール 一瞬  家 破産

ということで、わが家に来てから今日で2867日目を迎え、米国家安全保障会議のワトソン報道官は16日、ポーランド国内にミサイルが着弾し2人が死亡した事件について声明を発表し、ウクライナの迎撃ミサイルが着弾した可能性が高いとするポーランドの分析を追認する姿勢を表明したが、ウクライナのゼレンスキー大統領は、「われわれのロケットではなかったことを疑っていない」と主張し、現段階では自国軍からの報告を尊重する立場を示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ここで判断を誤ると 第三次世界大戦に繋がる恐れが強くなる 冷静な対応を求めたい

 

         

 

昨日、夕食に「ポークカレー」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました カレーは時々食べたくなりますね

 

     

 

         

 

昨日、午前10時半からすみだトリフォニーホールで「すみだクラシックへの扉  第11回定期演奏会」の公開リハーサルを見学しました 18日(金)と19日(土)に開催される本番のプログラムは①モーツアルト「フリーメイソンのための葬送音楽 K.477」、②マーラー「亡き子をしのぶ歌」、③ブラームス「交響曲第4番 ホ短調 作品98」ですが、この日はブラームスのみ公開されました

指揮の沖澤のどかは、東京藝大指揮科首席で卒業、同大学院修士課程修了。ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程オーケストラ指揮専攻修了。第56回ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。同時に聴衆賞とオーケストラ賞を受賞 2020年からベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーの奨学金を受け、キリル・ペトレンコのアシスタントとして活躍。令和5年4月から京都市交響楽団第14代常任指揮者に就任予定

ブラームス「交響曲第4番 ホ短調 作品98」は、ヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1884年から翌85年にかけて作曲、1885年にマイニンゲンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ」、第4楽章「アレグロ・エネルジーコ・エ・パッショナート」の4楽章から成ります

 

     

 

会場はいつもの公開リハーサルより相当多い聴衆が詰めかけています 賛助会員・維持会員のほか、一般の定期会員にも案内を出したのではないかと思われます 賛助会員・維持会員になって一定の寄付をすれば年間6~8回の公開リハーサルを見学できるので、そのPRの一環として案内したのでしょう 東京都内だけでも名の知れたプロのオーケストラが9つもある中で、生き残っていくには相当な経営努力が求められます クラシックの灯火を消さないためにも頑張ってほしいと思います

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び。コンマスは西江王子です

沖澤のどかが上が黒、下が白のカジュアルなスタイルで登場し、指揮台に上ります 思ったよりずっと小柄でビックリしました

リハーサルは第3楽章 ⇒ 第4楽章 ⇒ 第1楽章 ⇒ 第2楽章 の順に進められました

今まで見学した指揮者は、最初は途中で止めることなく、その楽章の最後まで演奏させて、最初に戻って修正すべきところを指摘するというスタイルが多かったのですが、沖澤は最初の何小節かで演奏を止め、修正点を指摘し、演奏させ、また止めて修正点を指摘し~ということを繰り返しました 時に言葉で指示を出し、時に「こういう風に」というようにメロディーを口ずさんで修正を図っていました

とくに一番最初にリハーサルした第3楽章で、躍動感溢れるエネルギーを感じました 全楽章を通して、オーケストラが良く鳴っていました

私は本日(18日)に本番を聴きますが、モーツアルト、マーラーともども楽しみです

公開リハーサル終了後、パトロネージュ部の西さんから、すみだトリフォニーホールも参加する「スミファ」の案内がありました 18日(金)と19日(土)の各17時からホール内で「弦楽四重奏」の演奏などがあるそうです お時間のある方は参加してみてはいかがでしょうか

 

     

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シャイー、「ボリス・ゴドゥノフ」上演中止要請に反論 / 「METライブ2022ー2023」ムビチケ3枚セットを買う / パウル・ベッカー「西洋音楽史」、中山七里「毒島刑事最後の事件」他を買う

2022年11月17日 07時01分29秒 | 日記

17日(木)。昨日、JR新宿駅の埼京線ホームから線路を見下ろしたら、コーヒーやジュースの空き缶があちこちに棄てられていて、非常に危険を感じました こういう不法投棄を平然とする奴は人間のクズです 人間やめた方がいい

話は変わりますが、16日付の「月刊音楽祭」によると、ミラノ・スカラ座の音楽監督リッカルド・シャイーはウクライナの在ミラノ領事からの『ボリス・ゴドゥノフ』上演取り止め要請に対し拒否する姿勢を鮮明にした、とのことです 記事を超略すると次の通りです

「シャイーは有力紙『コリエーレ・デラ・セラ』の取材に対し、『私たちはウクライナと共に紛争の終結を待っていますが、政治とその結果が文化に強制力を与えることはできません』と述べている。要請は先週、スカラ座のドミニク・マイヤー総裁やミラノのジュゼッペ・サラ市長などに送られたもの 上演がイタリアのウクライナ社会に大きな失望と後悔をもたらしたとした上で、要請理由をロシアによるいかなるプロパガンダの要素も許さないとしている シャイーは、上演する『ボリス・ゴドゥノフ』について、『権力に到達するために犯した殺人の代償を、まず狂気で、そして死で支払うことになる人物を描いた作品。スカパー・ホルテンの興味深い演出によるこのオペラを観れば、プーチンのプロパガンダでないことに気づくだろう』『狂気と皇帝の死で終わる名作を取り下げることは、文化にペナルティを課すことになる 2月24日以来起きている大混乱の代償を、芸術が払ってはならない』と語っている

昨日のブログで、「現在 新国立劇場で上演中のポーランド国立歌劇場との共同制作による『ボリス・ゴドゥノフ』が、ロシアのウクライナ侵略を受け、ロシアのオペラという理由で、ポーランドでは上演されなかった これは果たして正しい選択なのか 芸術には何の罪もない」と書きました 今回のイタリアのニュースを見ると、世界中の音楽界で同じような問題が起きているのではないかと思います 主権国家が武力による侵略を受け、インフラや建物が破壊し尽くされ、死ななくてもよい人々が殺されていく理不尽な状況に置かれたウクライナの立場に立ってみれば、在ミラノ領事の気持ちは良く分かります しかし、『ボリス・ゴドゥノフ』は決してプーチン政権のプロパガンダではありません それを認めれば、チャイコフスキーのオペラだって、ラフマニノフのピアノ協奏曲だって、プロコフィエフのバレエ音楽だって、ショスタコーヴィチの交響曲だって、ロシアの作曲家の作品であるという理由だけで上演・演奏できなくなります それはあり得ない話です。芸術は政治から自由でなければなりません

ということで、わが家に来てから今日で2866日目を迎え、米共和党のトランプ前大統領は15日、南部フロリダ州の邸宅マール・ア・ラーゴで演説し、「米国を再び偉大で輝かしい国にするために 2024年の次期大統領選に出馬する」と表明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これがトランプ党の 終わりの始まりになるとは 本人だけが気づかない 憐れ 共和党

 

         

 

昨日、夕食に「ナスと鶏肉の炒めもの」「生野菜とヒジキのサラダ」「もやしの味噌汁」を作りました 「ナスと~」は一旦油で揚げてから炒めたので色鮮やかです

 

     

 

         

 

いよいよ今年も「METライブビューイング」が始まります 今月25日から都内では新宿ピカデリー、東劇ほかで上映されます ムビチケカード3枚セット(9,600円)が発売されているので1セット入手しました チケット代は1作品一般@3,700円ですが、ムビチケカードは1枚当たり3,200円と格安になっています 1シーズンで全10作品が上映されるので、3回以上観る人はムビチケ3枚セットが断然お得です

 

     

 

上映プログラム・日程・映画館は下のチラシの通りです 新シーズンはMETらしく かなり”攻めた”プログラミングになっています

 

     

 

         

 

いつものようにジュンク堂書店池袋本店で本を7冊買いました この書店が好きなのは、ビル全体が書店であらゆる種類の本が多数揃っていることと、いつもBGMにクラシック音楽が流れているところです

1冊目はパウル・ベッカー著「西洋音楽史」(河出文庫)です クラシック音楽の古典的名著と言われている本です

 

     

 

2冊目は中山七里著「毒島刑事最後の事件」(幻冬舎文庫)です 当ブログの読者にはお馴染みの「中山七里は七人いる」と言われている超多忙多作家の文庫本最新作です

 

     

 

3冊目は伊坂幸太郎著「シーソーモンスター」(中公文庫)です 伊坂幸太郎もお馴染みですね。本の帯に「数千年の時を超える対立をテーマにした一大プロジェクト『螺旋』」とあり、8人の人気作家が手分けしてシリーズで書いているうちの1冊らしいです

 

     

 

4冊目は佐藤正午著「書くインタビュー5」(小学館文庫)です 小説のプロと編集者との間でやり取りされたメールを収録したもので、「小説の書き方」にも触れているようです

 

     

 

5冊目は小野寺史宣著「まち」(祥伝社文庫)です 以前読んだ「ひと」の読後感が良かったので買い求めました

 

     

 

6冊目は伊藤比呂美著「道行きや」(新潮文庫)です 波乱万丈の人生を送っている著者のエッセイ集です

 

     

 

最後の7冊目は湊かなえ・星野博美ほか著「おいしい文藝 こぽこぽ、珈琲」(河出文庫)です これはコーヒーにまつわるエッセイを集めた本です コーヒーを片手に読みたいと思います

 

     

 

いずれも読み終わり次第、当ブログでご紹介していきます

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新国立オペラでムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」初日公演を観る ~ 今だからこそ観るべきオペラ / 井上道義 自身の人生を語る ~ 朝日「人生の贈りもの」連載始まる

2022年11月16日 07時00分06秒 | 日記

16日(水)。朝日朝刊 文化欄の「語る ~ 人生の贈りもの」で指揮者・井上道義氏(1946年生まれ)の連載が始まりました 同社編集委員・吉田純子さんのインタビューによる連載記事で全14回シリーズとのこと 昨日の第1回目は「引退前 両親と僕のことオペラに」というタイトルで井上氏が語っています 超略すると次の通りです

「2024年末に引退する。撤回はしない それまでにやりたいことは、スケジュールに全部詰め込んだ やりたい曲をやりたいオーケストラとやる エッセー本も出す 指揮者には定年がない。あまり動けないけどスバラシイなんて褒められ方はされたくない 来年1月に自ら創作したオペラ『降福からの道』を上演する。『降福』は『降伏』と『幸福』を合わせた自分の造語。ショスタコービチもスターリン政権下で、二枚舌の作品をたくさん書いてきた そういうことができるのが音楽だ フィクションだけど事実上の自伝だ。自分が父親だと思っていた人は本当の父親じゃなかった 本当の父親は、日本の基地に駐留していた米兵だった。そのことを40歳になるまで知らなかった 母親から聞いた時、足元がぐらりと揺らいだ。2人に裏切られたような気がして、それからずっと苦しみ続けてきた しかし、今思うと彼らだってとても可哀想だった 引退の前に、音楽の力を借りて、もうこの世にいない彼らと本当の『和解』を果たしたい。両親と自分のことをオペラにしようと覚悟を決めた

2回目以降が楽しみです

ということで、わが家に来てから今日で2865日目を迎え、193か国で構成する国連総会は14日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに損害賠償を要求する決議を、日米など94か国が賛成し採択した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     主権国家を侵略して 破壊と殺人の限りを尽くした ロシアが賠償するのは当然,だろ

 

         

 

昨日の夕食は、私がオペラを観て18時過ぎに帰ったので、仕事休みの娘がステーキを焼いてオニオン・スープを作ってくれました 肉はレアでスープはマイルドでとても美味しかったです

 

     

 

デザートに「フルーツタルト」を食べました カロリーオーバーですね

 

     

 

         

 

昨日、新国立劇場(オペラパレス)で新国立オペラ、ムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」の初日公演を観ました 本公演は新国立劇場開場25周年記念公演という位置づけにあり、新国立オペラでの初上演演目です

キャストは、ボリス・ゴドゥノフ=ギド・イェンティンス、フョードル=小泉詠子(歌のみ)、クセニア=九嶋香奈枝、乳母=金子美香、ヴァシリー・シュイスキー公=アーノルド・べズイエン、アンドレイ・シチェルカーロフ=秋谷直之,ピーメン=ゴデルジ・ジャネリーゼ、グリゴリー・オトレピエフ(偽ドミトリー)=工藤和真、ヴァルラーム=河野鉄平、ミサイール=青地英幸、女主人=清水華澄、聖愚者の声=清水徹太郎、ニキーティチ/役人=駒田敏章、ミチューハ=大塚博章、侍従=濱松孝行、ヒョードル(黙役)=ユスティナ・ヴァシレフスカ。管弦楽=東京都交響楽団、合唱=新国立劇場合唱団、児童合唱=TOKYO  FM少年合唱団、指揮=大野和士、演出=マリウシュ・トレリンスキです

このオペラはCDも何も持っていないため予習が全く出来なかったので、不安を抱えながら本番を聴くことになりました 一応、新国立劇場のホームページでオペラを聴く上で参考になる資料を見たり、ユーチューブで大野氏の解説を見たりして最低限の知識を得てから臨みましたが、正直言って手ごわいオペラでした

 

     

 

「ボリス・ゴドゥノフ」はモデスト・ムソルグスキー(1839ー1881)が1868年から翌69年にかけて作曲(その後1871年から翌72年にかけて改訂)、1873年に第1稿の3場のみ初演、74年に改訂版がペテルブルクで初演されたオペラです ボリス・ゴドゥノフとは、ロシアでは動乱の時代と呼ばれた頃に実在したロシア皇帝(在位1598~1605年)で、それを19世紀初めにプーシキンが戯曲化したものがオペラの原作になっています

ボリス・ゴドゥノフの戴冠から6年が経った 最高位の僧ピーメンはゴドゥノフの敵であり、僧グリゴリーに、グリゴリーこそが現皇帝ゴドゥノフに殺害された前皇帝の正当な皇位継承者である皇子ドミトリーの生まれ変わりだと信じ込ませていた ゴドゥノフは疲れ切っていたが、息子ヒョードル(この演出では障がい者)だけが希望である 臣下シェイスキーは皇子ドミトリーを暗殺したゴドゥノフの弱みに付け込むことを思い立つ シェイスキーが皇子の死の情報を克明に語ると、ゴドゥノフは自らの罪を思い起こし、追い詰められていく 宮殿にはドミトリーの名を詐称する”僣称者”グリゴリーの軍が攻めてきた ゴドゥノフは息子ヒョードルがグリゴリーの餌食になる前に自らの手で殺す 僣称者グリゴリーによって集団処刑が続き、ゴドゥノフも殺される ついに偽ドミトリーであるグリゴリーが帝位に就く

 

     

 

今回の新国立劇場における公演は次のような構成により上演されます

プロローグ 1場(ノヴォデヴィチ修道院)

プロローグ 2場(戴冠式)

1幕1場(僧坊の場)

1幕2場(酒場の場)

2幕(クレムリン)

4部(ワシリー大聖堂)=本公演では第3幕として上演

4幕1場(ボリスの死)

4幕2場(革命の場)

ステージ上には、正方形のキューブ(上のチラシの写真参照)がいくつか置かれ、基本的にはその中で歌手陣が歌い演技する形をとり、キューブ自体が動きます そして、歌われる音楽に応じて、登場人物の心象風景を表すかのように、荒れ狂う海の様子が、テレビのノイズ画面が、サイケデリックな模様が背景に映し出されていきます カラフルな光と映像による演出は強烈な印象を残します

このオペラには一応ストーリーらしきものはありますが、どうやらトレリンスキという演出家は原作通りに物語をなぞる方法を嫌い、登場人物の心の動きを中心に捉えることに重点を置いているようで、観ていて若干分かりにくい場面が少なくありませんでした しかも登場人物が多いので、いったい誰がどういう役割なのかを把握するのが容易ではありませんでした

全体的な印象は、とにかく暗いということです 主人公のボリス・ゴドゥノフがバスによって歌われることから、派手さがないということもありますが、ストーリー自体が陰謀と殺人という内容なので仕方ない面があります 同じ悲劇的なオペラでもイタリア・オペラとは全く印象が違います ロシアの広大な大地に根を下ろした土臭いオペラと言ったらよいでしょうか

 

     

 

歌手陣では、主人公のボリス・ゴドゥノフを歌ったギド・イェンティンスが同じバスでも重くない声質で、無理のない歌唱で最後まで歌い切りました

ヴァシリー・シュイスキー公を歌ったアーノルド・べズイエンは良く通るテノールで存在感がありました

また、このオペラでは合唱が重要な役割を果たしますが、新国立劇場合唱団の力強い合唱は特筆に値します

ヒョードルは小泉詠子が歌い、障がい者の黙役をポーランドのユスティナ・ヴァシレフスカが演じましたが、この黙役が素晴らしかった

本公演のドラマトゥルクを担当したワルシャワ生まれのマルチン・チェコが「プログラムノート」を書いていますが、最後に次のように締めくくっています

「ピーメンのプロパガンダの元で育ち洗脳されたグリゴリーは自らがドミトリー皇子の生まれ変わりであると信じています 我々にとってこの僣称者を残酷極まりない人物に描くことが大切でした 敵対する2人、ピーメンとゴドゥノフのそれぞれの振る舞いがより大きな悪をもたらします。ゴドゥノフには自責の念がありますが、僣称者にはありません 僣称者は人を殺めることで満足感を得、人を殺めるのに抵抗を感じません ナルシストで、フィナーレでは獣としての正体を現します。世界が大混乱に陥るのを見て楽しんでいるのです。今日私たちが目にしている動乱(スムータ)は、不適切な人物が権力を手にしたがために起こっており、僣称者はそのシンボルなのです

本公演はポーランド国立歌劇場との共同制作によるものですが、ロシアによるウクライナ侵略を受け、ロシアのオペラという理由で、ポーランドでは上演されませんでした これは果たして正しい選択なのか 芸術には何の罪もありません マルチン・チェコが上の「プログラムノート」で指摘している「フィナーレでは獣としての正体を現わす。世界が大混乱に陥るのを見て楽しんでいる。今日私たちが目にしている動乱は、不適切な人物が権力を手にしたがために起こっており、僣称者はそのシンボルなのだ」という言葉は何を表しているのか(誰のことを言っているのか)を考える時、むしろ今だからこそ本プロダクションで観るべきオペラではないかと思います

 

     

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「円の急落 来日公演に痛手 ~ 円安前の報酬契約負担に:航空運賃 倍を超えた」 ~ 朝日の記事より / 村上春樹著「猫を捨てる 父親について語るとき」を読む

2022年11月15日 07時03分45秒 | 日記

15日(火)。13日付の朝日朝刊に「円の急落 来日公演に痛手 ~ 円安前の報酬契約負担に」という見出しの記事が載っていました 超略すると次の通りです

「歴史的な円安の影響が文化の現場にも広がっている コロナ禍や世界的な資源高騰・物価高など様々な要因が絡み合い、来日公演にはこれまで以上に費用がかかり、一部ではチケットが値上がりに 今後の企画に影響が出る懸念もある 来日公演を数多く手掛けるウドー音楽事務所で招聘を担当する一ノ瀬亮プロモーター本部長は『海外アーティストのブッキングは厳しさを増している』と語る。コロナ禍の中で延期になったライブの振り替え公演も多い ただ、1ドル100~110円程度だった2~3年前の契約に基づき、報酬をドル建てで支払わなければならないため、円ベースだと契約当時に比べ4~5割増える 一ノ瀬さんは『赤字の公演もあるが、一度断ったら関係が切れてしまう。赤字を背負ってでも続けざるを得ない。コロナで厳しい状況に置かれた上に、追い打ちをかけられたような思いです』と語る。パリ管弦楽団の招聘元エイベックス・クラシックス・インターナショナルの中島浩之社長は『赤字はもともと織り込み済み。公演の実現を最優先にした』と語る。パリ管の招聘自体は2019年に決まっていたが、今年に入り、航空運賃や楽器輸送費が高騰したという 『響きの輝かしさがブランドの楽団なので、日本でのレンタルは前提とせずすべての楽器を運んだ。通常は2千万程度だが、今回は4千万円を超えた。スタッフも含め、総勢140人が来日したが、一人当たりの運賃も倍を超えた』と語る。チケット料金は東京公演でS席3万2千円。前回の18年の来日公演は2万6千円だった。赤字分は、照明による演出や華道家による作品展示、25歳以下が千円で入れる公開リハーサルなどの企画を仕掛けることによって、日本発のコンテンツの海外展開を促進する経済産業省の補助金『J-LOD』で補填したいとしている

円安の影響は思っていたよりも深刻であることが分かります 現在、やや円高方向にありますが、いつまで続くか誰にも分かりませんから油断できません ところで、パリ管の来日公演のツイッターを見ていたら「照明の演出はない方が良かった」という感想が散見されていましたが、その演出は経産省の補助金を得るための苦肉の策だったわけですね。初めて知りました

ということで、わが家に来てから今日で2864日目を迎え、8日投票の米中間選挙で、与党民主党が上院で優勢を維持したことに関連し、野党共和党内では上院選の敗北について、トランプ前大統領の責任を問う声が出ているが、トランプ氏は緊張関係にある党上院トップのマコネル氏に批判の矛先を向け、不協和音が強まっている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     頼みもしないのに トランプが出しゃばって応援演説するから 落選したんだってば

 

         

 

昨日の夕食は「煮込みうどん」にしました 一昨日、娘が4回目のコロナワクチンを打ってきて昨日熱が出てあまり食欲がないと言うので、消化の良いうどんにしたのです 私も付き合いましたが、申し訳ないけど 私だけサッポロCLASSICです

 

     

 

         

 

村上春樹著「猫を捨てる  父親について語るとき」(文春文庫)を読み終わりました 実は以前買っておいた未読の本が1冊残っているのですが、本屋でこの本を発見し衝動買いしてしまい、喫茶店で一気に読破したのです

今さら紹介するまでもなく、村上春樹は毎年ノーベル文学賞の候補に挙がるのに毎年受賞を逃している人気作家です 1949年京都生まれ。早稲田大学文学部演劇科卒業。1979年「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞したのをはじめ、数々の文学賞を受賞しています

 

     

 

村上氏が父親に関して今でもありありと覚えているのは、1匹の猫を棄てに行った思い出であるとして次のようなエピソードを紹介しています

兵庫県西宮市の夙川に住んでいた昭和30年代の初めの頃、小学校の低学年だった自分と父親とで、猫を自転車で海辺に棄てに行った 浜辺に猫を置いて、さよならを言い、自転車で家に帰ってきた。玄関の戸を開けると、さっき棄ててきたはずの猫が「にゃあ」と言って愛想よく出迎えたのだ 2キロ近い距離をどうやって素早く帰って来られたのか、自分も父もとても理解できなかった・・・というものです。村上氏は次のように続けます

「そのときの父の呆然とした顔をまだよく覚えている。でもその呆然とした顔は、やがて感心した表情に変わり、そして最後にはいくらかほっとしたような顔になった そして結局それからもその猫を飼い続けることになった。そこまでしてうちに帰ってきたんだから、まあ飼わざるを得ないだろう、という諦めの心境で

不思議なエピソードです「犬は人につき、猫は家につく」と言われますが、それにしても2キロも離れた家に帰ってくるなんて、犬なら分かりますが猫は信じられません ひょっとすると村上家の猫は「シャケ」という名前だったのではないか、と思ったりしました

ところで、春樹氏の父親はお寺の息子(男ばかり6人兄弟の次男)として生まれたとのことで、戦争にも行き、その後、京都大学を出て、中高一貫私立校の国語の教師をしていたそうです ちなみに母親も国語の教師だったそうです 血は争えませんね

とは言うものの、春樹氏の学業成績は小学校から高校に至るまで、「それほどひどくはなかったものの、決して周りの人々を感心させられるような代物ではなかった」ことが、父親を少なからず落胆させたようです 「父親はトップ・クラスの成績をとってもらいたかったのだと思う」と書いています しかし、春樹氏は「机にしがみついて与えられた課題をこなし、試験で少しでも良い成績をとることよりは、好きな本をたくさん読み、好きな音楽をたくさん聴き、外に出て運動をし、友だちと麻雀を打ち、あるいはガール・フレンドとデートをしていたりする方が、より大事な意味を持つことがらに思えた もちろんそれで正しかったんだと、今になってみれば確信できる」と告白しています

村上氏は、最後にもう一つの猫にまつわるエピソードを紹介しています

「家で白い小猫を飼っていたが、ある日、庭の松の木をするすると上っていった そしてずっと上の枝の中に姿を消した。そのうちに子猫は助けを求めるような情けない声で鳴き始めた 高いところに上ってはみたものの、怖くて下に降りられなくなったのだろう 父親に事情を説明して梯子を持ってきて助けようとしたが、高すぎて届かない やがて夜になった。その後、子猫がどうなったかわからない 夜のうちに下になんとか降りてきて、そのままどこかに行ってしまったのかもしれない このことは幼い自分に教訓を残した。『降りることは、上がることよりずっとむずかしい』ということだ

これを麻雀経験者が解釈すれば、「黙テンでロンする(上がる)ことより、テンパっているのに相手のリーチを警戒して降りる方が難しい」ということになるだろうか やっぱり違うな

村上氏は「あとがき」で次のように書いています

「歴史は過去のものではない それは意識の内側で、あるいはまた無意識の内側で、温もりを持つ生きた血となって流れ、次の世代へと否応なく持ち運ばれていくものなのだ。そういう意味において、ここに書かれているのは個人的な物語であると同時に、僕らの暮らす世界全体を作り上げている大きな物語の一部でもある ごく微少な一部だが、それでもひとつのかけらであるという事実に間違いはない

個々人の人生は親から子へ、子から孫へと受け継がれていく。そうして人類の大きな歴史が作られていく

この本を読み終わって、17年前に83歳で亡くなった父親のことを思い出しました 私には双子の妹がいますが、1人は赤ん坊の時、子どもが出来ない親戚に養女として引き取られていきました。父親がまだ働き盛りの頃、その養女の家から雄の子犬を引き取ることになり、名前をどうするか家族で考えましたが、父親がチエ(養女の名前)の家から建具店(父の職業)に来たから「チータ」にしようと言い、そう名付けられました 私が大学生の時、チータがある日突然、犬特有の病気にかかり舌を出して死んでしまいました 家の裏の土に埋めてあげようということになり、父親とシャベルで穴を掘って埋めましたが、その時父親がタオルでチータの身体を綺麗に拭いてやり、身体を撫でながら「ゆっくり休んでくれ」と優しく声をかけているのを聞いて、涙がポロポロと流れて止まりませんでした 動物を飼っている人ならよく分かると思いますが、犬も猫も兎も、長年一緒に生活していると家族の一員です

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井上道義 ✕ N響で 伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、ショスタコーヴィチ「交響曲第10番」を聴く / 東京春祭:ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のチケットを取る

2022年11月14日 07時02分56秒 | 日記

14日(月)。「東京・春・音楽祭2023」のワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のチケットを取りました 4月9日(日)15時開演の公演です 演奏はマレク・ヤノフスキ指揮NHK交響楽団。サンス・ザックス=エギルス・シリンス、ベックメッサー=アドリアン・エレート、エファ=ヨハン二・フォン・ヴンドザム他です

確保した席は、前日取った3月30日の「仮面舞踏会」の席より一つ奥に入った1階R列の通路から3つ目(A席)です ヤノフスキのワーグナーは最高です

ということで、わが家に来てから今日で2863日目を迎え、ロシアのラブロフ外相は13日、訪問先のカンボジアで開かれた東アジアサミットで、米国などからウクライナ情勢を巡り「全く容認できない言葉があった」と記者団に述べたとタス通信が伝えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチン、金正恩、習近平と共に 嫌われ者ワースト10に入ったとでも言われたか

 

         

 

昨日、NHKホールでNHK交響楽団の11月度A定期公演(2日目)を聴きました プログラムは①伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、②ショスタコーヴィチ「交響曲第10番 ホ短調 作品93」です 指揮は2024年末に指揮を引退すると宣言している井上道義です

それにしても、N響のコンサートは良く入りますね 満席に近いのではないだろうか

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつものN響の並び コンマスは伊藤亮太郎です

1曲目は伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」です この曲は伊福部昭(1914ー2006)が1954年に「タプカーラ交響曲」として作曲、1979年に改訂し「シンフォニア・タプカーラ」に改題。1955年1月26日にセヴィツキー指揮インディアナポリス交響楽団により初稿版初演、1980年4月6日に芥川也寸志指揮新交響楽団により改訂版初演 「タプカーラ」はアイヌの踊りにちなんで名づけられました 第1楽章「レント・モルト ~ アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ヴィヴァーチェ」の3楽章からなります

井上のタクトで第1楽章が低弦による重厚な音楽で開始されます    まるで黒澤明の映画音楽のような古風な響きです(もちろん、黒澤映画の音楽と言えば早坂文雄ですが)。徐々にテンポアップしアレグロに移ると、まさにゴジラの「伊福部ワールド」全開です 同じ音型が執拗に繰り返されるオスティナートが堪りません こういうエキサイティングな音楽は井上道義の独壇場です 第2楽章では弦楽器が美しく響きます 第3楽章では再びリズム中心の激しい音楽がアグレッシブに演奏されます 終結部はオケの全員が演奏したまま立ち上がり、大興奮の中、曲を閉じました 井上は「どんなもんだい」という得意顔 会場はやんややんやの大喝采です エンターテイナー井上道義はこの日も健在でした

 

     

 

プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第10番 ホ短調 作品93」です この曲はドミートリ・ショスタコーヴィチ(1906ー1975)が1953年6月から10月にかけて作曲、同年12月17日にエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルにより初演されました 本作品の発表はソヴィエト当局から批判を浴びた「交響曲第9番」から8年後となりますが、この年(1953年)の3月5日にスターリンが死去しています この曲はその直後に作曲されたことになります 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アレグロ」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「アンダンテ~アレグロ」の4楽章から成ります

1曲目は比較的ラフな服装で指揮していた井上は、燕尾服にお色直しして登場します 尊敬する作曲家に対する敬意からだろうか また、1曲目ではタクトを持って指揮していた井上ですが、ショスタコーヴィチでは両手で指揮をとります

第1楽章はクラリネット、フルート、オーボエ、ファゴットといった木管楽器群が素晴らしい演奏を展開します 中間部では弦楽器が渾身の演奏を繰り広げます 第2楽章に入ると一転、超高速演奏による疾風怒濤のスケルツォが展開し、息つく間もありません 一説によると、この楽章はスターリンの暴力性を表していると言われていますが、半端なく疾走感溢れる激しい音楽です 第3楽章では中間部でショスタコーヴィチと親密な関係のあった女性エリミーラの音名象徴(ミラミレラ)をホルンが奏でます ファゴット・水谷上総の息の長い抒情的な演奏が光りました 第4楽章でもファゴットが大活躍します フィナーレは咆哮する金管、吠える木管、渾身の弦楽器、炸裂する打楽器により”勝利の音楽”が高らかに奏でられました

満場の拍手の中、カーテンコールが繰り返され、打楽器奏者・黒田英実さんから井上ミッキーに花束が贈呈されました

 

     

 

この日の演奏は、井上のライフワークであるショスタコーヴィチの交響曲の集大成と言える名演でした

 

     

 

     

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東京春祭「仮面舞踏会」チケットを取る / 「芸術系大学、一般の学生も確保」 ~ 日経の記事から / ラドゥ・ジューデ監督「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ」を観る

2022年11月13日 07時01分00秒 | 日記

13日(日)。9日付の日経朝刊に「芸術系、一般の学生も確保」という見出しの記事が載っていました 音楽大学を中心に超略すると以下の通りです

「美術や音楽などを専門に教える芸術系大学が学生の確保に奔走している 入学試験の科目から実技をなくしたり、民間企業への就職支援に力を入れたりするなど、一般の高校生の入学増を見据えているのが特徴だ ここ十数年、志願者数は減少傾向にあり、伝統的な学びを重視し続ける大学との色分けが進みそうだ 音楽大学の入試はピアノなどの実技試験に加えて音楽理論の筆記試験を課してきたが、実技や音楽理論を受験科目から外すコースも増えてきた 洗足学園音楽大学は、作曲からミュージカルまで様々なジャンルの18のコースを設ける 15年以降に新設したバレエ、声優アニメソング、ダンス、音楽環境創造の各コースは音楽理論の試験を課していない 24年にはメディアアーツのコースを新設予定だ 23年度には全体の入学定員を60人増やす方針だ。それでも『少子化が進むなか、20年後に生き残る音大はいくつあるだろうか』と前田雄二副学長は危機感をにじませる 昭和音楽大学は、試験科目の調整に加え、保護者らの関心の高まりから就職支援に力を入れる 16年度からは3年生に対しキャリアコンサルタントなどとの面談を必須化し、21年度は就職講座を75回開いた 声楽を学ぶ3年生の北川さんは入学後に簿記2級とファイナンシャルプランナー2級を取得、いまは就職活動を視野に簿記1級に挑戦中だ 一方、芸術分野を追求する学生の質を維持するため、受験のハードルを下げない大学も依然として少なくない 国立音楽大学はほぼすべての専攻で実技と音楽理論の筆記試験を課す。ただ、志願者数は減少しており、2021年度には入学定員を80人減の320人とした 22年度の定員充足率は約91%だが、教育の質を重視する 23年度には副専攻と位置づけ、データサイエンスを学ぶコースも設ける。名古屋芸術大学の大内教授は『芸術系大学の役割はもはやプロの育成だけではない』と指摘する 学生の将来に配慮しつつ芸術分野の教育をどう存続させるか。かじ取りは一段と難しくなる

音大受験生が減少傾向にあるという話は以前から聞いていましたが、どこの大学も生き残りが大変ですね 「1度しかない人生だから、好きなことを勉強すればいい」とは言うものの、芸術系大学を受験するのは親がかりの人がほとんどでしょうから、親としては「卒業してから食っていけるのか」が気になるでしょう 娘が4年間私立の美術大学に通ったのでその気持ちはよく分かります しかし、授業料を払うのは親でも、やるのは本人です

ということで、わが家に来てから今日で2862日目を迎え、新型コロナウイルス対策として定着したマスクを巡り、政府が5月に示した着用の判断基準の内容を知らないと回答した人が58.4%に上ることが民間の「ライボ」が10月に実施した調査で分かった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     どうりで 外を歩いている人のほとんどが マスクをしていると思った 日本は平和だ

 

         

 

昨日は「東京・春・音楽祭2023」の「ムーティ / イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 ヴェルディ『仮面舞踏会』」のチケット発売日だったので、3月30日(木)18時半から東京文化会館で開かれる公演のチケットを取りました  私は例年1階のR列(A席)を取っています。通路側を狙っていたのですが残念ながら取れたのは通路から2つ目でした それにしても、チケット代が高いのには驚きました

また、昨日は東京フィルの2023シーズン定期会員・座席変更手続き開始日だったので、東京フィルチケットサービスに電話して手続きしました 10時受付開始でしたが案の定なかなか繋がらないので、娘と手分けして固定とスマホでアクセスを繰り返しました。何とか11時頃に繋がりさっそく変更手続きをしました 現在私は「サントリー定期シリーズ」S席会員ですが、同じシリーズS席で2階右ブロック2列目奥の席から1階右ブロック通路から2つめの席に変更しました ネットの時代なのにいつまで電話で手続きをしなければならないのか、と毎年のように思います N響も都響もWEB上で出来ます。現在のところ都響のシステムが手続きしやすい点でベストだと思います

 

         

 

早稲田松竹でラドゥ・ジューデ監督による2021年製作ルーマニア・ルクセンブルク・クロアチア・チェコ合作映画「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ ~ 監督”自己検閲”版」(106分)を観ました

名門校の教師エミ(カティア・パスカリウ)はコロナ禍のルーマニア・ブカレストの街をさまよい歩いている 彼女は夫とのプライベートセックスビデオを意図せずネット上で拡散されてしまい、生徒や保護者の目に触れることとなり、夜に開かれる緊急保護者会を前に、事情説明のため校長宅に向かっていた 彼女の不安と苛立ちは街の人々が抱える怒りや絶望と重なり合い、猥雑で怒りをはらんだ空気が徐々に膨れ上がっていく

 

     

 

この映画はルーマニアのラドゥ・ジューデ監督が、世界的パンデミックとその後の社会の閉塞感を背景に、ルーマニアの社会や国家、ひいては人間そのものを取り巻く諸問題についてブラックジョークを絡めながら描き、2021年・第71回ベルリン国際映画祭で金熊賞に輝いた作品です 日本では「イメージフォーラム・フェスティバル2021」で特別上映された後、映倫審査を通らない日本のような後進国のためにジューデ監督自ら追加編集を施した「監督”自己検閲”版」が劇場公開されました それは映像をぼかすのでなく画面に絵で蓋をしてしまうような編集が施され、音声だけが生かされている不思議なもので、監督によるアイロニカルなメッセージが本編のところどころに映し出されます

この映画は、3つの章と3つの異なったエンディングから構成されています

第1章では、冒頭のセックスシーン(日本では音声のみ)に続き、エミが学校まで移動する様子をカメラが追います 新型コロナ禍で撮影されたことから、エミも街の人たちの多くもマスクをしています

第2章では、哲学者や文化人の言葉を引用しながら、政治、経済、文化などを様々なエピソードをパッチワークのように紹介することを通して風刺していきます スーパーのレジに来た男性客が札束をトランプのように切って飛ばすシーンで、なぜかベートーヴェンの「第九」の第2楽章「モルト・ヴィヴァーチェ」が流れてきたのには笑ってしまいました

第3章では、学校の保護者会に出席したエミが、ほとんど裁判にかけられたように反ユダヤ主義者、ミソジスト、歴史修正主義者など多様な価値観を持つ保護者の質問や詰問に晒され、エミが釈明に追われる様子が描かれています 校長は「エミは教師として優秀である」と庇い、エミは「教師として全力で取り組んでいるし、プライベート面の問題はまったく別だ 私は生徒たちから信頼されている」と主張しますが、保護者たちは「映像がネット上で拡散してしまっており、教育上問題だ こんな教師に子どもを預けられない」と主張します

そして、議論が白熱し、最後にエミを教師として留任させるかどうかの採決が行われます 結果として3つの異なったエンディングが提示されます

1つ目は、エミの留任に賛成が多数となり、反対派の怒りを買い、子供を他校に転校させると主張する親が出てくるなど収拾がつかなくなります

2つ目は、留任に反対が多数となり、辞職したエミを皆が見送ります

3つ目は、エミが「ワンダーウーマン」のようなコスチュームで現れ、クモの網のようなもので保護者たちをからめとり一網打尽にするというものです

個人的には3つ目がスッキリする結末です

ところで、この映画が第71回ベルリン国際映画祭で金熊賞に輝いたのは、冒頭シーンを無修正で上映したことを含めて作品全体を評価したのは否定できない事実です それを日本のような表現の自由後進国で、映像に蓋をして音声だけで上映するのは(監督自ら自己検閲版を作ったとはいえ)本意ではないだろうし、同映画祭の権威への冒涜ではないか、と思います

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東京シティ・フィル2023年度プログラム発表 / 井上道義 ✕ 音楽大学フェスティバルオケのチケットを取る(3/26:ミューザ) / 沢辺有司著「図解 いちばんやさしい地政学の本」を読む

2022年11月12日 07時02分59秒 | 日記

12日(土)。来年3月26日(日)15時からミューザ川崎シンフォニーホールで開かれる「第12回  音楽大学フェスティバルオーケストラ」公演のチケットを取りました プログラムは①ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「天体の音楽」、②伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、③ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」です 演奏は首都圏9音楽大学からの選抜メンバー、指揮は井上道義です 本当は25日(土)東京芸術劇場での同一プログラム公演を取りたかったのですが、この日は上岡敏之 ✕ 新日本フィルのブルックナー「第8番」のコンサートがあるので、26日にしました   井上道義の指揮による伊福部昭とストラヴィンスキーとなれば、聴かないわけにはいきません

 

     

 

         

 

東京シティ・フィルの2023年度定期演奏会プログラムが発表されました

東京シティ・フィルには東京オペラシティコンサートホールで開かれる「定期演奏会」と、「ティアラこうとう定期演奏会」があります

Ⅰ「定期演奏会」(19時開演、1月のみ14時開演)のプログラムは以下の通りです。

5月10日(水)①ブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム」、②オネゲル「交響曲第3番”典礼風」他:高関健指揮、山根一仁=ヴァイオリン。

6月9日(金)①シベリウス「悲しきワルツ」、②グリーグ「ピアノ協奏曲」、③吉松隆「交響曲第3番」:藤岡幸夫指揮、務川慧悟=ピアノ。

7月7日(金)①リャードフ「交響詩『キキーモラ』」、②スクリャービン「交響曲第4番”法悦の歌”」:秋山和慶指揮。

9月1日(金)①リゲティ「ルーマニア協奏曲」、②同「ヴァイオリン協奏曲」、③バルトーク「管弦楽のための協奏曲」:高関健指揮、荒井英治=ヴァイオリン。

10月4日(水)①シューベルト「交響曲第5番」、②同「交響曲第8番”ザ・グレート”」:飯守泰次郎指揮。

11月30日(木)〇プッチーニ「トスカ」(演奏会形式):高関健指揮、木下美穂子(トスカ)他。

1月13日(土)〇調整中:沖澤のどか指揮。

2月2日(金)①ロッシーニ「歌劇『チェネレントラ』序曲」、②菅野祐悟「ヴァイオリン協奏曲」(世界初演)、③サン=サーンス「交響曲第3番」:藤岡幸夫指揮、神尾真由子=ヴァイオリン、石丸由佳=オルガン。

3月8日(金)①シベリウス「交響詩『タピオラ』」、②マーラー「交響曲第5番」:高関健指揮。

Ⅱ「ティアラこうとう定期演奏会」(15時開演)のプログラムは以下の通りです。

4月15日(土)①メンデルスゾーン「序曲『フィンガルの洞窟』」、②ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」、③シューベルト「交響曲第6番」:高関健指揮、吉田南=ヴァイオリン。

9月9日(土)①ヴェルディ「歌劇『シチリア島の夕べの祈り』序曲」、②モーツアルト「ピアノ協奏曲第26番」、③プロコフィエフ「バレエ『ロメオとジュリエット』組曲より:藤岡幸夫指揮、角野隼斗=ピアノ。

11月23日(木・祝)①ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」、②ドヴォルザーク「序曲三部作『自然と人生と愛』」:松本宗利音指揮、朴蔡姫=ギター。

1月27日(土)①モーツアルト「交響曲第32番」、②カーゲル「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」、③R.シュトラウス「交響詩『ドン・ファン』」、④同「交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』」:高関健指揮、目等貴士=ティンパニ。

以上の通り「定期演奏会」も「ティアラこうとう定期演奏会」も、指揮者・ソリストともにほとんど日本人で揃えています 指揮者については下手な外国人を招くのは最初からやめて、高関健、飯守泰次郎、藤岡幸夫の”鉄壁の3人”を中心に、話題の沖澤のどかや松本宗利音を加えるなど極めて堅実な路線を取っています ソリストについても、山根一仁、務川慧悟、吉田南、角野隼斗といった人気・実力ともに備えた若手の演奏家を中心に招いています 海外からの指揮者や演奏家を招聘しないという方針の背景には、他のほとんどのオーケストラが税制上有利な「公益財団法人制度」を採用している中で、「一般社団法人制度」を採用している東京シティ・フィルの厳しい台所事情があると思われます しかし、それが反って独自のプログラミングと魅力的な出演アーティストの選択に繋がっています したたかな生き残り戦略と言うべきでしょう

プログラムと出演者から、「定期演奏会」は継続し、「ティアラこうとう定期演奏会」は新規申し込みしたいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2861日目を迎え、米中間選挙で大差をつけて再選を果たしたフロリダ州のロン・デサンティス知事(44歳・共和党)を、ドナルド・トランプ前大統領(76歳・同)が10日夜、「彼は軽量級で平均的な政治家だ」と論評、成功したのはトランプ氏の支援によるところが大きいと批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     デサンティス氏は2024年の大統領選の共和党候補者として名前が挙がっている

 

         

 

昨日、夕食に2週間に1度のローテにより「鶏の唐揚げ」を作りました 何回食べても飽きません 唐揚げにはサッポロCLASSICです

 

     

 

         

 

沢辺有司著「図解  いちばんやさしい地政学の本」(彩図社)を読み終わりました 沢辺有司氏は横浜国立大学教育学部総合芸術学科卒業。フリーライター。編集プロダクション勤務を経て、渡仏。アート、旅、歴史、語学を中心に書籍、雑誌の執筆・編集に携わる。「図解  いちばんやさしい~」シリーズほか著書多数

 

     

 

著者は「はじめに」で次のように述べています

「ロシアのウクライナ侵攻や切迫する台湾有事、北朝鮮のミサイル発射など、物騒なニュースが絶えない なぜこうした問題が起きているのかを考えるとき、さまざまな解釈の方法がある 1つには歴史を紐解くことで見えてくることがある。ウクライナ危機についていえば、『プーチンが、旧ソ連の領域を取り戻そうとしている』などと解釈できる 一方、地図をベースとした『地政学』を使うと、少し違った見方になる。『ウクライナのような、大国と大国の間にはさまれたバッファゾーン(緩衝地帯)はいつの時代でも紛争が起きやすい』と解釈される 『地政学』とは、地図をもとにその国の政治や軍事を考えていく学問である

本書は次の7章から構成されています

第1章「地政学とは何か?」

第2章「アメリカの地政学(世界をかき回す覇権国家)」

第3章「ロシアの地政学(帝国主義へ回帰する北の大国)」

第4章「中国の地政学(アジアから世界の覇権をねらう)」

第5章「ヨーロッパの地政学(「地域」と「世界」の間で揺れる)」

第6章「中近東の地政学(紛争と大国の思惑が渦巻く)」

第7章「アジアの地政学(大国の情勢を映す)」

第1章の中で、著者は「地政学とは、簡単に言えば『軍事戦略の理論』である。地図を戦略的に見て、どうやって空間を支配するのかを考えるものである」とし、「それぞれの国は、ずっと同じ地理的条件の上に成り立っていて、その条件を抜きにして戦略を練ることはできない」と解説します。そして、次のように説明します

「地理的条件を出発点とする地政学には2つの基本的な概念がある 『シー・パワー(海洋国家)』と『ランド・パワー(大陸国家)』である。海に強い『シー・パワー』には、島国のイギリスや日本がある。アメリカも大西洋と太平洋に挟まれているので、大きな島国と見ることができて、『シー・パワー』の国に分類される 陸に強い『ランド・パワー』には、ロシアやドイツ、フランス、中国がある 少し前までの世界は、イデオロギーという物語によっておおわれていたが、今やそのベールがはがされ、地政学的な戦略が前面に出てきている その象徴はロシアのプーチン大統領だ。プーチンは『自国の地政学的な利益』のためといって、クリミアやウクライナに介入して、領土拡張を窺っている 中国の習近平は、南シナ海に人工島を建設して海洋進出を強めるほか、台湾統一を目論んでいる。そのやり方は法を無視した力による現状変更だ アメリカのトランプ前大統領は、『自国の利益を守る』という理由で、自らの覇権に挑む国を抑え込んだ。ところが、バイデン大統領には地政学的リスクの認識がない プーチンと習近平はこれを見透かしている。イデオロギーという理想的な物語で語られる時代は終わり、かつての帝国主義時代のように地政学で考える時代になっている

第3章「ロシアの地政学(帝国主義へ回帰する北の大国)」の中で、著者は次のように語っています

「ウクライナはロシアと欧米の中間のバッファゾーンにあるので、地政学的にどうしても紛争が避けられない運命にある 例えば、第二次世界大戦中には、ドイツとロシアがウクライナで衝突し、この地が独ソ戦の舞台となった。ウクライナ人はソ連兵として前線に送り出されたり戦闘に巻き込まれ、800~1400万人が死亡したといわれている ソ連崩壊以降、東欧諸国はアメリカを中心とした軍事同盟NATO(北大西洋条約機構)に加盟した。その結果、NATO勢力はロシアの目の前まで迫ってきた。ロシアと国境を接するバルト3国のエストニアやラトビアはNATO加盟国である。残りはウクライナだけになった 東西の境界線がウクライナにまで移動してきたので、ここで紛争が起きたということである 2019年にウクライナは憲法を改正し、将来的なNATO加盟の方針を決めた。NATOの東方拡大の脅威がある限り、プーチンはウクライナから引くことは出来ない そもそも冷戦終結後、東西陣営間で『NATOは東方に拡大しない』という約束があったとされ、これを反故にされているというのがプーチンの主張である。一方でプーチンがしたたかなのは、西側陣営の弱みを握っていることである。2014年のウクライナ危機以降、EUは『脱ロシア依存』を掲げ、エネルギー資源の多様化を目指してきたが、逆にドイツやフランスを中心にロシア産の天然ガスの輸入量は増えている 2020年のEUの天然ガス輸入量の4割がロシア産である プーチンの目指すところはウクライナをバッファゾーンとして維持することだ ウクライナを併合すると、バッファゾーンが消滅し、西側と直接対峙することになり、リスクとコストが高まるだけなので、地政学的には良い戦略とは言えないからだ

これについては、最近のロシアの戦い方を見る限り、ロシアはウクライナの政権交代により傀儡政権を樹立するのは諦めて、ウクライナの東部地域を併合し、さらには国全体をロシアの領土とする意図を持っているように思われます 現実には大失敗に終わるように思われますが

本書では以上のほか、習近平政権による海洋戦略の危うさ、ユーラシア支配を狙った「一帯一路」の行き詰まり、台湾統一の危機などの中国の動向をはじめ、世界各地域における興味深い情報が満載です 本書の最大の特徴は非常に分かりやすい解説です とくにポイントとなる部分はゴシック体で表記し、図解を多用するなど、著者の主張したい重要なことが視覚化できて理解が深まる点です いま世界で起きている出来事が「地政学」という視点から学べる最良のテキストとして強くお薦めします

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藤岡幸夫 ✕ 寺田悦子 ✕ 渡邊喜久雄 ✕ 東京シティ・フィルで ヴォーン・ウィリアムズ「2台のピアノのための協奏曲」、ドビュッシー:交響詩「海」他を聴く

2022年11月11日 07時01分07秒 | 日記

11日(金)。わが家に来てから今日で2860日目を迎え、接戦が続くアメリカの中間選挙は大方の予想を覆し、トランプ前大統領の共和党が伸び悩んでいることを受けて、トランプ氏が激怒しているとも報じられている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     共和党の候補者の何人かは ”俺様”トランプに応援演説に来てほしくなかったようだ

 

         

 

昨日、夕食に「麻婆茄子」「生野菜とツナのサラダ」「白舞茸の味噌汁」を作りました 晩秋の茄子は美味しいですね

 

     

     

         

 

昨夜、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィルの第356回定期演奏会を聴きました プログラムは①ヴォーン・ウィリアムズ「トマス・タリスの主題による幻想曲」、②同「2台のピアノのための協奏曲」、③ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、④同:交響詩「海」です 演奏は②のピアノ=寺田悦子、渡邊喜久雄、指揮=藤岡幸夫です

 

     

 

1曲目はヴォーン・ウィリアムズ「トマス・タリスの主題による幻想曲」です この曲はレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872ー1958)が1910年に作曲、同年9月にグロスター音楽祭で初演されました トマス・タリスはチューダー王朝の代表的作曲家です この作品の大きな特徴は、弦楽四重奏と2つの弦楽合奏団から成る変わった編成です そのため、オケの配置は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスが並び、後方の壁側に弦楽4部各2人とコントラバス1人が横一列に並びます 弦楽四重奏は弦楽各セクションの首席4人がそのままの位置で演奏します。コンマスは戸澤哲夫です

藤岡氏の指揮で演奏に入りますが、彼がプレトークで語っていた通り、後方に配置された弦楽9人の演奏がまるでオルガンの音のように響きます 弦楽四重奏の演奏は戸澤、山本(?)、大友、臼木が担い、いずれも素晴らしい演奏でしたが、ヴィオラの臼木麻弥の演奏が際立っていました フルートの竹山愛、オーボエの本多啓佑の演奏が華を添えました しみじみ良い曲、良い演奏だと思いました

2曲目はヴォーン・ウィリアムズ「2台のピアノのための協奏曲」です この曲は当初1台のピアノのために作曲されましたが、演奏困難との指摘を受けて2台のピアノのための曲に編曲、1946年にロンドンで初演されました 第1楽章「トッカータ:アレグロ・モデラート」、第2楽章「ロマンツァ:レント」、第3楽章「フーガ・クロマティカ・コン・フィナーレ・アラ・テデスカ:アレグロ」の3楽章から成ります

ピアノ演奏の寺田悦子と渡邊喜久雄はご夫婦だそうです 私はプレトークで藤岡氏の話を聞くまで知りませんでした。まだまだ修行が足りません 下手に寺田、上手に渡邊がスタンバイし、藤岡の指揮で第1楽章に入ります 「こ、これがヴォーン・ウィリアムズか」と驚くほど活力に満ちた曲想で、2人のピアノを中心にアグレッシブな演奏が展開しました ピアノのカデンツァによって移行した第2楽章は「ロマンツァ」そのもので、美しいメロディーが抒情的に奏でられました 続く第3楽章は前半がダイナミックなフーガで、2人の丁々発止のカデンツァを挟んで、後半が力強く推進力に満ちた曲想ですが、最後は静かに終結します 滅多に演奏されない曲ですが、ヴォーン・ウィリアムズの知られざる一面を知らされた思いです 藤岡 ✕ シティ・フィルの確かなサポートともども熱い演奏でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目はドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」です この曲はクロード・ドビュッシー(1862ー1918)がフランスの象徴派の詩人マラルメの詩にインスピレーションを受けて1892年から94年にかけて作曲、1894年にパリで初演されました 印象主義音楽を確立した最初の作品として大きな反響を呼びました

この曲は何と言っても竹山愛のフルート独奏に尽きます 冒頭のソロから夢の世界に誘われます。本多啓佑のオーボエも冴えていました

最後の曲はドビュッシー:交響詩「海」です この曲はドビュッシーが1903年から05年にかけて作曲、1905年にパリで初演されました 第1楽章「海の夜明けから正午まで」、第2楽章「波の戯れ」、第3楽章「風と海との対話」の3楽章から成ります 

藤岡の指揮で演奏に入りますが、終始、静と動のコントラストの音楽表現が素晴らしく、管楽器を中心に色彩感溢れる演奏が展開しました 私は演奏を聴きながら、この曲の初版の表紙に描かれたという葛飾北斎の「神奈川県沖浪裏」を思い浮かべていました 終演後、会場いっぱいの拍手が藤岡氏とシティ・フィルの面々に贈られます 「いつも藤岡幸夫は熱いなあ」と思いながら会場を後にしました

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