台風19号で9河川の堤防決壊=緊急放流6ダム-国交省

2019年10月13日 17時29分31秒 | 社会・文化・政治・経済

 国土交通省は13日、台風19号の大雨により、9河川10カ所で堤防が決壊したと発表した。

決壊した越辺川の堤防

 広範囲の浸水被害が発生した要因になったとみられる。また、6カ所のダムで水位が上がりすぎるのを防ぐため、12日夜から13日未明にかけ、緊急放流が実施された。

 国交省によると、堤防が決壊したのは吉田川(宮城県)、久慈川(茨城県)、越辺川(埼玉県)、都幾川(同)、九十九川(同)、千曲川(長野県)、秋山川(栃木県)、粟野川(同)、荒川(同)。久慈川は2カ所で決壊した。

 国が管理する千曲川などを含む14河川では、越水により流域が浸水した。荒川など12都県が管理する63河川でも浸水が確認されている。

 緊急放流をしたのは城山ダム(神奈川県)、美和ダム(長野県)、水沼ダム(茨城県)、高柴ダム(福島県)など。国交省は、事前に関係機関を通じ、下流域の住民らに周知した上で放流が行われたと説明している。 

 



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台風被害 茨城県内で甚大 川氾濫、水郡線の橋落下

2019年10月13日 16時55分01秒 | 社会・文化・政治・経済

12日夜から13日未明にかけて東日本を直撃した台風19号は県内に甚大な被害をもたらした。

大子町、常陸大宮市を流れる久慈川、北茨城市の大北川、筑西市の鬼怒川、水戸市の那珂川で氾濫や越水。周辺道路で冠水、住宅で浸水被害が多数出た。自治体から自衛隊に災害派遣要請が相次いだ。水戸市では住宅に取り残された人の救助作業が続いた。大子町では、JR水郡線袋田駅北側の「第6久慈川橋梁」が落下し、橋が川の濁流に飲み込まれた。

県災害対策本部によると、13日午前11時現在、県内の負傷者は14人で行方不明は1人。各地で停電も続いた。常陸大宮市によると、午後2時半現在、市内全域で断水。

冠水の影響で国道や県道の一部で通行止め。水戸市の常磐自動車道の水戸北スマートインターチェンジは周辺が浸水しているため上下線とも閉鎖。

JR常磐線は同日午後、土浦-取手間の運転を再開。土浦-勝田間は那珂川の水位が上昇しているため再開の見込みがたっていない。勝田-いわき間は午後7時ごろから順次再開する予定。

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92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て

2019年10月13日 15時49分14秒 | 社会・文化・政治・経済

大川 繁子 (著)

内容紹介

ほったらかしでも、しっかり自立する!

ペリー来航よりも前に建てられた築170年の古民家の園舎で
いち早くモンテッソーリ教育とアドラー心理学の“いいとこどり”を
実践してきた“奇跡の保育園”--小俣幼児生活団。

主任保育士を務める大川繁子さんが
60年かけて2800人以上の園児たちに教わった
子どもがよ〜く育つコツ。

〔 目 次 〕
はじめに 〜保育歴60年。〝奇跡の保育園〞のちょっと変わった子育て〜

第1章 「自由に生きる力」を育てるために
スゴイ人より、めいっぱい自分の花を咲かせられる人
どんなに小さな子にも、個性は立派にあらわれています
教育は、とても「怖いもの」だから
まずは親が判断力をつけないとね
子どもが心ゆくまで、満足するまで打ち込ませましょう
あとで伸びる子は、いまを満喫している
「○○したくなる」工夫が、腕の見せどころ
決めるのは子ども。大人は「決めるための材料」を伝えるだけ
ヒントを出して、あとは「自分で考えてね」
自分自身のことを理解できる子に
話し合いの経験が問題解決能力を伸ばす
子どもは機会さえあれば勝手に学んでいきます
「守る」と「育てる」のバランスを考える
危なくても、面倒くさくても、経験させてみる

第2章 親が守りたいコミュニケーションの約束
子どもの「困った」はプラスの面を捉えてみる
子どもは対等な存在。上から目線で命令しない
「いい子」「すごいね」と評価しない
「待ってね」と言ったら、かならず約束を守る
なにはともあれ、まずは子どもの気持ちに共感する
子どもの行動には、すべて目的がある
大人の「あたりまえ」で叱らない
何気ない「あなたはダメ」、言ってませんか?
理不尽な現実にぶつかった子どもには、ステキなところを伝えてあげる
信頼できない大人には、子どもは本音をしゃべらない
言いたがらないときは、口をこじあけない
追い詰めずに、逃げ道をつくる。ウソはさらりと流してあげることも大切

第3章 子どもが小さいうちに築きたい、幸せを育む三角形
幸せに生きるために欠かせない「目に見えない発達」
抱っこ、抱っこ、抱っこ! 〜ステップ① 情緒の発達と安定〜
「自分でやる」を育てましょう 〜ステップ② 自主性の発達〜
「かわいがりすぎ」はないけど、「甘やかしすぎ」はあります 〜ステップ②自主性の発達〜
ケンカは導き、後に見守る 〜ステップ③ 社会性の発達〜
とことん遊ぶことが、いちばんの勉強になります 〜ステップ④ 知識の習得〜

第4章 2800人を見てきた私の「子育てのコツ」
60年、2800人。私が見てきた保育の現場
相談 小さい子どもを保育園に預けて、ほんとうに大丈夫?
 →子どもは接する「時間」より愛情の「密度」で育ちます
相談 スムーズに食事ができなくて、ストレスです
 →「食べない!」もネコまんまも放っておいて。毎日のことだから、気楽にね
相談 なかなかトイレが成功しません
 →オムツは、「しつけ」じゃありません。外れるときに外れます
相談 静かにしてほしいとき、ついテレビを見せてしまいます
 →動画は1日2時間まで。となりにママがいると、なおよしです
相談 習いごとは、どうやって選べばいいですか?
 →子どもの「やりたいこと」で、一流の先生を探しましょう
相談 英語教育をすべきかどうか悩みます
 →子どもの想像力を育てるため、まずは「日本語」をじっくり育てましょう
相談 集中力がないし、静かにしなきゃいけない場所で騒いでしまいます
 →ゲームにして乗せてみて。楽しみながら集中してもらいましょう
相談 ウチの子、成長がゆっくりなんです/大人しすぎるんです/乱暴なんです
 →成長も個性も十人十色。しかも、どんどん変化していきます
相談 絵本の選び方を教えてください①
 →正解はありません。ただし、絵本にしつけをさせないでね
相談 絵本の選び方を教えてください②
 →10年以上読み継がれていて、お母さんが好きなものを
相談 絵本の選び方を教えてください③
 →絵本は「むずかしすぎ」はあっても「やさしすぎ」はありません
相談 絵本を持ってくるけれど、最後まで聞いてくれません
 →絵本はあくまでコミュニケーションの道具。渡されるがまま読んであげましょう
第5章 「お母さん」の人生について私が伝えたいこと
「夫婦仲がいい」に勝る子育て環境はない
「妻」ではなく「嫁」として生きた私が反省していること
「お母さんと子ども+お父さん」から、「夫婦と子ども」の時代へ
何歳になっても、心が動くことをやりましょう
92歳、いまが青春

おまけ 小俣幼児生活団の絵本カリキュラム

あとがき

内容(「BOOK」データベースより)

子どもはもっと自由に生きられる。築170年の古民家の園舎でモンテッソーリ教育とアドラー心理学の“いいとこどり”を実践!2800人以上の園児たちに60年かけて教わった、「奇跡の保育園」の子どもがよ~く育つコツ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大川/繁子
小俣幼児生活団主任保育士。足利市小俣町にある私立保育園「小俣幼児生活団」の主任保育士。昭和2年生まれ。昭和20年、東京女子大学数学科入学。昭和21年、結婚のため中退。昭和37年小俣幼児生活団に就職し、昭和47年に主任保育士となり、現在に至る。足利市教育委員、宇都宮裁判所家事調停委員、足利市女性問題懇話会座長などを歴任。モンテッソーリ教育やアドラー心理学を取り入れた創立70年の同園で、およそ60年にわたり子どもの保育に携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

これこら成長する我が子に対して、ああしなきゃこうしなきゃはないんだととても気楽になりました。経験談も要所要所に入っているのでイメージしやすく、とても読みやすかったです。
 
繁子先生の含蓄のある言葉の数々。
貴重です。
子どもに関わる全ての方へ。
子育て中のパパ ママが読むのもよし、
保育士さんにも勿論、良書だと思います。



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マイケル・ファラデーの言葉

2019年10月13日 15時12分13秒 | 社会・文化・政治・経済

すべての行動において、人類に対する皆さんの義務の遂行において、皆さんの行動の正しく、有益なものにすることによって、ローソクのように世界を照らしてください。

青少年の心に科学への興味を灯をともした。

(Michael Faraday, 1791年9月22日 - 1867年8月25日)は、イギリス化学者物理学者(あるいは当時の呼称では自然哲学者)で、電磁気学および電気化学の分野での貢献で知られている。

直流電流を流した電気伝導体の周囲の磁場を研究し、物理学における電磁場の基礎理論を確立。それを後にジェームズ・クラーク・マクスウェルが発展させた。同様に電磁誘導の法則反磁性電気分解の法則などを発見。

磁性が光線に影響を与えること、2つの現象が根底で関連していることを明らかにした。電磁気を利用して回転する装置(電動機)を発明し、その後の電動機技術の基礎を築いた。

それだけでなく電気を使ったテクノロジー全般が彼の業績から発展したものである。

化学者としては、ベンゼンを発見し、塩素の包接水和物を研究し、原始的な形のブンゼンバーナーを発明し、酸化数の体系を提案した。

アノードカソード電極 (electrode)、イオンといった用語はファラデーが一般化させた。

ファラデーは貧しい家庭に生まれたため、小学校も中退という教育しか受けておらず、高度な数学などは解らなかったが、科学史上、最も影響を及ぼした科学者の1人とされ、科学史家は彼を科学史上最高の実験主義者と呼んでいる。 

数学の分野をまとめたのがジェームス・クラーク・マクスウェル。

マイケル・ファラデー

Michael Faraday 001.jpg

トーマス・フィリップスによる肖像画(1841-1842)

静電容量のSI単位「ファラド (F)」はファラデーに因んでいる。

また、1モルの電子の電荷に相当するファラデー定数にも名を残している。ファラデーの電磁誘導の法則は、磁束の変化の割合と誘導起電力は比例するという法則である。

ファラデーは王立研究所の初代フラー教授職 (Fullerian Professor of Chemistry) であり、死去するまでその職を務めた。

アルベルト・アインシュタインは壁にファラデー、ニュートンマクスウェルの絵を貼っていたという。

ファラデーは信心深い人物で、1730年に創設されたキリスト教徒の一派であるサンデマン派グラス派)に属していた。伝記作者は「神と自然の強い一体感がファラデーの生涯と仕事に影響している」と記している。

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ロウソクの科学

2019年10月13日 14時56分52秒 | 社会・文化・政治・経済

 

 
 
世界一の先生が教える超おもしろい理科 

 

内容紹介

ノーベル賞受賞者も読んでいた!? 理科が好きになる、たのしい実験の本!

ノーベル化学賞が決まった吉野彰さんが小学4年生のときに出会い、
「化学への興味を持つ原点」となった運命の1冊。
2016年にも、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典さんが子どものころに読み、
科学者を志すきっかけになった本として注目されていたファラデーの『ロウソクの科学』を
小学生向けにわかりやすくした角川つばさ文庫版!

読めばだれでも科学を好きになる! 楽しくて面白い理科の本!

「燃えたロウソクは、どこへ消えたの?」
「水と氷って、どっちが重いの?」
「さかさまにしたコップの水が落ちないのは、どうして?」
1本のロウソクを使ったたのしい実験で、身のまわりのふしぎを学ぼう! 
科学者のファラデーが子どもたちに見せた24の実験をイラストと物語でやさしく教えるよ! 
読めばだれでも理科がわかる・科学を好きになる! 
たのしくておもしろい、理科実験の入門書!

内容(「BOOK」データベースより)

1本のロウソクを使ったたのしい実験で、身のまわりのふしぎを学ぼう!科学者のファラデーが子どもたちに見せた24種類の実験を、イラストと物語でやさしく教えるよ!読めばだれでも理科がわかる・科学を好きになる!たのしくておもしろい、理科実験の入門書!小学中級から。

著者について

●平野累次/冒険企画局:愛知生まれ。冒険企画局所属の作家兼ゲームデザイナー。主な著作は『超次元カードバトルRPG カードランカー』『駆け出しアイドルRPG ビギニングアイドル チャレンジガールズ』(ともに新紀元社刊)『ぼくの教室はふしぎ列車』(KADOKAWA)など。おしゃべりをしながらサイコロを振るゲーム、テーブルトークRPGの開発をしている。

●ファラデー:イギリスの科学者。1791年、ロンドンに生まれる。ベンゼンの発見、ファラデーの法則など、幾多の輝かしい業績を残した。

●上地 優歩:三重県出身の漫画家・イラストレーター。雑誌やWEBでの作品執筆のほか、学習漫画や挿絵イラストなど幅広い分野で活動中。小学生のとき給食を食べるのがクラスで一番速かった。

 

 
 
 
 
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世界市民の要件

2019年10月13日 14時53分51秒 | 社会・文化・政治・経済

▽偉大な仕事というものは衝動だけでできるものではなく、一連の小さな仕事の積み重りなんだ。ファン・ゴッホの言葉
▽ホイットマンは「恵まれない境遇に育ちながら、一個の人間が世界のために、いかに大きな力を発揮できるか」を証明した。
▽世界市民の要件。
民衆の幸福のため、そして地球全体の平和と共生のために生かし、リードしていく智慧、勇気、慈悲。
これらを一人一人の内奥から引き出し、錬磨し、結集していく推進力こそが、世界市民の真髄。
▽最後は、どれだけ喜びをもって、はつらつとした心で、人生を生き抜いたかである。
▽真剣-この二字のなかに、すべてが含まれている。
真剣であれば勇気も出る。知恵も回る。
的確な励ましを送ることもできる。

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関東に大きな被害をもたらしたカスリーン台風

2019年10月13日 12時01分23秒 | 野球

関東に大きな被害をもたらしたカスリーン台風
カスリーン台風による浸水

 

 利根川決壊口。手前が利根川本流で右から左に流れている、中央左右が340mにわたって決壊した堤防、画面上部が洪水に飲まれた民家と田畑。撮影GHQ(提供:国土交通省関東地方整備局利根川上流河川事務所)

葛飾家屋浸水状況(国土交通省利根川上流河川事務所)

利根川はたびたび氾濫(川の水が増えて堤防がこわれてあふれ出ること)して多くの被害をおよぼしてきましたが、昭和22年(1947年)9月におそったカスリーン台風が引き起こした氾濫は、たいへん大きな被害をもたらしました。

利根川の堤防が、9月16日に埼玉県北埼玉郡東村と川辺村(現加須市)で決壊して、その付近だけでなく東京(葛飾区や江戸川区)まで流れて家を水びたしにしました。
利根川の決壊口付近の被害

昭和22年9月15日午後9時頃、埼玉県東村(現・加須市)の利根川(新川通地先)では、堤防が決壊する恐れが生じて、必死の水防活動(堤防上での土のう積み)が行われた。しかし午後10時には、越水が膝までの水位となって水防ができなくなり、栗橋(埼玉県)の利根川水位が最高水位に達した16日0時20分頃、新川通地先の右岸堤防が延長100mにわたって決壊した。
決壊口付近では濁流の勢いが激しく、民家が次々と流失し、屋根の上にすがりながら助けを求める人々や、流れに飲み込まれた牛馬の光景は、とてもこの世のものと思えない悲惨さであったと伝えられている。
大利根町では死者12名、行方不明6名、栗橋町で死者18名、行方不明1名など、決壊地点に近い町村が人的被害の全体の半数以上を占めている。
氾濫流の流下による被害

 

昭和22年9月、カスリーン台風(*1)が日本を襲う。戦争から占領と続く時代、国土は荒廃していた。堤防補強は休止、河床には土砂が堆積している。大量の雨は荒れた山々から川に流れ込み、増水した川は田畑と化していた堤防を脅かす。9月16日午前1時、堤防から溢れた水が裏側から洗掘(*2)(せんくつ)を起こし、利根川は決壊した。

 

濁流が田畑や民家を飲み込む

昭和22年9月15日夜、内務省関東土木出張所長加藤伴平のもとに緊急連絡が入る。「利根川上流で異常水位上昇中」。カスリーン台風による記録的大雨で上流各地に山津波が発生、流木が橋で水を堰き止めて水位上昇を招いていた。越流水深50cm。溢れ出た水が堤防を裏から削り取った。暗闇に轟音が3度響く。堤防が340m決壊した音だった。

14,000m³/秒の濁流は決壊場所の埼玉県東村(現・大利根町)から栗橋、久喜、幸手、越ケ谷と進み、19日未明、桜堤(東京都葛飾区)から東京へ流れ込む。利根川はすべてを飲み込んで東京湾に注ぐ新しい川筋を生み出そうとしていた。

それは300年前、徳川家康が流れを変えた利根川の、元の流れに似ていた。


時代はくだって江戸時代。天正8年(1590年)、徳川家康が江戸城に入ったときの利根川のお話。当時の利根川は、関東平野を乱入しながら南下し、荒川や入間川と合流して、下流では浅草川、隅田川と呼ばれて東京湾に注いでいました。
このままではお江戸が洪水におそわれる! 先見の明のあった家康は、水路や支派川、堤防などを築いて流れを東に移し、銚子で海に注ぐように大規模な河川改修を行いました。これを「利根川の東遷(とうせん)」と呼び、この結果、香取の海は土砂の堆積が急速に進んで陸となり、現在のような穀倉地帯が形成されていったのです。

利根川の氾濫流は、東に江戸川、西に荒川・大宮台地に囲まれた低平な中川流域を流下した。
これは、かつて利根川が東京湾に向かっていた川筋であり、そこは乱流した河川の氾濫原である。洪水が運んできた土砂は、氾濫によって堆積して微高地(自然堤防)を作り、その背後には、氾濫水がとり残されて湿地(後背湿地)が生まれる。やがて後背湿地は水田として活用される。こうした沖積平野がもつ地勢は洪水氾濫によって作られている。
利根川の氾濫流は、幾つもの支川や堤防、微地形(地形図では判別しづらい微細な地形)に特徴づけられて南下した。堤防に沿って流れるときもあれば、堤防によって一時的に堰き止められることもある。そして、高まった水位に耐え切れなくなった堤防が一気に壊れ、下流に大きな被害をもたらす。それは、利根川という大河がもたらす大流量の氾濫結果でもある。一方、自然堤防の上に建てられた集落では、難を逃れたものも多く、低平地での水害から身を守る住まい方がそこにはあった。
16日午前5時頃、栗橋町の全域が水没、同日午前8時30分頃には行幸村(現・幸手市)と桜田村(現・久喜市)が満水、翌17日午前2時頃には氾濫水が東武野田線の盛り土を突破した。
18日午前5時頃には、吉川町(現・吉川市)、越ヶ谷町(現・越谷市)に達し、午後7時頃、東京都北端にあたる葛飾区水元小合新町の大場川桜堤が6mにわたり決壊する。
桜堤は、徳川時代より江戸への氾濫水を止める防衛線で、これを破った氾濫水は葛飾区、江戸川区、足立区に流れ込んで被害を拡大した。
20日午前3時頃には、中川堤防を破って亀有(葛飾区)を満水にさせたが、同日午後2時頃、江戸川区船堀の新川堤防に到達したところで、氾濫流は、ようやく停止した。その結果、葛飾区の全域と江戸川区や足立区のほぼ半分の地域が浸水した。
わが国最大の流域面積をもつ利根川がもたらした氾濫は大流量で、付け替えられた利根川の川筋(注)から離れ、元来の姿にもどって流れたことによるものだ。
その利根川固有の事情は今も変わっていない。堤防は、洪水に耐えられれば良いが、耐えられないときには、高い堤防ほど大きな被害をもたらす。
現在の利根川堤防は、10mを超える高さとなっていることも知っておきたい。
そして、この大河が氾濫をもたらすことになれば、その被害は決して想定外ではないことをカスリーン台風の教訓として学びたい。
(注)千葉県銚子から太平洋に注ぐ現在の流れ。江戸時代の東遷事業によって行われた。
2017年3月16日 事務局だより
NHKが報道した利根川の決壊を想定した浸水のシミュレーション
 昨日、NHKニュースが利根川の決壊を想定した浸水のシミュレーションに関する最新の研究を詳しく紹介していました。
 この報道によれば、新たなシミュレーションの結果、東京都心に浸水が広がる時間は、これまでの国の想定よりはるかに速いことがわかったということです。しかしこの報道では、利根川の決壊箇所としてシミュレーションが想定している埼玉県の栗橋付近で、国が大規模な堤防強化対策事業を実施していることには触れませんでした。
◆2017年3月15日7時38分 NHKニュース
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170315/k10010911581000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001
ー利根川決壊を想定 20時間程度で都心周辺が浸水の可能性ー

 首都圏の北部を流れる利根川が大雨などで決壊し、東京都心周辺で浸水が始まるまでの時間を大学の研究チームがシミュレーションした結果、過去の災害や国が想定する2日から3日よりも大幅に短い20時間程度になる可能性があることがわかりました。

 シミュレーションを行ったのは東京理科大学の二瓶泰雄教授の研究チームです。
 国は大雨により埼玉県で利根川の堤防が決壊した場合にあふれた水が、埼玉県から2日から3日かけて、葛飾区や江戸川区など東京都心周辺に南下するという想定をまとめています。

 二瓶教授らは、新たにあふれた水が流れ込む利根川の4つの支流の水位の変化も考慮に入れて、浸水がどのように広がるかシミュレーションしました。

 その結果、東京・葛飾区では、国の想定よりも早い決壊から17時間後に浸水が始まり、36時間後には葛飾区や江戸川区の広い範囲が移動することが困難な深さになることがわかりました。
 支流の水位が高くなって周辺の水路の水が支流に流れこめなくなり、行き場を失ってあふれるためだとしています。

 決壊から3日後には、上流であふれた水が加わって葛飾区や江戸川区の浸水の深さは3メートル以上になる所もあり、その状態が1週間以上続く可能性があるというシミュレーション結果となっています。

 二瓶教授は「ハザードマップで浸水の深さを考慮するだけでなく、どのくらいの時間で浸水するかも考えて備えを進める必要がある」と指摘しています。

—転載終わり—

 報道で取り上げられたシミュレーションは、2015年9月に発生した利根川支流の鬼怒川の水害による浸水被害を踏まえたものです。鬼怒川の水害では、溢れた洪水は八間堀川がバイパスとなって流れ、常総市の下流側に短時間で到達し、常総市役所付近の浸水が早くに始まりました。
これを利根川に当てはめたシミュレーションです。
八間堀川は鬼怒川と小貝川の間を流れる農業用水の排水河川です。

 今回のシミュレーションは、利根川の栗橋付近(埼玉県久喜市)の決壊で溢れた洪水が、中川(農業用水の排水河川)を通して東京都内まで短時間で到達するとしたものです。
利根川の氾濫洪水が流下するバイパスに中川がなることはあり得ることだとは思いますが、そもそも、利根川の栗橋付近の堤防が決壊する危険性がどの程度あるかが問題です。

 栗橋付近から上流の利根川中流部右岸および江戸川上流部右岸では、土地を買収して堤防の裾を大きく拡げる首都圏氾濫区域堤防強化対策事業が国交省関東地方整備局によって進められています。

★国交省関東地方整備局 江戸川河川事務所ホームページより 「首都圏氾濫区域堤防強化対策」
 http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00048.html

首都圏氾濫区域堤防強化対策事業は、川裏側の堤防幅を堤防高の7倍に、川表側の堤防幅を4~5倍に拡げる事業で(通常の堤防は2~3倍)、総額2700億円で計画されました。
工事は2004年度から進められており、栗橋付近の工事はほとんど終わっています。
この事業は浸透に対する堤防の安全性を確保することを目的とし、国交省は超過洪水対策ではないとしていますが、これだけの堤防強化が行われれば、決壊する危険性がほとんどなくなることは明らかです。その点で、今回のシミュレーションは前提が現実と遊離した仮想計算といえます。

 NHKの報道は、利根川の栗橋付近で行われてきた首都圏氾濫区域堤防強化対策事業や堤防の現況などには触れませんでした。洪水への備えは必要ですが、利根川決壊の恐怖を必要以上に強調する報道は、果たして防災の役に立つのでしょうか。

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利根川には、広大な水瓶がある

2019年10月13日 11時04分50秒 | 野球

次男は心配症なので、大騒ぎして自宅駐車場の車を台宿の元イトーヨーカドーの駐車場に停めに行く。
また、家の裏の分別ゴミ箱4個をガムテープで固定、さらにビニールテープで固定する。
「この家、壊れないか」と母親に何度も聴く。
「壊れた時は壊れた時、保険にも入っているから・・・」と聞き流す。
「家が壊れたら、死ぬかもしれない」と気を揉む。
長男も心配して、「柏の俺のマンションに非難しないか、迎えにいくから」と携帯電話に連絡してきた。
母親は「大丈夫だから、いいよ」と安心させる。
また、「いざとなったら、取手小学校まで非難するから」と言っていた。
次男は車を駐車場にとりに行き、その後、利根川の堤防まで行ったと言う。
「おい、利根川半分まで水来ている。危ないなまた車預けに行くか」と焦る。
母親は、利根川に様子を見に行っているので、「お前が幼稚園のころの方が利根川の水は増えいたよ。それと比べたら水の量は多くない」と相手にしない。
「これから、まだ増えるよ」と心配する。
実は利根川には、広大な水瓶がある。

鬼怒川合流点下流の利根川右岸側にある田中調節池は、周辺にある稲戸井調節池及び菅生調節池と一体となって洪水を調節することを目的として整備されているものです。
 調節池内は一部の水路敷きを除いて民有地でしたが、昭和21年自作農創設特別措置法により国営開拓地区の指定を受け、昭和23年に国が買収し、県による代行開墾による耕地建設が行われ、その後入植及び地元増反者を対象に、再び民地として払い下げられた経緯があり、農地の溢水に関しては既に補償済みです。

(田中調節池は昭和21年以前から計画されており、昭和24年の改修改定計画に位置づけられ、昭和33年に慨成しました。)
 現在、田中調節池では越流堤を上流へ移設するための検討を行っています。
これは、越流堤を上流に移設することにより、利根川の水位勾配の関係から、調節池内に溜めることが出来る水位が高くなり、洪水調節容量を増加させることが出来るためです。

なお、移設にあたっては、専門家や地元関係者等からなる「田中調節池整備・活用検討懇談会」に諮り、池内の利用状況等に配慮することとしており、適切な情報公開に務め、関係住民の皆様のご理解を得ながら進めたいと考えています。
 また、稲戸井調節池は、洪水時に利根川本川の計画高水流量に影響を与えないよう田中調節池、菅生調節池と一体となって鬼怒川及び小貝川の洪水調節を図るものです。

稲戸井調節池には、崖地下に良好な湿地環境が形成されていますが、荒地、耕作地も多く存在しており、崖地のハンノキ林や崖地下の良好な湿地環境の保全を図りながら、治水事業の掘削とあわせ、荒地、耕作地となっている場所においてできる限り動植物の生息環境や湿地環境等の創出を図っていくこととしています。

整備にあたっては、学識経験者及び地域住民の意見を聴きながら実施手法の検討を行い進めていきます。
 稲戸井調節池の越流堤については、早期完成を目指し事業を進めていきます。
稲戸井調節池: 洪水時に雨水をため、利根川下流部への流量を減らすのが目的。
守谷、取手両市にまたがり、面積は約4・5平方キロ。
掘削事業は、洪水調節容量を今の約1900万トンから800万トン増やす。

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土手下まで溢れた取手の利根川

2019年10月13日 07時12分18秒 | 日記・断片

ほとんど寝た感じがしないで、朝を迎えた。
午前2時からテレビでニュースや将棋番組を観る。
午前4時に水路(東6丁)を見に行く。
昨夜は水が3分の2ほどに溢れていたが、今朝は10分の1ほどに減っていた。
水の減り方に驚く。
午前5時30分利根川へ行く。
吉田さんが堤防に居た。
東の空が赤らんでいた。
やがて鈴木さんと西田さんが川下の方から歩いてきた。
「良かったね」
「そうですね。築40年の家ですから、壊れるかと思いました」
「どこの家の瓦も無事だったね」
「凄い暴風でした」
まだ、薄暗いので、土手下まで溢れた利根川は鮮明に見えない。
午前6時30分に、また利根川の堤防まで行く。
富士山が見えて、スマフォのカメラで川に向かって映していえる人も数人。
台風一過の快晴となる。

ガラスにテープを貼り割れるのを予防

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