「第28回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」が10月11日~14日の日程で開催される。
グランプリ出場をかけたタイトル争いも残すところ、あと2大会。
後半戦に入り、賞金争いも熱を帯びてきた。前橋競輪場を舞台に、高速バトルが繰り広げられる。
平原康が今年初の頂点へ
ここは平原康多が優勝争いをリードする。前半戦から成績は安定していたが、方向性が見えてきた今年中盤からギアが一段上がった感じ。
6月久留米記念で今年の初優勝を飾ると、8月西武園記念でも優勝。6月高松宮記念杯から4連続でビッグの優出を決めている。
今年のG1を勝っている脇本雄太、新田祐大に深谷知広らナショナルチームのメンバーが不在で、直接対決はグランプリまでお預け。
賞金ランクでも圏内につけているが、ここでタイトルを獲って胸を張って出場を決めるか。サマーナイトで優出した吉田拓矢をはじめ、吉澤純平、鈴木竜士と関東勢は機動型も豊富。地元の木暮安由、諸橋愛もビッグ連続優出と乗れている。ただ武田豊樹は9月岐阜記念の落車で鎖骨骨折。出場できるかどうかは微妙だ。
若手の躍進で層が厚くなった中四国勢は地区別では最多の23名が出場する。S班の清水裕友に松浦悠士、太田竜馬はタイトルが手の届くところまできている。
オールスターのシャイニングスター賞では中四国勢4車で結束したが、誰も決勝には勝ち上がれなかった。今後はいかに多くの選手が決勝に勝ち上がるかが鍵になりそう。前記の3人は賞金ランク上位につけており、初タイトルもそうだが、グランプリ争いという点でも注目を集める。売り出し中の宮本隼輔に追い込みでは今年G1で2度優出の小倉竜二や渡部哲男もいる。
中四国勢が一丸となって覇権奪取に挑む。
郡司浩平も初タイトルへ機は熟した。高松宮記念杯の落車で2カ月の欠場はあったが、復帰戦のオールスターで優出すると小田原記念、共同通信社杯を連覇。万全の状態で復帰したことは明らかだが、場所ごとに調子を上げている印象だ。渡邉雄太、和田真久留に簗田一輝と南関勢にはスピード自慢の若手機動型がそろっている。
それぞれが持ち味を発揮できれば台風の目になれるはずだ。
渡邉一成は調子と成績が結びつくようになってきた。8月玉野で優勝してからはGレースでも4連続で優出。過去に前橋では好戦歴が多い点も強調材料になる。山崎芳仁、佐藤慎太郎も文句なしの実力者で、現在賞金ランク3位につける佐藤の安定感には目を見張るものがある。新山響平も注目の一車。
ナショナルチームで強化されたスピードが前橋の33バンクで花開くか。
浅井康太は9年連続のS班へ、残るG1は2大会となった。
要所で落車、失格があり、流れに乗れなかったのが苦戦の原因で、今回も優勝候補の一角を占める存在であることは間違いない。後半戦へ向けて調子も上げてきている感じで、今年ここまでにたまったうっ憤を大舞台で晴らすか。
中部勢では柴崎淳の気配がいい。上位陣とも互角に渡り合えるスピードで2度目のG1ファイナルを目指す。
九州勢は精鋭ぞろい。中心はG1戦2Vの中川誠一郎だが、山崎賢人のダッシュを生かした攻めや山田英明、松岡貴久の高い総合力も魅力だ。それぞれの個性が生かされれば少数とはいえ侮れない勢力となる。
近畿勢も陣容豊富。S班の三谷竜生や古性優作がかみ合ってきて強さを発揮なら盛り上がる。