2021.4.22 05:02
阪神、先制神話崩壊…矢野監督「全体的にやることやった負け」
近本は一回、先頭打者弾を放つ。これで勝った! と思ったけど…。(撮影・桐原正道)
下を向く必要はない! 阪神は巨人に2-3で逆転負けし、連勝が8で止まった。開幕から先制すれば必ず勝っていたが、それも17戦目でストップ。それでも矢野燿大監督(52)は「全体的にやることやった負け」と前向きに受け止めた。
球審の右手が上がった約30秒後、虎のリードオフマンの鋭い打球も、虎の“勝率”もグングン上がった。開幕から前夜まで先制すれば16連勝してきた虎に、近本の2号先頭打者アーチがあっという間にパワーを与えた。やはり神話は続くのか!? と最後まで思わせた戦いぶりに、矢野監督は力強く前を向いた。
虎神話
阪神が先制16勝0負
近本が初回得点5勝0負
球場が首都圏7勝0負
阪神が本塁打13勝0負
マルテが打点6勝0負
「全体的にやることやった負けかと受け止めています」
近本の一発から1死を挟み、今季打点を挙げれば6連勝中だったマルテも6号ソロ。連勝を8まで伸ばしてきたナイン全員で勝てる、勝ちたいという思いは全開だった。
六回に2-3と勝ち越され、連勝中に一度も相手にリードを許さなかった虎は8日の巨人戦(甲子園)以来、実に9試合&78イニングぶりにビハインドに立たされた。ズルズル引き下がってもおかしくないところで、今季の矢野虎は耐えた。
七回には2番手・小林が自身の失策も絡んで1死一、二塁のピンチを背負った。2発3安打の岡本和を迎えたが、中前へ抜けようかという当たりにD6位・中野(三菱自動車岡崎)がグラブを伸ばし、二塁へバックトスして併殺を完成させた。八回には3番手の馬場が1死満塁としたが、高いバウンドの一ゴロをマルテが懸命にさばいて本塁封殺してみせた。
振り返ればもちろん、1点リードしていた三回無死三塁で無得点に終わった場面は口惜しい。1点ビハインドの九回の先頭打者を託したD1位・佐藤輝(近大)も、ビエイラの前にフルカウントから空振り三振に倒れ、神話継続の予感は現実のものとはならなかった。
だが、指揮官は「みんな積極的にいった結果やから、こっちとしても受け止めているし。馬場も今季初登板のところで粘ってくれたし」と評価。貯金は11、ゲーム差は3になったが、22日は八回途中2安打無失点で白星を献上した高橋を打って、勝ち越しを決める。
「プロである以上、やられたらやり返すというのは当たり前のこと。まあでも、そういう野球ができているんで、そこは心配はしていない」
戦い抜けば、神話はまたできる。神話より頼もしいナインを、再確認した負けになった。(長友孝輔)