阪神タイガースファンの一人として、「今年こそ優勝!」と高揚する年はない。
実は、球太郎は祖父、父以来の大の阪神タイガースファンなのである。
茨城県取手に生まれ育った根本球太郎の家族たちが、巨人ジャイアンツのファンではなく、なぜ阪神タイガースファンになったのか?
それは、祖父の思想的信条というより、長らく読売新聞の記事の論調に反発したためである。
祖父は、毎日新聞の論調に傾倒していたために、読売新聞の販売人が新聞の購読勧誘に来ても、常に冷たくあしらっていた。
だが、皮肉にも球太郎の妻の親戚筋には、読売新聞当時の 社主の正力松太郎の存在があった。
「あの、正力松太郎さんが、お前さんの祖父の従兄!?」球太郎は今でも、そのことには半信半疑であった。