〈トラウマ問題はすべて私たちの問題である〉
その諸相と治療への道を具体的に描いた本書は〈バイブル〉とまで呼ばれている。
ここに「外傷の弁証法は続いている」
の章を付し、新たにおくる。
〈本書はつながりを取り戻すことに関する本である。
すはわち、公的世界と私的世界とのつながりを取り戻す本である。
レイプ後生存者と戦闘参加帰還兵との、被殴打女性と政治犯と、
多数の民族を支配した暴君が生みだした強制収容所の生存者と自己の家庭を支配する暴君が生みだした
隠れた小強制収容所の生存者とのコミュニケーションを図る本である〉(序文より)
あらゆる心的外傷(トラウマ)の諸相とその治療への方向性を具体的・情熱的に示した本書は、
初版刊行以来、世界中の読者から感動をもって迎えられ、現在ではトラウマ問題の「バイブル」の地位をゆるぎないものにしている。
しかし、被害者をはじめ、この問題に対する取り組みは
まだ始まったばかりであり、事態は流動的である。
本書は、現下の問題への提起を書き下ろした一章「外傷の弁証法は続いている」を加えた増補版である。
「心的外傷」という主題は、すべての〈私〉の問題であり〈あなた〉の問題であり〈私たち〉の問題である。
この国の多くの人に読み継がれることを願い、新たに世に送る。
小西聖子 解説
その諸相と治療への道を具体的に描いた本書は〈バイブル〉とまで呼ばれている。
ここに「外傷の弁証法は続いている」
の章を付し、新たにおくる。
〈本書はつながりを取り戻すことに関する本である。
すはわち、公的世界と私的世界とのつながりを取り戻す本である。
レイプ後生存者と戦闘参加帰還兵との、被殴打女性と政治犯と、
多数の民族を支配した暴君が生みだした強制収容所の生存者と自己の家庭を支配する暴君が生みだした
隠れた小強制収容所の生存者とのコミュニケーションを図る本である〉(序文より)
あらゆる心的外傷(トラウマ)の諸相とその治療への方向性を具体的・情熱的に示した本書は、
初版刊行以来、世界中の読者から感動をもって迎えられ、現在ではトラウマ問題の「バイブル」の地位をゆるぎないものにしている。
しかし、被害者をはじめ、この問題に対する取り組みは
まだ始まったばかりであり、事態は流動的である。
本書は、現下の問題への提起を書き下ろした一章「外傷の弁証法は続いている」を加えた増補版である。
「心的外傷」という主題は、すべての〈私〉の問題であり〈あなた〉の問題であり〈私たち〉の問題である。
この国の多くの人に読み継がれることを願い、新たに世に送る。
小西聖子 解説
「トラウマ問題はすべての私たちの問題である」その諸相と治療への道を具体的に描いた本書は“バイブル”とまで呼ばれている。ここに「外傷の弁証法は続いている」の章を付し、新たにおくる。
レイプ、児童虐待、ホロコースト、家庭内暴力、戦闘参加帰還兵など、具体的な様々な症例を通して、トラウマの諸相とその治療のあり方を描く。96年刊に「外傷の弁証法は続いている」の章を付した増補版。
現在ハーバード大学医学部精神科名誉教授、マサチューセッツ州ケンブリッジ病院における犯罪被害者向けの治療プログラムVictims of Violence Programを立ち上げから三十年以上にわたって指揮した。
中井 久夫
1934年生まれ。1959年、京都大学医学部卒業。はじめウイルス研究者。東大分院において精神科医となる。神戸大学名誉教授。1985年、芸術療法学会賞、1989年、読売文学賞(翻訳研究賞)、1991年、ギリシャ国文学翻訳賞、1996年、毎日出版文化賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ヴァレリー詩集 コロナ/コロニラ (ISBN-13: 978-4622075455 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
“復讐のように許しの幻想も残酷な拷問をもたらしかねない。それはふつうの人間の大部分には実行できないものであるからだ。また、神の許しでさえも、ほとんどすべての宗教体系をみれば、決して無条件ではない。”
この部分に救われました。復讐も許しもできなくて当然。と、この道の権威が断言してくれたことは、たくさんのサバイバーの背中を押すでしょう。
自分にできるのは加害者と付き合い続けるかどうかの判断だけ。その後のことは何か別の力の及ぶところで、それも加害者の行い次第である。と思うと肩の荷が降りた気分です。
そして関係を続けることも、多くは難しいと書かれています。
増補版と元版どちらも読みましたが、見たところ156ページの和訳が一文だけ少し読みやすくなっていることと、終章が書き足されていること以外は同じです。
終章は出版後5年を経てのトラウマ治療への向かい風等について書かれていますが、”身体はトラウマを記録する”、ポリヴェーガル理論関連の本などを読むとさらにその先の経過までたどれるので、無ければ無いで良いのではないかと思います。
希少な本なので、どうしても手に入らない場合は元版を読まれても良さそうです。
内容が古いので書かれている治療法の選択肢はまだ少なく、グループ内の会話例や治療効果については疑問も残りましたが、勇気をもらえた本でした。
原因がわかることで回復するというよりは、そこが回復へのスタートラインなのかなと思います。
訳も丁寧で見返しやすいよう工夫されており、愛情を持って作られた本でした。
勇気のいる1冊です。
2・3ページ読みましたが
(自分自身がとても興味があったので購入に至りました。)
内容ですがとても難しくて頭に入って来ませんでした
何も手につかなくなったらまた読んでみようと思います。
読んでみたらきっとわたしには大切な1冊だと思います。
回復も時間のかかることでしょう。
わたしも回復に向かうように、頑張ります。
2・3ページ読みましたが
(自分自身がとても興味があったので購入に至りました。)
内容ですがとても難しくて頭に入って来ませんでした
何も手につかなくなったらまた読んでみようと思います。
読んでみたらきっとわたしには大切な1冊だと思います。
回復も時間のかかることでしょう。
わたしも回復に向かうように、頑張ります。
初めて読んだ当時は本当に驚愕した。
私の様に虐待被害を受けた方は特に監禁状態の項を読んで見て欲しい。
逃げたくても逃げられない状態で自分の心にどのような変化が起きたのか、どう変わってしまったのか、よく解り整理出来るようになります。
また、虐待やいじめにあって来た方なら誰でも体験していることですが、皆さんも辛い思いをする中で何とか生き抜くために自分のことより相手がどう思うかを気にするようになられたはず。
親やいじめの加害者の動向を気にせざるをえなかったはず。
自分の気持ちより相手にどう思われるか?を大切にするようになる(すなわち虐待的な環境を体験すると自己愛・・・ナルシシズムの障害が生じる)のは外傷環境では生きるために避けて通れないことなのですが、それが悲惨な環境をぬけだした後も被害者に付いて回り自分らしく生きられなくなるんですね。
トラウマ体験(特に対人による)後の内面の生きづらさの中核にナルシシズムの障害があることに疑いの余地は無いです。
トラウマを被ったすべての方にナルシシズム、自己愛障害の勉強をすることを強く薦めたいです。
またこの本は心的外傷、PTSDがもたらす心理面での変容を主として述べている本ですので、生物学的、科学的な根拠が知りたい方はボストン大学精神医学部教授のベッセル・A・ヴァン・デア・コーク先生の著書が素晴らしいのでお薦め。
ともかく本書が今後もPTSDのバイブルであり続けることは疑いの余地が無いでしょう。
私の様に虐待被害を受けた方は特に監禁状態の項を読んで見て欲しい。
逃げたくても逃げられない状態で自分の心にどのような変化が起きたのか、どう変わってしまったのか、よく解り整理出来るようになります。
また、虐待やいじめにあって来た方なら誰でも体験していることですが、皆さんも辛い思いをする中で何とか生き抜くために自分のことより相手がどう思うかを気にするようになられたはず。
親やいじめの加害者の動向を気にせざるをえなかったはず。
自分の気持ちより相手にどう思われるか?を大切にするようになる(すなわち虐待的な環境を体験すると自己愛・・・ナルシシズムの障害が生じる)のは外傷環境では生きるために避けて通れないことなのですが、それが悲惨な環境をぬけだした後も被害者に付いて回り自分らしく生きられなくなるんですね。
トラウマ体験(特に対人による)後の内面の生きづらさの中核にナルシシズムの障害があることに疑いの余地は無いです。
トラウマを被ったすべての方にナルシシズム、自己愛障害の勉強をすることを強く薦めたいです。
またこの本は心的外傷、PTSDがもたらす心理面での変容を主として述べている本ですので、生物学的、科学的な根拠が知りたい方はボストン大学精神医学部教授のベッセル・A・ヴァン・デア・コーク先生の著書が素晴らしいのでお薦め。
ともかく本書が今後もPTSDのバイブルであり続けることは疑いの余地が無いでしょう。