心的外傷と回復

2023年08月15日 15時36分00秒 | 社会・文化・政治・経済
〈トラウマ問題はすべて私たちの問題である〉
その諸相と治療への道を具体的に描いた本書は〈バイブル〉とまで呼ばれている。
ここに「外傷の弁証法は続いている」
の章を付し、新たにおくる。

〈本書はつながりを取り戻すことに関する本である。
すはわち、公的世界と私的世界とのつながりを取り戻す本である。
レイプ後生存者と戦闘参加帰還兵との、被殴打女性と政治犯と、
多数の民族を支配した暴君が生みだした強制収容所の生存者と自己の家庭を支配する暴君が生みだした
隠れた小強制収容所の生存者とのコミュニケーションを図る本である〉(序文より)


あらゆる心的外傷(トラウマ)の諸相とその治療への方向性を具体的・情熱的に示した本書は、
初版刊行以来、世界中の読者から感動をもって迎えられ、現在ではトラウマ問題の「バイブル」の地位をゆるぎないものにしている。
しかし、被害者をはじめ、この問題に対する取り組みは
まだ始まったばかりであり、事態は流動的である。


本書は、現下の問題への提起を書き下ろした一章「外傷の弁証法は続いている」を加えた増補版である。
「心的外傷」という主題は、すべての〈私〉の問題であり〈あなた〉の問題であり〈私たち〉の問題である。
この国の多くの人に読み継がれることを願い、新たに世に送る。

小西聖子 解説
 
「トラウマ問題はすべての私たちの問題である」その諸相と治療への道を具体的に描いた本書は“バイブル”とまで呼ばれている。ここに「外傷の弁証法は続いている」の章を付し、新たにおくる。
 
レイプ、児童虐待、ホロコースト、家庭内暴力、戦闘参加帰還兵など、具体的な様々な症例を通して、トラウマの諸相とその治療のあり方を描く。96年刊に「外傷の弁証法は続いている」の章を付した増補版。
 
ジュディス・ルイス・ハーマンJudith Lewis Herman1942年 - )はアメリカ合衆国精神科医
現在ハーバード大学医学部精神科名誉教授、マサチューセッツ州ケンブリッジ病院における犯罪被害者向けの治療プログラムVictims of Violence Programを立ち上げから三十年以上にわたって指揮した。
 
 
 
 
 
 
 
 

 


利根輪太郎の競輪人間学 本命◎が消える

2023年08月15日 15時36分00秒 | 未来予測研究会の掲示板

FⅠ 宇都宮競輪 KEIRINライジングスターズ

初日(8月15日)

8レース

並び予想 2-7 4-1 5-3-6

レース評

阿部が捲り兼備の前々勝負から抜け出しを図る。続くのは鹿内。仲野の飛び出しが見え、ペース駆けに持ち込むと押し切りも。

1番人気 2-7(2・9倍)2番人気 2-4(7・6倍)
3番人気 2-1(11・3倍)
4番人気 2-5(12・7倍)
 
利根輪太郎は、本命の2-7を外して、2-1ー4 2-1-5
2-4-1 2-4-5の3連単で勝負していた。
 
本命の2番◎は、多く競輪競輪ファンから高く支持されていた。
 
だが、2番は捲るも4番に張れて、結果は5着で惨敗!
まさかの、5-4-1とは、競輪は筋書きどおりにはいかない!
 
結果 5-4 8,340円(20番人気) 5-4-1 3万5,520円(88番人気)
 



選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 5 磯川 勝裕   14.2 B  
× 2 4 仲野 結音 1車身1/2 14.3    
3 1 山本 巨樹 3/4車身 14.3      
  4 6 太刀川 一成 1/2車身 14.1   S  
5 2 阿部 拓真 1/8車輪 14.3      
6 3 川口 直人 2車身 14.0      
7 7 鹿内 翔 3/4車身 14.4

9レース

並び予想  6-1 2-4 5-3-7

レース評

川越に3人ライン完成。好機に仕掛けて押し切りたい。二藤の番手差しは互角。伊藤−石川の関東連係も隙を見つけ反撃。

1番人気 3-5(3・9倍)

2番人気 5-3(4・2倍)

1番人気 5-3-7(7・2倍)

2番人気 3-5-7(7・8倍)

 

結果

3-7 1,620円(5番人気)

3-7-4 1万1,340円(32番人気)
 



選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 3 二藤 元太   14.3   中突き伸び
2 7 須藤 悟 3/4車身 14.3   マーク続く
3 4 石川 裕二 1/2車身 14.7     番手掬われ
× 4 2 伊藤 慶太郎 1車輪 14.8   B 叩き末欠く
5 5 川越 勇星 微差 14.5     3番手不発
6 1 森川 大輔 1/2車身 14.2   S 目標共倒れ
  7 6 吉川 希望 2車身 14.6     6番手不発

こころの病気について知る

2023年08月15日 10時50分34秒 | その気になる言葉

こころの病気について知る

こころの病気といえば、うつ病をイメージする人が多いかもしれません。しかし、こころの病気にも様々な種類や症状があります。

たとえば、気持ちの変化よりも、体のほうに症状が出てくる場合もあります。治療法もそれぞれ同じではありません。

また、同じ病名でも、子どもや若者の場合と大人とでは、症状の出方やケア・治療の方法が異なることもあります。

ここでは、子どもたちや若者に多いこころの病気の特徴や治療法をご紹介しています。

うつ病

失恋したり、友達とケンカしたり、試験で失敗したり……毎日の生活の中でショックな出来事は、誰にでもあること。そんなときは誰だってつらく、悲しい気持ちになりますが、普通は数日もしたら、少しずつ前向きな気持ちを取り戻せるもの。
ところが何週間も、しかも一日中ずっと、そのような状態が続いているとしたら、それはもしかしたら「うつ病」なのかもしれません。気になる症状が続くときは、専門家に相談することが必要です。

うつ病とは

うつ病は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減ってしまう病気だと考えられています。これらの神経伝達物質は精神を安定させたり、やる気を起こさせたりするものなので、減少すると無気力で憂うつな状態になってしまいます。
ですから、うつ病は決して怠けているわけでも、気の持ちようで何とかなるものでもありません。しかも、うつ病は日本人の約15人に1人が一生のうちにかかるという非常にありふれた病気です。早めに適切な治療を受けることが必要です。

うつ病の特徴

次のうち5つ以上(1か2を含む)が2週間以上続いていたら、専門家に相談することをお勧めします。

  1. 悲しく憂うつな気分が一日中続く
  2. これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
  3. 食欲が減る、あるいは増す
  4. 眠れない、あるいは寝すぎる
  5. イライラする、怒りっぽくなる
  6. 疲れやすく、何もやる気になれない
  7. 自分に価値がないように思える
  8. 集中力がなくなる、物事が決断できない
  9. 死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う

うつ病の症状は、始めのうち、こころの不調ではなく体の不調や行動の問題として現れることがほとんどです。とくに思春期にはそうした傾向がより強いといわれます。食欲や睡眠に現れるだけでなく、体がだるい、生気がない、頭痛・めまい・吐き気といった体の症状、ひきこもりやリストカット、暴力や攻撃的な行動などとして表現されることもあります。
また、うつ病の症状は、朝の調子がいちばん悪く、午後から夕方にかけて改善してくることがよくあります。朝なかなか起きられず学校を休んだものの、午後からは具合がよさそうに見えると、周囲からはちょっとサボっているだけに見えるかもしれません。

治療法について

うつ病の治療には、落ち込んだ気分を和らげ、睡眠リズムを改善する効果をもつ抗うつ薬を中心に、必要に応じて不安感を和らげる抗不安薬なども使われます。ストレスを和らげたり、自分を責める考え方を変化させたりするカウンセリングも行われます。
「自分はいないほうがよい」「消えてしまいたい」といった気持ちになることがありますが、そんな気持ちになるのも病気が原因。しっかり治療することで症状は改善します。

 

不安障害

大勢の人の前で話すときや大事な試験のとき、緊張して汗をかいたり、心臓がドキドキしたりするのは当たり前の反応です。でも心配や不安が過度になりすぎて、日常生活に影響が出ていたら、それは不安障害かもしれません。不安障害は、精神的な不安から、こころと体に様々な不快な変化が起きるものです。ひとくちに不安障害といっても様々な病気があるので、代表的なものをご紹介します。

パニック障害

突然理由もなく激しい不安に襲われて、心臓がドキドキする、めまいがしてふらふらする、呼吸が苦しくなるといった状態となり、場合によっては死んでしまうのではないかという恐怖を覚えることもあります。このような発作的な不安や体の異常な反応は「パニック発作」と呼ばれており、パニック発作がくりかえされる病気をパニック障害と呼んでいます。
パニック発作では、次のような症状が突然表れて、10分以内にピークに達します。

  • 動悸がする、心拍数があがる
  • 汗が出る
  • 体が震える
  • 息切れがする、息苦しい
  • 窒息する感じがする
  • 胸が痛い、胸苦しさがある
  • 吐き気、おなかの苦しさ
  • めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ
  • 現実でない感じ、自分が自分でない感じ
  • 自分がコントロールできない、変になるかもしれないことへの恐怖
  • 死ぬことへの恐怖
  • 感覚まひ、うずき
  • 冷たい感覚、あるいは熱い感覚がする

パニック障害では、パニック発作になったときの苦しさや怖さから、「また発作が起きたらどうしよう」と心配になることが多く、これを「予期不安」といいます。予期不安を感じて、電車や人混みを避ける、頼れる人がいない状況や一人で出かけることを避ける、あるいはエレベーターなど逃げられない場所を避けるようになることがあります。

社会不安障害(社会恐怖)

人に注目されることや人前で恥ずかしい思いをすることが怖くなって、人と話すことだけでなく、人が多くいる場所(電車やバス、繁華街など)に、強い苦痛を感じる病気です。怖さのあまりパニック発作を起こすこともあります。失敗や恥ずかしい思いがきっかけになることも多いのですが、思春期の頃は、自分で自分の価値を認められなかったり自分に自信がもてなかったりすることから起きてくる場合も多くあります。
社会不安障害では、自分でも、そんなふうに恐怖を感じるのは変だなとわかってはいるけれど、その気持ちを抑えることが難しくなります。徐々に、恐怖を我慢しながら生活したり、外出や人と会うこと(怖いと感じること)を避けるようになったりします。

強迫性障害

つまらないことだとわかっていてもある行為をやめられず、くりかえし同じことをしていないと不安でたまらなくなります。
たとえば「くりかえし手を洗い続ける」「火の元や戸締りを何度も確認する」「階段や電信柱など気になった数や、頭に浮かんだ数字を数え続ける」といったものがあります。
自分でも不合理だとわかっていても、しないではいられない「強迫行為」をくりかえすことに時間がかかってしまって、学校や日常での生活に影響が出てくることがあります。

全般性不安障害

学校のことや家族・友達のこと、生活上のいろいろなことが気になり、極度に不安や心配になる状態が半年以上続きます。
不安だけでなく、落ち着きがない、疲れやすい、集中できない、イライラする、筋肉が緊張している、眠れないといった症状もみられます。

治療について

不安障害の治療は、薬物療法とカウンセリングが中心になります。薬は、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などが使われます。また認知行動療法といわれるカウンセリングでは、こころと体をリラックスさせる、苦手なモノや場所に少しずつ慣れさせていく、極端な考え方のクセを見直すといったことをやっていきます。こうした治療を通じてストレスを軽くし、不安や恐怖に対処できるようなサポートを受けながら、苦手なことに段階的にチャレンジして、自信を取り戻すことが回復につながっていきます。

 

 

 

 

こころの病気について知る

2023年08月15日 10時48分18秒 | その気になる言葉

こころの病気について知る

こころの病気といえば、うつ病をイメージする人が多いかもしれません。しかし、こころの病気にも様々な種類や症状があります。

たとえば、気持ちの変化よりも、体のほうに症状が出てくる場合もあります。治療法もそれぞれ同じではありません。

また、同じ病名でも、子どもや若者の場合と大人とでは、症状の出方やケア・治療の方法が異なることもあります。

ここでは、子どもたちや若者に多いこころの病気の特徴や治療法をご紹介しています。

うつ病

失恋したり、友達とケンカしたり、試験で失敗したり……毎日の生活の中でショックな出来事は、誰にでもあること。そんなときは誰だってつらく、悲しい気持ちになりますが、普通は数日もしたら、少しずつ前向きな気持ちを取り戻せるもの。
ところが何週間も、しかも一日中ずっと、そのような状態が続いているとしたら、それはもしかしたら「うつ病」なのかもしれません。気になる症状が続くときは、専門家に相談することが必要です。

うつ病とは

うつ病は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減ってしまう病気だと考えられています。これらの神経伝達物質は精神を安定させたり、やる気を起こさせたりするものなので、減少すると無気力で憂うつな状態になってしまいます。
ですから、うつ病は決して怠けているわけでも、気の持ちようで何とかなるものでもありません。しかも、うつ病は日本人の約15人に1人が一生のうちにかかるという非常にありふれた病気です。早めに適切な治療を受けることが必要です。

 


道は自分で創るしかない

2023年08月15日 09時32分27秒 | その気になる言葉

▼戦争がないだけでは、幸せとはいえない。

人間が人間らしく、希望に燃え、はつらつと生きてこそ真の平和なのだ。

▼道は自分で創るしかない。

▼平和と公正をすべての人に―持続可能な開発目標。

▼戦争の最大の被害者は、いつの時代も、子どもなど弱い立場の人たち。

▼戦争だけでなく、世界では子どもたちがさまざまな形で「暴力」の被害に遭っている。

▼いろいろな方法で子どもたちが搾取されたり、抑圧されたちしている。

▼「少年兵」として戦場に送り込まれている子もいる。

▼人身売買は、紛争地域だけではなく、あらゆる場所でおきている。

貧困が原因となっている場合が多い。

「児童労働」とも深く関わる問題だ。

▼日本では児童虐待が大きな課題だ。

 


不屈の探求心で挑む教育

2023年08月15日 08時06分16秒 | その気になる言葉

▼<いつも応援してくれる>

<見守られている>との安心感こそが、子どもの成長の力となる。

子どもの話に耳を傾ける語らいを。

▼人生の師と弟子との間に<信頼>を通わせる教育で、学問を深める。

▼常に、楽しく、わかりやすく、しかも能率的に学び合うのが教育の基本である。

▼不屈の探求心で挑む教育。

▼絶望の淵に陥る。

だが、太陽が昇れば、闇は消える。

苦悩が「ぱっ」と消える時が、必ずあるはずだ。

▼子ども二人も失った友人。

その喪失感は消えない。しかし、<悲哀に負けない自分になれた>と前を向く。

▼希望は私たちが使い果たせない財産だー作家・スティーヴンソン

ロバート・ルイス・スティーヴンソン(Robert Louis Stevenson、1850年11月13日 - 1894年12月3日)は、イギリススコットランドエディンバラ生まれの小説家詩人エッセイストである。代表作に冒険小説宝島』『ジキル博士とハイド氏』など。

 


映画 終電車

2023年08月15日 07時35分26秒 | 社会・文化・政治・経済

8月14日午前4時からCSテレビのムービープラスで観た。

『終電車』(Le Dernier Metro)は、1980年のフランスの歴史ドラマ映画。
監督はフランソワ・トリュフォー、出演はカトリーヌ・ドヌーヴとジェラール・ドパルデューなど。
トリュフォー監督の最大のヒット作である。
 
第6回セザール賞(フランス語版)では主要十部門(作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、主演男優賞、撮影賞、音響賞、編集賞、美術賞、音楽賞)を受賞し、第53回アカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされた。
 
 
第二次大戦中ナチス占領下のパリ。モンパルナス劇場支配人兼主演女優マリオン(カトリーヌ・ドヌーブ)は、元支配人のユダヤ人夫ルカが演出した新作戯曲を成功させるべく、別の劇場で人気が鰻登りの俳優ベルナール(ジェラール・ドパルデュー)を新しく雇い入れるのだが…

夜間外出禁止令が出されていたパリでは、上演が終わるとみな終電に間に合うよう家路を急いだことからこの映画タイトルがつけられたという。
ある者は暖をとるために、ある者は戦争の憂さ晴らしに劇場に足を運んだという。
一時はトリュフォーと同棲をしていたこともあるドヌーブをはじめから想定して書き下ろされた本作は、その年のセザール賞を独占、最も人気のあるトリュフォー作品となったそうな。

映画関係者にまつわるゴシップネタをそのまま作品に落とし込んだ複数のシークエンスは、なるほどフランス人映画批評家受けしそうな演出ではあるが普遍性には欠けており、それを知らない外国人が見てもおそらくチンプンカンプンだろう。
劇中劇と映画本編のストーリーとの絡みも極めて稀薄、相変わらず映画の行間を埋める饒舌すぎるナレーションにも最後まで馴染むことはできなかった。

映画に登場する毒舌批評家みたいなことをつい書いてしまったが、特筆すべきはヒロイン=ドヌーブのこの映画に対する体温の低さにある。
トリュフォーの分身であろうルカとベルナールそれぞれに下半身をまさぐられるラブ・シーンが用意されているのだが、愛の欠片も感じられないクールな表情を片時も崩そうとしないドヌーブ。
その冷ややかな眼差しから、傍らでカメラをのぞくトリュフォーに対する感情が、そこはかとなく漂ってくるのである。

それを象徴するのが、ベルナールが劇を酷評した批評家にからんだことに腹を立て、ドヌーブがドパルドューに肘打ちを食らわすシーンである。
オペラ座の怪人のごとく地下室にこもりながら二人の台詞のやりとりに耳をすませていたルカは、カメラを回しながら若かりし頃の同棲生活を思い起こしていたであろうトリュフォーその人ではなかったのか。
ちなみに劇中劇で何度もリフレインされるラストの台詞は、ドヌーブとトリュフォーが始めて出会った時の映画『暗くなるまでこの恋を』からの引用である。

「愛は苦しいもの?」
「そう、愛は苦しい」
「でも、きのうは歓びだと…」
「愛は歓びであるとともに苦しみだ」

と、ここまでは普通の映画の見方。もしかしたらこの映画、カトリーヌ・ドヌーブという女優の複雑性を表現することに主眼があったのではないだろうか。
映画ラストの解釈についてはいろいろな意見がおありかと思われるが、最初から最後までラストシーンが結末になっている(劇中劇を内部に取り込んだ三重構造の)一つのお芝居をずっと映し出していたのではないか。

(1)ルカを愛する貞淑な劇場支配人
(2)劇中劇を通してベルナールに浮気心を抱いてしまった女
(3)(1)(2)を演じ分け観客のスタンディング・オベーションにラスト破顔一笑で応える舞台女優

(舞台以外の)モンパルナス劇場における登場人物たちのどこか含みのある演技や、「二つの顔」等のベルナールによる意味深な台詞も、三つの顔を持つ女をドヌーブが演じ分けていたと考えると、妙に合点がいくのである。
女優の複雑な本質を劇中劇中劇という三重構造で表現して見せたトリュフォー、この男やはり匠の名にふさわしいい。
 
ストーリー
ナチス占領下のパリ。
南米に逃亡したユダヤ人で、支配人兼演出家だった夫に代わり、女優マリオンはモンマルトル劇場を切り盛りしていることになってはいたが、その実、夫ルカは劇場の地下に潜み、夜の妻の訪問だけを楽しみに国外脱出の機会を待つ身だった。
現在の演出家ジャン=ルーはドイツ軍にも顔がきき、御用評論家とも親しい。
相手役ベルナールはレジスタンスと通じているらしい。
そして新作『消えた女』は好評を持って迎えられるが、評論家ダクシアは芝居をユダヤ的と非難する。
それを怒ったベルナールは偶然居合わせた彼を殴りつける。
劇場存続に賭けるマリオンは愛を感じ始めていたベルナールを遠ざけねばならない。そんな折、いよいよレジスタンスの参加を決意したベルナールが劇場を去ろうとすると、抜き打ちのゲシュタポの捜査が入る。
マリオンはベルナールを地下に向かわせ夫を救う。
初対面の彼にルカは、妻は君に夢中なのだ、と告げる。
その夜、ベルナールとマリオンは結ばれる。劇場は解放の日まで執念の上演を続け、ルカは800日ぶりに陽の光を浴びる。
 
キャスト
マリオン・シュタイナー カトリーヌ・ドヌーヴ
ベルナール・グランジェ ジェラール・ドパルデュー 
ジャン=ルー・コタンス ジャン・ポワレ(フランス語版) 
ルカ・シュタイナー ハインツ・ベネント(ドイツ語版) 
ナディーヌ・マルサク サビーヌ・オードパン(フランス語版)
ダクシア ジャン=ルイ・リシャール  
アルレット・ギヨーム アンドレア・フェレオル(フランス語版) 
レイモン モーリス・リッシュ 
ジェルメーヌ・ファーブルポーレット・デュボスト
メルランマルセル・ベルベール(フランス語版)

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解説

フランスの名匠フランソワ・トリュフォーが、ナチス占領下のパリで文化の灯を守るため奮闘する演劇人たちの姿を、ロマンスを絡めながらサスペンスフルに描いたドラマ。

1981年・第6回セザール賞で作品賞・監督賞など10部門を総なめし、トリュフォー最大のヒット作となった。

1942年、ドイツ軍に占領されたパリ。

モンマルトル劇場の看板女優マリオンは、ユダヤ人であるため国外へ逃れた支配人兼演出家の夫ルカに代わって劇場を切り盛りしている。

実はルカは劇場の地下に身を潜めており、毎夜のマリオンの訪問を心待ちにしていた。

しかしマリオンは、新作舞台で相手役に起用された新人俳優ベルナールに惹かれていく。ヒロインのマリオンをカトリーヌ・ドヌーブ、新人俳優ベルナールをジェラール・ドパルデューが演じた。

1981年製作/131分/G/フランス
原題:Le dernier metro
配給:KADOKAWA
日本初公開:1982年4月10日

スタッフ

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映画 突然炎のごとく

2023年08月15日 06時02分08秒 | 社会・文化・政治・経済

8月15日午前4時からCSテレビのザ・シネマで観た。

突然炎のごとく | Untitled
ジャンヌ・モロー

8月15日午前4時からCSテレビのザ・シネマで観た。


突然炎のごとく』(フランス語Jules et Jim, 「ジュールとジム」の意)は、フランソワ・トリュフォーの監督による、1962年フランスの長編映画である。

トリュフォー監督の長編3作目、日本では、1999年(平成11年)に『突然炎のごとく ジュールとジム』のタイトルで再公開された。

概要

原作はアンリ=ピエール・ロシェの小説。

ストーリーの大枠は同名の作品に基づいているが、いくつかのエピソードやセリフはロシェの他の作品から取り出したものである。

トリュフォーがロシェの小説を読んだのは21歳のときだが、映画化する決心をしたのはエドガー・G・ウルマー監督の西部劇『裸の夜明け』を見たときだという。

シナリオ全体を通してアポリネールへの目配せに満ちているが、カトリーヌのキャラクターはアポリネールの恋人だったこともあるマリー・ローランサンをモデルにしている。

ローランサンはアンリ=ピエール・ロシェの愛人だったこともある。

また、『つむじ風―「突然炎のごとく」の真実の物語』によれば、ジュールのモデルはユダヤドイツ人作家フランツ・ヘッセル(Franz Hessel)である。

カトリーヌが歌うシャンソン『つむじ風』(仏語:Le Tourbillon)は、撮影中にボリス・バシアクがモローのために遊びでつくったもの。それを聞いたトリュフォーが即興で映画に取り入れた。

カトリーヌがセーヌ川に飛び込むシーンは、スタントの女性がやりたがらなかったので、モロー自身が飛びこんだ。

セーヌ川の水は汚く、のどをやられてしまったという。

公開

1962年1月23日、フランスで公開された。同年4月23日、アメリカ合衆国で公開

日本では『映画評論』1962年12月号にシナリオが『ジュールとジム』のタイトルで掲載された(翻訳:岡田真吉)。

1963年4月1日から10日にかけて第3回「フランス映画祭」が東京都千代田区の東商ホールで開催された。

『突然炎のごとく』のほか、ジャン=ガブリエル・アルビコッコの『金色の眼の女』と『アメリカのねずみ』、『ミス・アメリカ パリを駆ける』『シベールの日曜日』『女はコワイです』『不滅の女』『地下室のメロディー』『地獄の決死隊』の計9本の長編と、短編映画『ふくろうの川』が上映された。

本作品は4月2日に上映された

フランソワ・トリュフォー、アラン・ドロンマリー・ラフォレセルジュ・ブールギニョンアレクサンドラ・スチュワルトアルベール・ラモリスらが映画祭に参加するため来日した。トリュフォーは初来日だった。

1964年2月1日、日本で一般公開された

ジャンヌ・モロー演じるカトリーヌの奔放で開放的なキャラクターは多くの女性から共感を得た。

トリュフォーのもとには「カトリーヌはわたしです」という内容の手紙が世界中から届いたという。

特に当時女性解放運動が活発化しつつあったアメリカイギリスでは、フランス映画としては異例のヒットを記録した。ただし、トリュフォー自身は、本作が「女性映画」のレッテルを貼られて政治的な文脈で評価されることや、登場人物と自分とを短絡的に結びつける自己愛的な映画の見方に対して否定的である。

ストーリー

「きみを愛している」とあなたは言った

「待って」とわたしは言った

「わたしを抱いて」とわたしは言おうとした

「もう用はない」とあなたは言った

オーストリアの青年ジュールはモンパルナスでフランス青年のジムと知り合った。

文学という共通の趣味を持つ2人はすぐに打ち解け、無二の親友となる。

2人はある時、幻燈会に行き、アドリア海の島の写真に映った女の顔の彫像に魅了された。

それからのち、2人はカトリーヌという女と知り合い、同時に恋に落ちてしまう。

彼女は島の彫像の女と瓜ふたつだったからだ。

カトリーヌは自由奔放そのものの女性で、男装して街に繰り出したり、ジュールとジムが街角で文学談義を始めると、突然セーヌ川に飛び込んで2人を慌てさせるような女性だった。

積極的だったのはジュールのほうで、彼はカトリーヌに求婚しパリのアパートで同棲を始め、ジムは出版社と契約ができて作家生活の第一歩を踏み出した。

やがて第一次世界大戦が始まり、ジュールとジムはそれぞれの祖国の軍人として戦線へ行ったが、ともに生きて祖国へ帰った。

カトリーヌと結婚したジュールが住むライン河上流の山小屋に、ジムは招待された。

その頃、ジュールとカトリーヌの間には6つになる娘もいたが、2人の間は冷えきっていた。

ジュールはジムに彼女と結婚してくれと頼む。

そうすれば彼女をつなぎとめられると思ったからだ。

しかも、自分も側に置いてもらうという条件で…。そうして、3人の奇妙な共同生活が始まった。

危ういバランスを保った三角関係は、しかし、カトリーヌにギター弾きの愛人が他にいたことで崩れてしまう。

ジムは瞬間しか人を愛せない彼女に絶望し、パリへ帰っていった。

数ヶ月後、映画館で3人は再会した。

映画がはねた後、カトリーヌはふいにジムを車で連れ出した。

怪訝な面持ちのジムとは対照的に、カトリーヌは穏やかな顔でハンドルを握る。

そして、取り残されたジュールの目の前で、2人を乗せた車は壊れた橋から転落して行った。

ジュールは2つの棺を火葬場に運ばせ、2人の遺灰を混ぜて埋葬した。

そしてようやく、肩の荷を下ろした気持ちになるのであった。

青春のシネマ・グラフィティ(5) ~突然炎のごとく/ジャンヌ ...
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突然炎のごとく - Wikipedia
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淀川長治が選んだベスト映画100本 「突然炎のごとく」 ジャンヌ ...
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青春のシネマ・グラフィティ(5) ~突然炎のごとく/ジャンヌ・モロー~_b0102572_1755422.jpg
 
 
 
 
 
 
1912年頃のパリ。
外国人の青年ジュール(オスカー・ヴェルナー)はモンパルナスでフランス青年のジム(アンリ・セール)と知り合った。
文学という共通の趣味を持つ2人はすぐに打ち解け、無二の親友となる。2人はある時、幻燈を見て、アドリア海の島にある美術公園の女の顔に魅了された。
それからしばらくして、2人はカトリーヌ(ジャンヌ・モロー)という彫刻そっくりの女と知り合い、同時に恋に落ちてしまう。
ジュールは彼女に求婚し、2人はパリの同じアパートに住み、一方ジムは出版社と契約ができて作家生活の第1歩をふみ出しだ。
やがて第一次世界大戦が始まり、ジュールとジムはそれぞれの祖国の軍人として戦線へ行ったが、ともに生きて祖国へ帰った。ライン河上流の田舎に住む山小屋にジムは招待され、三人は再会する。
その頃、ジュールとカトリーヌの間には6つになる娘もいたが、2人の間は冷えきっていた。ジムへの想いを胸に秘めたままジュールと結婚した彼女だが、ジムとの再会で再び二人に愛の炎が燃え上がる。
それを知ったジュールはジムに彼女と結婚してくれと頼むのだったが、自分も側に置いてもらうという条件だった。3人の奇妙な共同生活が始まった・・・。

「突然、炎のように」燃え上がるカトリーヌの愛とその奔放さ。
それに魅入られた2人の男の悲劇と三角関係の心理を見事に描いた作品。
ジャンヌ・モローの輝くばかりの美しさが圧倒的な魅力となった作品。
「今が好き、楽しければそれでいい」、そんな「魔性の女」とも呼べる女性を見事な演技で演じた「ジャンヌ・モロー」。
これ以後、「エヴァの匂い」、「黒衣の花嫁」、「マドモアゼル」などで「魔性の女」の代名詞が定着していくのだった・・・。
突然炎のごとく』 旅の友・シネマ編 (18) - 港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』
 

コメント:

原題は、「Jules et Jim」(ジュールとジム)。

主人公の青年二人の名前である。

これだけでは全く意味不明だと思って「突然炎のごとく」という邦題が付けられたのだろう。

このタイトルが意味するものは何か。

興奮すると前後不覚に陥り、突然セーヌ河に飛び込むカトリーヌの生き様を象徴しているのだろう。

カトリーヌ(ジャンヌ・モロー)の奔放さと自由さ、と最後の死による区切りを描いている。

彼女に付いていくジュール(オスカー・ウェルナー)と貫こうとして区切られるジム(アンリ・カール)という二人の男たち。

男女の三角関係を描いているが、キーになるのはカトリーヌという瞬間でしか男を愛せない激しく自由奔放な女と、彼女に振り回される二人の男たちだ。

「ジャンヌ・モロー」演じるカトリーヌの奔放なキャラクターは、当時多くの女性から共感を得たらしい。
カトリーヌの駆ける姿、三人で乗る自転車など映像の美しさと「魔性の女」というジャンヌ・モローの放つ妖しい魅力だけが心に残った映画であった。
カトリーヌのような女性は魅力的だが、男はさぞかし振り回されるだろう。

ジャンヌ・モローがこの自由奔放の極致を行く女性を演じていてかっこいい。

こんな無茶な展開も、ジャンヌ・モローが演じると受け入れてしまう。 
 フランソワ・トリュフォーの革命的とも言えるテンポが良すぎる。

これぞヌーヴェルヴァーグの斬新な映像である。

ジャンヌ・モロー演じるカトリーヌの奔放で開放的なキャラクターは多くの女性から共感を得た。

トリュフォーのもとには「カトリーヌはわたしです」という内容の手紙が世界中から届いたという。

特に当時女性解放運動が活発化しつつあったアメリカとイギリスでは、フランス映画としては異例のヒットを記録した。

ただし、トリュフォー自身は、本作が「女性映画」のレッテルを貼られて政治的な文脈で評価されることや、登場人物と自分とを短絡的に結びつける自己愛的な映画の見方に対して否定的である。

本作は、のちの映画に対して多くの影響を与えたと言われている名作なのである。


映画の中で、カトリーヌが歌うシャンソン『つむじ風』は、撮影中に「ボリス・バシアク」が遊びでつくったもの。
それを聞いたトリュフォーが即興で映画に取り入れたという。
その「つむじ風」をアルバム・タイトルにして、シャンソン、ボサ・ノバ、ジャズ、ポップスをジャンヌ・モローが軽やかに歌う。
技巧的には、けっして上手いとはいえないが、映画同様その存在感が際立つアルバム。
 
フランスの女優のバイオグラフィをたどってみると、多くの女優が歌っている。歌手としての側面を持っているのだ。マリー・ラフォレ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジャンヌ・モロー、ブリジット・バルドー、ミレイユ・ダルク、ジェーン・バーキン・・・・。歌は人生を演ずる3分間の舞台。
特にシャンソンは物語性が強く、ドラマチックであり、その歌手の生き方、歌い方、振りまで含めての歌唱力が評価されるのは、「エディット・ピアフ」などを見れば明らかである。
そんな意味では、フランス映画女優にとってシャンソンも映画とあまり次元の違わないもう一つの表現手段なのかも知れない。.