利根輪太郎の競輪人間学 発想の転換が不可欠だ!

2023年08月29日 15時26分46秒 | 未来予測研究会の掲示板

利根輪太郎は、いわゆる33バンクとの相性がよくないのだ。

前橋競輪と松戸競輪で惨敗する。

前橋競輪2日目(8月29日)

6レース

並び 7-1 4-2 5-3 6(単騎)

レース評

南の初日はどうしたという走り。2日目こそは持ち味を発揮だ。タテ型の小堺がマーク。菅原の仕掛けに乗る桐山が逆転の候補

 

1番人気7-1(3・1倍) 7-1(3・1倍)

1番人気では、なるべく勝負したくないが、1-7と7-1の3連単で勝負する。

1-7-2(8・0倍) 1-7-3(12・6倍) 1-7-4(20・5倍) 

7-1-2(7・1倍) 7-1-3(12・2倍) 7-1-4 (20・5倍)

1番が7番から離れてしまったのだ。

2車単で押させるのが、利根輪太郎流であるのだが、1-7と7-1に拘り過ぎたことが敗因!

結果 7-3 2,720円(6番人気) 7-3-2 1万3,980円(27番人気




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 7 南 潤   10.0 B  
2 3 泉 慶輔 3/4車輪 9.6    
× 3 2 桐山 敬太郎 3/4車身 9.8      
4 4 菅原 裕太 1/4車輪 10.0      
5 6 柿本 大貴 1車身1/2 9.7      
6 1 小堺 浩二 1車身 9.9   S  
  7 5 金澤 竜二 大差 11.3

7レース

並び予想 7-4-1 2-5 3-6

レース評

五日市は初日のリベンジマッチ。今度は真船をマークから勝利を掴みたい。2日目の三好は自力戦。地元で見せ場以上の走り。

5-2 5-4 5-7の3連単で勝負する

5-2-7(6・4倍) 5-2-4(8・0倍)

5-4-2(29.1倍) 5-4-7(37・5倍)

5-7-2(14.9倍  5-7-4(21・4倍)

結局は、先行有利の33バンクなのだ。

5番の軸は固いと期待したのだが、捲り不発となる。

別のラインは押さえに必要なのだ。

4-7と7-4は買える車券だった。

発想の転換が不可欠。

結果 4-7 1,680円(8番人気)  4-7-3 1万5,500円(40番人気)




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 4 松永 将   9.8    
× 2 7 三好 恵一郎 1/4車輪 9.9 B  
3 3 飯田 憲司 1車身 9.8      
4 6 山田 和巧 1車輪 9.7      
5 2 真船 圭一郎 1車身1/2 9.9      
6 5 五日市 誠 1/2車身 9.7      
  7 1 伊藤 亮 2車身 10.0   S

 

8レース

並び予想 3-6 5-1 7-4-2

レース評

星野は自力を基本に何でもやれる。2日目は力を出し切りたい。佐藤がマークで福島が本線。伊藤の頑張りで関東勢が浮上。

5-1 5-2 5-4 5-3の2車単勝負にする。

対抗を軸にする我孫子の勝負師は、1-5 1-2 1-4 1-3の3連単流しであった。

5-1(5・5倍)2000円 

5-2(62・2倍)500円

5-3(32・1倍)500円

5-4(18・9倍)1000円 

結果 1-2 6,120円(23番人気)  1-2-5 2万570円(61番人気) 




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 1 佐藤 愼太郎   10.1    
2 2 飯嶋 則之 1/2車輪 9.8    
3 5 星野 洋輝 1/4車輪 10.2   B  
× 4 4 藤原 憲征 1/2車身 10.0      
5 3 古賀 勝大 3/4車身 9.7   S  
  6 6 松田 治之 2車身 9.8      
7 7 伊藤 慶太郎 5車身 10.8

5-3(32・1倍)500円

結果 

 

 


自分以上の宝はないのだ。

2023年08月29日 09時44分57秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼教育こそ希望である。

教育の本義とは、人間生命の可能性への信頼である。

▼教育の力を軸に、人間性の花を開花させることだ。

▼多様性を成長の糧にする。

教育の連帯による人類の勝利―を悲願する。

▼日本は「ジェンダーギャップ指数」146か国のうち125位

▼政治にも、しっかりと耕された大地が必要だ。

▼新聞は教科書のようなものだ。

また、心を潤し足り、温めたりするものだ。

▼労苦こそ青春の宝だ。

▼精神の糧を求める「宗教の時代」、宗教を忌避する「無宗教の時代」世界には二つの潮流がある。

この一見、矛盾するかに見える動向も、じつは「権威的でない信仰」を人々は求めていることを表している。

▼「法」の高さと「人」の振る舞いが調和した「人間主義の宗教」が必要である。

▼最後の粘りが、勝利への一念を凝縮した最後の瞬発力が、人生の勝負を決していくのだ。

▼どんな時にも、めげず、挫けず、悠々と、前へ前へと進んでいくこだ。

▼自分以上の宝はないのだ。

自分を離れて幸福はない。

本来、自分ほど素晴らしいものはないのである。

これが真実の哲学である。

人を見ると、自分と比べてしまう。

だけど人をうらやんでも、つまらない。

何にもならない。

自分自身を磨いて、自分自身に生きがいを感じて、生きていくのが勝利の人なのだ。

 


理性と中庸の精神

2023年08月29日 09時13分14秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼人々に限りない啓発と希望を与える―それが人生の師匠なのである。

▼核兵器は人類の生存の権利を脅かす深刻な脅威であり、絶対悪である。

もしも核戦争が起これば、人類は亡ぶのだ。

▼気候変動や環境問題も深刻である。

▼対話が人々の間に信頼を醸成し、社会の平和を促進するための根源的な方途である。

▼宗教のための人間ではない。

宗教は人類共通の利益に奉仕すべきだ。

▼仏教の神髄は慈悲の精神であり、一人一人の無限の可能性を引き出すものだ。

つまり、宗教は人間主義を教えるものだ。

そこには、理性と中庸の精神がある。

▼教育の神髄は人に投資し、人の秘められた可能性を見出し、伸ばすことにある。

教育は知識を与えるのみならず、人間的な思考を形成し、個人の可能性を育む。

▼教育は、他者とのつながりに目を向け、無知や偏見、悪意のある思想を根絶し、暴力的な傾向から心を開放する。

▼教育は、気候変動と戦い持続可能性を推進する上でも重要だ。

 


創作 人生の方程式

2023年08月29日 07時56分46秒 | 創作欄

木島紀夫は、何度か人生に躓(つまず)いてきた。

ギャンブルに明け暮れ、多額の借金を重ねてもきた。

最後は、30歳の時に思い余って、母の菊枝に借金を打ち明けたのだ。

「年率48%?借金は200万円もなの!」夫の次郎の不祥事にも泣いてきたので、呆れかえる。

「あんたは、お父さんと同じなんだね」怒りも覚えてが、情けなさから涙ぐむ。

20歳の時、紀夫は、父親の不祥事のために、父親の上司の荒井源治に頭を下げ詫びた。

紀夫は荒井の3女の五月女(さつき)と恋愛関係にあった。

「会社の金を使い込んだのだ。刑事上は業務上横領などの犯罪に当たるんだ。だが、君が保証するなら許そう」

東京・大田区田園調布の邸宅の応接室。

荒川専務は和服姿で、パイプの煙をくゆらせていた。

五月女(さつき)が紅茶を運んできたが、笑顔がない。

「これで、恋もおわったな」紀夫は絨毯を見つめて、うつむくばかりであった。

結局、母親が福島の実家から300万円を借りて、夫の不祥事の穴埋めをしたのだ。

あれから10年の歳月が流れ、今度は息子の借金である。

「人生には方程式があるの。分かる?」母親は息子の穴埋めの条件として、自身が信奉する宗教に入信することを約束させた。

「仕方ない。一時しのぎだ」紀夫は母親の条件を飲んだのだ。

 

 


冤罪事の本質

2023年08月29日 00時55分35秒 | 沼田利根の言いたい放題

冤罪事の本質は、単純明快である。

警察が、真犯人を逮捕せず、逃したことに他ならない。

つまり、国家権力の威信に関わる問題に帰着する。

そこで、警察の威信を取り戻す必要性から、誰でもいい、犯人にしたてる人間の確保の必要性が迫まられる構図となる。

被疑者をとりあえず、別件逮捕し、それからは拷問に近い取り調べの続行に至る、これか国家権利のもとでの必然の帰結となる。


警察の権力

2023年08月29日 00時36分54秒 | 社会・文化・政治・経済

日本は「立法」「行政」「司法」という3つの独立した機関を設けることで、それぞれのバランスを保ち、国民の権利と自由を保障するよう機能しています。これを三権分立と言い、権力(権限)を分割することで、それぞれの抑制と均衡を図っています。民主主義を採用する近代国家で多くみられる国家統治のシステムです。

三権分立は、フランスの政治思想家であるモンテスキューが著書『法の精神』で提唱した考え方で、政治権力を分立することで独裁制を防ぎ、国民の権利と自由を確保し保障するという考え方に基づいています。「立法=法を定立する権力」、「行政=法に基づき政策を行なう権力」、「司法=法規を執行する権力」に分かれています。つまり、立法が規則を設け、行政がその規則を運用、司法が規則を守れているかを判断する、というように権力を分散させているのです。日本の政治では、立法を国会、行政を内閣、司法を裁判所が担当しています。

警察は、この三権のうち、「司法」と深い関わりがあります。

裁判には、主に「民事裁判」と「刑事裁判」があり、それぞれの裁判は訴訟によって申し立てられます。民事裁判とは、社会生活における個人の権利関係の争いを解決するもので、例えば「財産に関する紛争(遺産相続などのもめごと)」などがこれに該当します。

もう一方の刑事裁判は、公共の秩序を維持する観点から、法を犯した人の罪と刑罰を法律に基づいて決めるものです。つまり、殺人や窃盗、放火などの罪を犯した人は、刑事裁判にかけられることになります。

これらの決定的な違いは、民事裁判は当事者である国民の誰もが起こせる裁判であり、刑事裁判は司法の代表者として検察官が訴えを起こすという点です。

この刑事裁判に大きく関係しているのが「警察」という組織です。事件が発生したら、まずは警察がその事件の捜査をして情報を収集し、その捜査結果や捕まえた被疑者の身柄を検察に送ります。検察官は、警察から送られた証拠をもとにさらなる調査をし、ときには検察官の指揮で警察が調査にあたることもあります。そして十分な証拠をもとに、被疑者に対して刑罰を科するべきであると判断した検察官が起訴して、刑事裁判となるのです。

つまり、社会の秩序を乱した者に対して法による裁きを与え、そして事件や事故などの解決をする刑事裁判の、その最前線で捜査を行なっているのが警察なのです。

では?冤罪事件の責任は、なぜ問われないのか?

 

【第109回】

冤罪の責任は誰が取るのか~「布川事件」の国家賠償請求訴訟

 「警察官や検察官や裁判官は、責任を取らないで済むのか。結果を問われない公務員で良いのか。それを訴えたい。だから冤罪はつくられるのだ、と」

 11月12日、国家賠償請求訴訟を東京地方裁判所に起こした桜井昌司さん(65)は、記者会見で提訴の狙いを力説した。

 桜井さんは、1967(昭和42)年に茨城県利根町で起きた「布川事件」の犯人にされ、いったんは最高裁で無期懲役が確定した。仮釈放になるまで29年間もの身柄拘束を強いられ、昨年5月に再審で無罪を勝ち取った2人のうちの1人である。雪冤まで、事件発生から実に43年余を要した。

 事件に確たる物証はなく、桜井さんらは裁判で犯行を否認したものの、捜査段階での「嘘の自白」を有罪の決め手にされた。再審の水戸地裁土浦支部判決は、供述の変遷や客観的事実に照らして不自然な点があることを指摘したうえで、「自白調書が捜査官らの誘導等により作成されたものである可能性を否定できない」と判断して信用性を認めず、無罪を導いた。

 これを受けて、桜井さんが今回賠償を求めた相手は、国(検察)と茨城県(県警)である。請求額は1億9044万415円。「濡れ衣を着せられたのは、捜査・起訴の段階や裁判で、警察官や検察官による違法行為があったため。だから、それによって生じた不当な長期間の身体拘束をはじめとする甚大な損害に対する賠償をさせよう」という裁判だ。国・公共団体の賠償責任を定めた憲法17条に基づいている。

 どんな行為を違法と訴えているのだろうか。訴状の内容をもとに、事件の経緯をたどる形で桜井さんの主張を紹介する。

 まず、捜査段階。

 62歳の男性が殺害されて現金11万円が奪われた布川事件の発生は、67年8月28日だった。桜井さんは10月10日に、知人のズボン1本とベルト1本を盗んだ疑いで逮捕され、3日後から布川事件の調べが始まった。別件逮捕である。

 警察の取り調べは、まず留置場の中の看守の仮眠室(3畳)で行われた。「お前らを事件現場前で見た人がいる」「お前の母ちゃんも、早く素直になって話せと言っている」と騙され、「否認していれば死刑だってある」「(自白しても)新聞には発表しない」と脅迫的・利益誘導的な言葉を投げられた。そのうえで嘘発見器にかけられて「すべて嘘と出た。もうダメだから本当のことを話してみろ」と偽られ、自暴自棄になって同15日に「嘘の自白」をしてしまった。8日後、布川事件の強盗殺人容疑で逮捕された。

 その後、桜井さんは検察官に犯行を否認。供述が現場の客観的状況に一致しないといった矛盾や食い違いがあったことから、検察は11月13日、強盗殺人容疑について処分保留で釈放した。振り返れば、賢明な判断だった。

 一方で、別の窃盗容疑で身柄を拘束され続けた桜井さんは、拘置所から警察署(代用監獄)に移送されて再び警察の取り調べを受けた。「否認しても無駄だ」「否認すれば死刑だ」。こう迫られて、再び自白をしてしまう。代わった検察官からも「早く改心しろ、証拠もある」などと言われ屈服した。

 取調官は同時に、目撃証言が矛盾しないように、目撃者に内容を変更させたり曖昧にさせたりした。桜井さんらのアリバイを支える証言に対しては、否定する方向で関係者の調べを進めた。桜井さんが強盗殺人罪で起訴されたのは、12月28日だった。

 訴状では、別件逮捕したことをはじめ、起訴まで76日間もの長期にわたり、しかも偽計や脅迫によって自白させた取り調べは違法だったと強調。警察官は殺害方法や偽装工作などの供述が客観的な事実に反することを分かっていながら、検察官も処分保留にした段階で証拠の脆弱性を認識していたのに、強要や誘導で供述を変遷させたのは「証拠の捏造」にあたり、違法な職務行為だったと断じている。目撃者やアリバイ証人への暗示・誘導についても、同様の主張をしている。

 次に、起訴段階。

 事件現場の被害者の周囲で採取された8本の毛髪は、うち3本は被害者のもの、残る5本は被害者のものでも桜井さんらのものでもないという鑑定書が出ていた。第三者の犯行だった可能性が十分に考えられたのだ。さらに、被害者方から桜井さんらの指紋は検出されていなかった。「桜井さんらの犯人性と結びつく客観的証拠は一切ない一方、無罪であることをうかがわせる証拠は多数存在していた」

 殺害行為、金品の奪取・分配、犯行現場での工作行為、逃走状況など、自白のすべての要素で変遷があり、犯人とされた桜井さんら2人の不一致も多い。しかも、犯行そのものや犯行に直結する重要な部分に、多岐にわたって客観的な事実と整合しない点が見られる。それゆえ、桜井さんらの自白には信用性がないことを、検察官は少なくとも容易に認識することができた。

 にもかかわらず、代わった検察官は相互の矛盾がないように自白や目撃証言を操作した。そして、桜井さんらを起訴した。こうした職務行為は違法だと訴えている。

 最後に公判段階。

 検察官は、前述の毛髪鑑定書や目撃者の供述調書など、桜井さんに有利となり、裁判所の判断に大きな影響を与える証拠を持っていながら、あえて提出しなかった。

 また、自白の任意性・信用性、目撃証言の信用性にかかわる証拠に対して、弁護団は再三、開示するよう求めたが、検察はほとんど応じなかっただけでなく、裁判所の開示命令を避けるために原型と異なる証拠を示したり、虚偽の回答をしたりした。さらに、のちに多数の編集痕があることが分かった自白録音テープについて、警察官は公判で存在を否定する偽証までした。

 こうした検察官の証拠隠しや警察官の偽証といった違法行為によって、裁判所に誤った判断をさせたと結論づけた。もし再審請求審の段階で開示された証拠が、もとの裁判の時に提出されていれば、桜井さんらが有罪判決を受けることは万が一にもなかったと、訴状はつづっている。

 国賠訴訟の弁護団によると、布川事件は「冤罪原因のデパート」と呼ばれるほど、冤罪を生む要素を多く含んでいたそうだ。なるほど、こうした経過を見ただけで納得させられてしまう。そして、それは決して他人事ではない。時代は変われど、誰にとっても、自分が絶対に同じ境遇に置かれないという保証などないのだ。

 会見で桜井さんは「今も検察は『私たち2人が犯人。たまたま有罪を立証できなかった』と公然と言っている」と、半ば怒り、半ばあきれながら語っていた。無罪判決が確定したにもかかわらず、「警察や検察は謝罪や反省はおろか、無罪判決をいまだに受け入れず、自ら誤りの原因を検証しようともしていない」という。違法行為があったかどうかを措くとしたって、無実の人間を間違って犯人にしてしまったのだから、まずは謝って反省するのが常識だろうに。

 何が正義なのか、と考えてしまう。桜井さんは「まじめに治安を守ろうとしている検察官・警察官の正義感が通じる組織になってほしい」と訴訟の意義を説き、「検察が反省や改革を言いながら何もせずに社会を欺いていることを、今回の訴訟を通して社会の皆さんに訴え、判断してほしい」と呼びかけた。

 もっとも、国家賠償請求訴訟で勝訴するのは、再審を実現するのと同じくらい難しいらしい。最近では、郵便不正事件で冤罪被害を受けた厚生労働省の村木厚子さんが起こした国賠訴訟で、国が判決前に3770万円の賠償を呑んだが、再審で死刑から無罪になった松山事件(1955年発生)でも国家賠償は認められていない(2001年に確定)。

 捜査や起訴段階での行為が「その当時の判断として合理的だったならば適法」とされるからである。国家賠償法は違法行為に「故意または過失」があったことを賠償の要件としており、それらの立証は訴訟を起こした側がしなければならない。今も事件にかかわるすべての証拠を握っている権力側の方が、そもそも有利な立場なのだ。

 これに対して、谷萩陽一弁護団長は「再審で無罪の根拠となったのは、大部分が当時から存在していた証拠。つまり、起訴時点の事実を見ても、検察官が合理的な判断をしていれば起訴すべきではなく、『(起訴が)当時としては正しかった』とは言えない」と反論していた。

 もう一つ。谷萩弁護団長は、今回の国賠訴訟で裁判所に求められる役割として、桜井さんへの十分な償い、冤罪の原因・責任の明確化と並んで、「冤罪を生まない刑事司法の改革に結びつく判断」を求めていた。

 国賠訴訟の被告にこそなってはいないが、裁判所にも冤罪の原因があると考えるのが庶民感覚に違いない。検察の言い分を鵜呑みにする形で有罪判決を出してしまった事実は消しようがなく、司法への不信を高めているのは確かだ。弁護団が言うように、裁判所がこの訴訟の審理や判決を通じて、自らを含む刑事司法の歪みや病理をつまびらかにして断罪するよう期待したい。それが、冤罪を見逃してしまった裁判所の責任の取り方でもあるだろう。

どん・わんたろう約20年間、現場一筋で幅広いジャンルを地道に取材し、「B級記者」を自認する。
派手なスクープや社内の出世には縁がないが、どんな原稿にも、きっちり気持ちを込めるのを身上にしている。関心のあるテーマは、憲法を中心に、基地問題や地方自治、冤罪など。
「犬になること」にあこがれ、ペンネームは仲良しだった犬の名にちなむ。「しごと」募集中。


人生の極意

2023年08月29日 00時05分59秒 | 社会・文化・政治・経済
  • 人生の極意

元外交官で文筆家。ロシア情報収集・解析のエキスパート。魚住昭/ジャーナリスト。ノンフィクションに著作多数。青木理/ジャーナリスト。元共同通信記者。『日本の公安警察』『絞首刑』など著作多数。植草一秀/経済学者。日本経済、金融論が専門。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻 (ISBN-13:978-4838721566)』が刊行された当時に掲載されていたものです)

知の巨人・佐藤優が、悩める相談者に送った、人生を賢く生き抜く72の処方箋

週刊SPA!の人気連載「佐藤優のインテリジェンス人生相談」が、内容を一新してついに書籍化! 悩みを解決するヒントに溢れた参考文献を多く掲載し佐藤優オリジナルのブックレビュー的側面や、多様な相談者の悩みから日本社会の問題を明らかにし、その処方箋を提示する社会評論的側面も併せもつ一冊。

知の巨人・佐藤優が、悩める相談者に送った、人生を豊かにする言葉の数々を一冊に。
本書は佐藤優が72人の相談者に送ったアドバイスをまとめた“人生相談集"であると同時に、
悩みを解決するヒントに溢れた参考文献を数多く掲載しているという点で、佐藤優オリジナルのブックレビュー的側面をも持つ。
また、サラリーマン、OL、学生など、多種多様な相談者の悩みから、日本社会が抱える問題を明らかにし、その処方箋を提示しているという点で、社会評論的側面も。

<職業作家としては、比較的広い守備範囲を私はもっている。連載の締め切りだけで月平均80本ある。
その中で『週刊SPA! 』(扶桑社)の「インテリジェンス人生相談」は、私にとって重要な読者との窓である。
連載を始めた当初、「半分、冷やかしのような相談がたくさんくるんだろうな」と思っていたが、それは間違いだった。
どの相談も真剣なのである。21世紀になって、弱肉強食の新自由主義の渦に日本社会も巻き込まれた。格差は拡大していく。v 学校を卒業してもなかなか仕事が見つからない。就職していても、派遣で身分が不安定だ。
それだから、職場のパワハラやセクハラについても文句を言えない。こういう状態だと、職場との人間関係だけでなく、家族との関係もギスギスしてしまう。
悩みを抱えている人はたくさんいる。真面目な人ほど、自分で悩みを背負い込んでしまって鬱になってしまう。一人で悩みを抱えずに、
誰かに相談すれば、展望が開けることもある。私の場合、メディアバッシング、逮捕、投獄、裁判、失職などのどん底の経験がある。
どん底からどうすれば這い上がることができるかについて、それなりの経験もある。
私の経験を少しでも読者が抱えている悩みを解決するために用いてほしいと思い、私はこの連載に全力で取り組んでいる。
(中略)いかなる状況においても、人生を諦めてはいけない。そうすれば、必ずどこかの時点で光が見えると、自分の経験を踏まえ、私は確信している。>(まえがきより)
 
 
これまで佐藤さんのインテリジェンス人生相談を3冊読んできました。SPAでの連載をまとめているということで、人々の悩みは欲や嫉妬、性的なものまでさまざまあります。特に性に関することへの相談の答えが、まぁびっくりするようなこともあり、とても痛快です。
今回は新書として誰でも買いやすい価格に設定されているので、とてもうれしいです。佐藤さんの相談に関するスタンスをまとめると3つほどになると思います。

①精神的、社会的弱者に対してはとくに優しい視点を持っている。そして、できるだけ無理をしないように、かつどのような人や機関に相談すればよいのかということを適切に教えてくれています。自分自身の体験から、ある程度世間を突き放してみることを説くこともあります。
②どのような質問にも、読者の立場に立って考えています。中には傲慢で自分勝手と思うような質問もあるのですが、佐藤さんは基本的には読者の見方で、無茶な願いを実現できるような回答を持っています。しかし、きちんと危険性指摘してくれています。
③社会的に優位な立場である人にはそれなりの厳しさを持っています。特に公務員やその関連者に対してはカツを入れることもあります。

この著書で、③に関してカツを入れている回答を紹介します。

程度の低い官僚叩きは日本を崩壊させます!という特殊法人勤務の方(匿名希望)に対する回答です。

<官僚はあなたのことを「特殊法人に勤めているのは、国家公務員試験に合格しない偏差値の低い糞の類だ」と思っています。官僚の無駄遣いを擁護する発言をしていることを「ああいう馬鹿がいるから、俺たちはいつまでも安泰だ」とせせら笑っています。そもそも優秀な官僚はカネの問題でマスコミに叩かれるような下手を打ちません。匿名希望さんは自分を官僚の仲間と思っているようですが、官僚のほうはあなたのことなど「風呂の中の屁」くらいの存在としか思っていません。>
上記が私が一番面白く感じた回答です。他にも多くの面白回答がありますので、ぜひ読んでみることをおすすめします。

 

 聞きたい質問があった

佐藤さんの著作はおおよそ追っているファンです。
同氏の作品は、わたしにとっては難しいこともあり、本のテーマによっては
相性が段違いに合わないことも多々ありました。
しかし、これは割と平易に書かれていますし、短いので読みやすいです。
何より、身近な質問事項が多くて興味を持って読めました。
佐藤さんに聞いてみたかった質問がビンゴで載っていたので、
それだけで星1つプラスします。

現実的な就労 転職相談に関しては、元主任分析官の立場から 日本の現状分析を元に冷静にアドバイスし、
精神的な生き方の悩みに関しては、神学を学んだ者の立場からアドバイスしていて、
佐藤さんの色々な側面をかいま見れました。
ロシアで教鞭をとっていた時も、こんな感じだったのかなあ。

佐藤さんの専門領域が広いのか、
はたまた適切な質問を採用されたのかはわかりませんが、
まんべんなくバランスの良い回答がなされていて、なにかが片手落ちという印象は受けませんでした。
今後も、こういう相談シリーズが刊行されると嬉しいです。