大船渡 春を告げる風物詩 山林火災影響で延期のイサダ漁始まる
岩手県大船渡市では、山林火災の影響で延期されていたイサダ漁が始まっています。
イサダは主に釣りや養殖用のエサとして使われる淡いピンク色をしたエビに似たオキアミの一種で、毎年この時期に三陸沖で漁が行われることから、春を告げる風物詩となっています。
イサダの水揚げ量が県内で最も多い大船渡市では先月25日に漁が解禁されましたが、翌日26日に発生した山林火災の影響で延期されていました。
三陸町綾里を除いた地区では10日から漁を開始していて、12日からは綾里の漁港でも漁が始まりました。
大船渡市内の水揚げ基地に入った漁船からは、イサダが次々に水揚げされていました。

三陸町綾里の漁業者の千田喜一さん(62)は船を一時、別の漁港に避難させていましたが12日から漁を始め、8トン余りを水揚げしていました。
三陸町綾里の漁業者 千田喜一さん
「初日としてはまあまあ獲れました。他の地区の仲間より2日ほど漁のスタートが遅れているので頑張りたい」
綾里漁協「定置網購入し漁の早期再開目指す」

山林火災で倉庫が焼け、保管していたすべての定置網を失った大船渡市の綾里漁協は、12日、組合員が集まって今後について話し合い、新たに網を購入して漁の早期再開を目指す方針を確認しました。
大船渡市三陸町綾里は定置網漁やワカメの養殖などが盛んな地域で、東日本大震災の津波で漁港が被災しましたが、その後、港にあった倉庫を再建するなどして漁を復活させていました。
ところが今回の山林火災でその倉庫が焼け、保管していた定置網4セットのすべてを失いました。12日は綾里漁協の組合員が集まり、今後の定置網漁について話し合う会議が非公開で行われました。
会議では、漁業者の収入を維持するためにも漁の早期再開を望む意見が相次いだということで、漁協は新たに網を購入して漁の再開を目指す方針を確認したということです。
すべての網を一度に購入すると1年近くかかるため、失った4セットのうちまず半分の発注を検討していて、順調にいけば、ことしの夏頃にも漁を再開できる可能性があるということです。
焼けた倉庫は解体し、新たに再建する方針です。

定置網漁のとりまとめ役 千田芳孝さん
「漁期は遅れても定置網漁を再開します。こういう時だからこそ団結して苦難を乗り越えようという気持ちです」
1.イサダ漁とは
イサダとは春先に捕れる小さなエビ(オキアミの一種)で、主に釣の撒き餌や養殖魚の餌として
使用されている。また、乾燥させたイサダは食用として煎餅等にも使用されており、韓国ではキム
チに混ぜて使用されているため輸出もされている。
岩手県はイサダ漁の水揚げ量日本一で、大船渡は県内最大の水揚げ高を誇り、2010年の水揚
げ高は9,870トンとなっている。漁船の積載量は漁業者間の取り決め等で段階が有り、近年は
需給バランスから1船250籠(1籠約30キロ)の漁獲制限となっている。
水揚げされたイサダはその日のうちにセリにかけられ、冷凍冷蔵保管される。大船渡地区加盟の
約40隻のイサダ漁船は津波の被害を免れた。毎年2月下旬~3月上旬にイサダ漁が解禁となると
ため、東北地方に「春を告げる風物詩」として有名。
2.1日のスケジュール
午前4時頃 イサダ漁船約 36 隻が大船渡魚市場を出港
午前10時~11時頃 漁を終えてそれぞれ大船渡魚市場に帰港
午前11時~12時 贈呈式開催
3.イサダ漁の風景と支援機材の説明
※これらの機材は今まで基本的に漁師個人の持ち合いで使用していたため、国や市からの支援の対象と
なっていません。
しかし、これらの機材が無ければ、イサダ漁を行っても、捕ったイサダをセリにかけたり、
流通に乗せることができないため、日本財団が緊急支援を決定いたしました。
イサダを入れるためのプラスチックの籠 10,000 個 籠をフォークリフトで運搬するためのパレット(荷役台)450 個
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