⑴ 0日・0か月児の死亡事例について(心中以外の虐待死)
平成 31 年度(令和元年度)に把握した心中以外の虐待死事例(57 人)のうち、0歳児の死亡人数は 28 人であり、心中以外の虐待死による死亡人数全体の約半分を占めた。
その中でも、生後 24 時間に満たない死亡と考えられる日齢0日児の死亡事例(以下「0日児事例」という。)と、日齢1日以上月齢1か月未満児の死亡事例(以下「0か月児事例」という。)を合わせた
0日・0か月児の心中以外の虐待死事例(以下「0日・0か月児事例」という。)が0歳児の死亡事例の中でも一定の割合を占めていることを踏まえ、経年のデータとして以下に取りまとめた。
なお、平成 31 年度(令和元年度)に把握した0日・0か月児事例については、0日児事例が9人、0か月児事例が2人であった。
① 0歳児及び0日・0か月児事例の発生状況
0歳児の心中以外の虐待死事例は、28 人で約5割を占めており、第 16次報告と比較すると、人数、割合ともに若干増加した。
また、0歳児の死亡事例のうち、0日・0か月児事例は 11 人であった。
割合:各年次報告における心中以外の虐待死事例に占める0歳児の割合
0日・0か月児事例の加害者
0日・0か月児事例における虐待を行った加害者について、0日児は
「実母」が7人で最も多かった。また、第1次報告から第 17 次報告までの累計でみても、「実母」が加害者であった事例は 168 人(88.0%)であった。
人数 構成割合 人数 構成割合 人数 構成割合
実母 148 (12) 89.7% 20 (0) 76.9% 168 (12) 88.0%
実父 1 (0) 0.6% 2 (0) 7.7% 3 (0) 1.6%
実母・実父 9 (2) 5.5% 4 (0) 15.4% 13 (2) 6.8%
その他 4 (2) 2.4% 0 (0) 0.0% 4 (2) 2.1%
不明 3 (1) 1.8% 0 (0) 0.0% 3 (1) 1.6%
イ 死亡につながった虐待の類型
0日・0か月児事例における虐待の類型は、0日児事例は、「身体的虐待」5人(55.6%)が最も多く、次いで「不明」3人(33.3%)であった。
ウ 虐待の種類(遺棄)について
「妊娠期・周産期の問題」にて「遺棄」があった中で、実際にネグレクトとしての「遺棄」により死亡した事例は、0 日児事例は1人、年齢
不明事例は1人であった。
妊娠期・周産期の問題(遺棄)の有無と遺棄された場所
0日・0か月児事例において、「遺棄あり」は9人であり、遺棄された場所は「自宅」が5人、「自宅外」が4人であった。
自宅 4 (1) 44.4% 1 (0) 50.0%
自宅外 4 (1) 44.4% 0 (0) 0.0%
人数 構成割合 人数 構成割合 人数 構成割合
自宅 73 (8) 44.2% 6 (0) 23.1% 79 (8) 41.4%
自宅外 78 (9) 47.3% 6 (0) 23.1% 84 (9) 44.0%
遺棄なし
遺棄あり
オ 直接の死因
0日・0か月児事例における直接の死因について、第1次報告から第17 次報告までの累計をみると、「窒息(絞殺以外)」による死亡事例が 63人(有効割合 45.7%)と最も多かった。
表4-1-2-7 0日・0か月児事例における死因(第1次報告から第 17 次報告までの累計)
カ 事例が発覚した経緯
0日・0か月児事例が発覚した経緯は、0日児事例は、「その他」が5人(55.6%)であった。「その他」としては、「警察に通報があったことで判明」等があった。
出産した場所
0日・0か月児事例における実母が本児を出産した場所について、第1次報告から第 17 次報告までの累計でみると、0日・0か月児事例全体における「自宅」※での出産が 119 人(有効割合 67.6%)、特に、0日児
事例における「自宅」での出産が 111 人(同 74.0%)と高い割合を占めていた。
また、0日児事例において、第1次報告から第 17 次報告までの
累計でみると、医療機関での出産はなかった。
自宅 111 (11) 67.3% 74.0% 8 (0) 30.8% 30.8% 119 (11) 62.3% 67.6%
自宅外 39 (4) 23.6% 26.0% 5 (0) 19.2% 19.2% 44 (4) 23.0% 25.0%
医療機関 0 (0) 0.0% 0.0% 13 (0) 50.0% 50.0% 13 (0) 6.8% 7.4%
不明 15 (2) 9.1% 0 (0) 0.0% 15 (2) 7.9%
計 165 (17) 100.0% 100.0% 26 (0) 100.0% 100.0% 191 (17) 100.0% 100.0%
人数 構成割合 人数 構成割合 人数 構成割合
トイレ 43 (4) 38.7% 1 (0) 0.0% 44 (4) 37.0%
風呂場 11 (0) 9.9% 0 (0) 0.0% 11 (0) 9.2%
その他 17 (5) 15.3% 3 (0) 0.0% 20 (5) 16.8%
不明 40 (3) 36.0% 4 (0) 0.0% 44 (3) 37.0%
計 111 (12) 100.0% 8 (0) 0.0% 119 (12) 100.0%
0日児 0か月児
283
③ 0日・0か月児事例における養育者の状況
ア 実母の年齢
0日・0か月児事例における実母の年齢について、0日児事例の実母
の年齢は「20~24歳」、「30~34歳」、「35~39歳」がそれぞれ2人(22.2%)
であり、「19 歳以下」、「25~29 歳」、「40 歳以上」がそれぞれ1人(11.1%)
であった。
表4-1-3-1 0日・0か月児事例における実母の年齢
また、第1次報告から第 17 次報告までの累計でみると、0日・0か月
児事例の実母の年齢は、0日児事例では、「19 歳以下」が 46 人(有効割合 28.6%)と最も多く、0か月児事例では、「35~39 歳」が 10 人(同38.5%)と最も多かった。
人数 構成割合 人数 構成割合
19歳以下 1 (0) 11.1% 0 (0) 0.0%
20~24歳 2 (0) 22.2% 0 (0) 0.0%
25~29歳 1 (1) 11.1% 1 (0) 50.0%
30~34歳 2 (1) 22.2% 1 (0) 50.0%
35~39歳 2 (0) 22.2% 0 (0) 0.0%
40歳以上 1 (0) 11.1% 0 (0) 0.0%
不明 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
計 9 (2) 100.0% 2 (0) 100.0%
人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合
19歳以下 46 (6) 27.9% 28.6% 4 (0) 15.4% 15.4% 50 (6) 26.2% 26.7%
20-24歳 31 (1) 18.8% 19.3% 3 (0) 11.5% 11.5% 34 (1) 17.8% 18.2%
25-29歳 26 (4) 15.8% 16.1% 2 (0) 7.7% 7.7% 28 (4) 14.7% 15.0%
30-34歳 23 (3) 13.9% 14.3% 7 (0) 26.9% 26.9% 30 (3) 15.7% 16.0%
35-39歳 22 (2) 13.3% 13.7% 10 (0) 38.5% 38.5% 32 (2) 16.8% 17.1%
40歳以上 13 (0) 7.9% 8.1% 0 (0) 0.0% 0.0% 13 (0) 6.8% 7.0%
不明 4 (1) 2.4% 0 (0) 0.0% 4 (1) 2.1%
計 165 (17) 100.0% 100.0% 26 (0) 100.0% 100.0% 191 (17) 100.0% 100.0%
0日児 0か月児 総数
イ 実母の世帯の状況について
0日・0か月児事例における実母の世帯の状況について、0日児事例では、「一人親(未婚)」が3人(有効割合 37.5%)と最も多かった。
表4-1-3-3 0日・0か月児事例における実母の世帯の状況
初産婦、経産婦別にみると、初産婦では「一人親(未婚)」が3例(75.0%)
であり、不明が1例(25.0%)であった。
人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合
実父母 1 (0) 11.1% 12.5% 0 (0) 0.0% 0.0%
一人親(離婚) 1 (0) 11.1% 12.5% 0 (0) 0.0% 0.0%
一人親(未婚) 3 (2) 33.3% 37.5% 2 (0) 100.0% 100.0%
一人親(別居) 1 (0) 11.1% 12.5% 0 (0) 0.0% 0.0%
内縁関係 2 (0) 22.2% 25.0% 0 (0) 0.0% 0.0%
その他 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0%
不明 1 (0) 11.1% 0 (0) 0.0%
計 9 (2) 100.0% 100.0% 2 (0) 100.0% 100.0%
区分
0日児 0か月児
人数 構成割合 人数 構成割合 人数 構成割合
実父母 0 (0) 0.0% 1 (0) 33.3% 0 (0) 0.0%
一人親(離婚) 0 (0) 0.0% 1 (0) 33.3% 0 (0) 0.0%
一人親(未婚) 3 (2) 75.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
一人親(別居) 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 1 (0) 50.0%
内縁関係 0 (0) 0.0% 1 (0) 33.3% 1 (0) 50.0%
その他 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
不明 1 (0) 25.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
計 4 (2) 100.0% 3 (0) 100.0% 2 (0) 100.0%
初産婦 経産婦 不明
また、祖父母の同居者の有無については、0日児事例では「同居あり」
が4人(有効割合 44.4%)で、そのうち「母方祖父母」が2人(同 22.2%)
であった。
実母の世帯の経済状況について
0日・0か月児事例における実母の世帯の経済状況について、当該世帯の家計を支えている者は、0日児事例では「実母自身」が5人(有効割合 62.5%)で最も多く、「実父」、「母方祖父」、「母の交際相手」がそれぞれ1人(有効割合 12.5%)であった。
人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合
5 (2) 55.6% 55.6% 1 (0) 50.0% 50.0%
4 (0) 44.4% 44.4% 1 (0) 50.0% 50.0%
父方祖母 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0%
母方祖父 1 (0) 11.1% 11.1% 1 (0) 50.0% 50.0%
母方祖父母 2 (0) 22.2% 22.2% 0 (0) 0.0% 0.0%
父方祖父母 1 (0) 11.1% 11.1% 0 (0) 0.0% 0.0%
0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
計 9 (2) 100.0% 100.0% 2 (0) 100.0% 100.0%
0日児・0か月児事例における世帯収入の状況は、「不明」が6人と最も多く、次いで「市区町村民税非課税世帯」と「年収 500 万円以上」がそれぞれ2人であった。
0日児・0か月児事例における実母の就業状況は、「無職」と「パート」がそれぞれ5人であった。
不明
年収500万円以上
市区町村民税課税世帯
(年収500万円未満)
不明
パート
フルタイム
無職
実母の妊娠期・周産期における問題について
0日・0か月児事例における実母の妊娠期の問題については、0日児
事例では、全例が「母子健康手帳の未発行」であり、次いで「妊婦健診未受診」で 8 人(88.9%)であった。
0日・0か月児事例における実母の妊娠期・周産期の問題(複数回答)
人数 構成割合 人数 構成割合
切迫流産・切迫早産 1 (0) 11.1% 0 (0) 0.0%
妊娠高血圧症候群 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
喫煙の常習 1 (0) 11.1% 0 (0) 0.0%
アルコールの常習 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
違法薬物の使用/薬物の過剰摂取等 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
マタニティブルーズ 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
予期しない妊娠/計画していない妊娠 4 (1) 44.4% 1 (0) 50.0%
若年(10代)妊娠 1 (0) 11.1% 0 (0) 0.0%
お腹をたたく等の堕胎行為 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
母子健康手帳の未発行 9 (2) 100.0% 1 (0) 50.0%
妊婦健診未受診 8 (1) 88.9% 2 (0) 100.0%
遺棄 1 (0) 11.1% 0 (0) 0.0%
墜落分娩 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
飛び込み出産 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
帝王切開 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
医療機関からの連絡 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
その他 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
区分
0日児(9人) 0か月児(2人)
288
表4-1-3-10 初産婦・経産婦における実母の妊娠期・周産期の問題(複数回答)
人数 構成割合 人数 構成割合 人数 構成割合
切迫流産・切迫早産 0 (0) 0.0% 1 (0) 33.3% 0 (0) 0.0%
妊娠高血圧症候群 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
喫煙の常習 0 (0) 0.0% 1 (0) 33.3% 0 (0) 0.0%
アルコールの常習 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
違法薬物の使用/薬物の過剰摂取等 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
マタニティブルーズ 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
予期しない妊娠/計画していない妊娠 2 (1) 50.0% 2 (0) 66.7% 0 (0) 0.0%
若年(10代)妊娠 1 (0) 25.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
お腹をたたく等の堕胎行為 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
母子健康手帳の未発行 4 (2) 100.0% 3 (0) 100.0% 2 (0) 100.0%
妊婦健診未受診 3 (1) 75.0% 3 (0) 100.0% 2 (0) 100.0%
遺棄 0 (0) 0.0% 1 (0) 33.3% 0 (0) 0.0%
墜落分娩 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
飛び込み出産 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
帝王切開 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
医療機関からの連絡 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
その他 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0% 0 (0) 0.0%
区分
初産婦(4人) 経産婦(3人) 不明(2人)
実父の状況について
0日・0か月児事例における実父の状況について、0日児事例では、実父は「いる(同居)」と「いる(別居)」がそれぞれ2人、「不明」が4人であった。
第1次報告から第 17 次報告までの累計でみると、妊娠後から出産までの間の実父の存在が確認できない事例が多く、そのため、0日児事例では、実父の年齢が「不明」である事例は 94 人(69.6%)と、日齢0日
児事例全体の約7割を占め、0日・0か月児事例においても 99 人(62.7%)と全体の6割強を占めるなど、実父に関する情報が得られる事例は少なかった。
⑵ 精神疾患のある養育者における事例について
① 精神疾患のある実母における事例の発生状況
本報告書において、「精神疾患のある養育者」とは、医師による診断のある者とする(以下「精神疾患あり」という)。
一方、精神疾患に関する診断名がついていない養育者(その疑いや可能性のある場合を含む。)については、「精神疾患のない養育者」(以下「精神疾患なし」という。)とし、それ以外の者は「不明」とする。
精神疾患のある養育者の中で実母が加害者であった(以下「精神疾患のある実母」という。)事例について、第5次報告から第 17 次報告までの累計では 131 例(149 人)であった。
そのうち、心中以外の虐待死事例は 57
例(58 人)、心中による虐待死事例は 74 例(91 人)であった。
一方、精神疾患のない養育者の中で実母が加害者であった(以下「精神疾患のない実母」という。)事例数と死亡した子どもの人数は、第5次報告から第 16 次報告までの累計では 287 例(318 人)であり、そのうち、心中以外の虐待死事例は 213 例(218 人)、心中による虐待死事例は 74 例(100人)であった。
精神疾患あり 精神疾患なし 不明 精神疾患あり 精神疾患なし 不明
② 実母の状況
ア 診断名(疾病、傷害及び死因分類)
精神疾患のある実母の診断名(疾病、傷害及び死因分類)について、第5次報告から第 17 次報告までの累計をみると、心中以外の虐待死事例では、うつ病や双極性感情障害といった「気分[感情]障害」が 29 例
と最も多く、心中による虐待死事例についても、「気分[感情]障害」が 48例と最も多かった。
なお、「詳細不明の精神障害」は、精神科の受診歴はあるが、地方公共団体が正確な診断名を把握していないもの、検査中などの理由で確定診断がつけられる前に虐待死事例が発生したものであった。
注1 )回答のあった診断名について、世界保健機関(WHO)により定められた「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第
10 回改訂」(ICD-10)に基づいて我が国で使用する「疾病、傷害及び死因分類」をもとに分類した。
心中以外の虐待死(57例)
心中による虐待死(未遂含む)
実母の妊娠期・周産期の問題について、第5次報告から第 17 次報告
までの累計でみると、精神疾患のある実母における心中以外の虐待死事例では、「予期しない妊娠/計画していない妊娠」が 15 人(25.9%)と最も多く、次いで「妊婦健診未受診」が 10 人(17.2%)であった。
また、心中による虐待死事例は、「喫煙の常習」、「マタニティブルーズ」がそれぞれ8人(8.8%)と最も多かった。
人数 構成割合 人数 構成割合
切迫流産・切迫早産 6 (2) 10.3% 6 (0) 6.6%
妊娠高血圧症候群 6 (0) 10.3% 4 (0) 4.4%
喫煙の常習 8 (2) 13.8% 8 (0) 8.8%
アルコールの常習 2 (0) 3.4% 4 (0) 4.4%
違法薬物の使用/薬物の過剰摂取等 0 (0) 0.0% 2 (0) 2.2%
マタニティブルーズ 6 (1) 10.3% 8 (0) 8.8%
予期しない妊娠/計画していない妊娠 15 (3) 25.9% 5 (0) 5.5%
若年(10代)妊娠 4 (1) 6.9% 3 (0) 3.3%
お腹をたたく等の堕胎行為 0 (0) 0.0% 1 (0) 1.1%
母子健康手帳の未交付 2 (0) 3.4% 1 (0) 1.1%
妊婦健診未受診 10 (1) 17.2% 4 (0) 4.4%
一方、精神疾患のない実母における心中以外の虐待死事例では、「予期しない妊娠/計画していない妊娠」が 101 人(46.3%)と最も多く、次いで「妊婦健診未受診」が 86 人(39.4%)であった。
人数 構成割合 人数 構成割合
切迫流産・切迫早産 23 (4) 10.6% 8 (0) 8.0%
妊娠高血圧症候群 4 (1) 1.8% 3 (0) 3.0%
喫煙の常習 31 (2) 14.2% 4 (0) 4.0%
アルコールの常習 11 (0) 5.0% 0 (0) 0.0%
違法薬物の使用/薬物の過剰摂取等 1 (1) 0.5% 0 (0) 0.0%
マタニティブルーズ 11 (1) 5.0% 4 (0) 4.0%
予期しない妊娠/計画していない妊娠 101 (20) 46.3% 9 (0) 9.0%
若年(10代)妊娠 53 (10) 24.3% 2 (0) 2.0%
お腹をたたく等の堕胎行為 3 (0) 1.4% 0 (0) 0.0%
母子健康手帳の未交付 59 (9) 27.1% 1 (0) 1.0%
妊婦健診未受診 86 (15) 39.4% 6 (0) 6.0%
胎児虐待 11 (0) 5.0% 0 (0) 0.0%
その他 15 (6) 6.9% 1 (0) 1.0%
心中以外の虐待死
区分 (218人)
心中による虐待死(未遂含む)
(100人)
296
③ 精神疾患のある実母における事例の概要
ア 死亡につながった虐待の類型
死亡につながった虐待の類型について、第5次報告から第 17 次報告
までの累計をみると、精神疾患のある実母における心中以外の虐待死事
例では、「身体的虐待」が 45 人(有効割合 84.9%)、「ネグレクト」が8
人(同 15.1%)であった。心中による虐待死事例では、「身体的虐待」
が 88 人(同 100.0%)であった。
一方、精神疾患のない実母における心中以外の虐待死事例では、「身体
的虐待」が 110 人(同 54.5%)、次いで「ネグレクト」が 91 人(同 45.0%)
であり、心中による虐待死事例は、「身体的虐待」が 99 人(同 100.0%)
であった。
精神疾患のある実母における心中以外の虐待死事例は、精神疾患のな
い実母における事例と比較して、直接の死因として身体的虐待が全体に
占める割合が高い傾向にある。
表4-2-3-1 実母による虐待の類型(精神疾患あり)(第5次報告から第 17 次報告までの累計)
表4-2-3-2 実母による虐待の類型(精神疾患なし)(第5次報告から第 17 次報告までの累計)
人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合
110 (8) 50.5% 54.5% 99 (4) 99.0% 100.0% 209 (12) 65.7% 69.4%
91 (19) 41.7% 45.0% 0 (0) 0.0% 0.0% 91 (19) 28.6% 30.2%
1 (1) 0.5% 0.5% 0 (0) 0.0% 0.0% 1 (1) 0.3% 0.3%
0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0%
16 (8) 7.3% 1 (0) 1.0% 17 (8) 5.3%
218 (36) 100.0% 100.0% 100 (4) 100.0% 100.0% 318 (40) 100.0% 100.0%
不明
計
心理的虐待
性的虐待
身体的虐待
ネグレクト
区分
心中以外の虐待死 心中による虐待死(未遂含む) 総数
人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合
45 (2) 77.6% 84.9% 88 (1) 96.7% 100.0% 133 (3) 89.3% 94.3%
8 (1) 13.8% 15.1% 0 (0) 0.0% 0.0% 8 (1) 5.4% 5.7%
0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0%
0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0%
5 (1) 8.6% 3 (0) 3.3% 8 (1) 5.4%
58 (4) 100.0% 100.0% 91 (1) 100.0% 100.0% 149 (5) 100.0% 100.0%
不明
計
心理的虐待
性的虐待
総数
身体的虐待
ネグレクト
区分
心中以外の虐待死 心中による虐待死(未遂含む)
297
イ 直接の死因
直接の死因について、第5次報告から第 17 次報告までの累計をみる
と、精神疾患のある実母における心中以外の虐待死事例では、死因が判
明したもののうち、不明を除くと「頚部絞扼による窒息」が 15 人(有効
割合 28.3%)と最も多く、次いで「頭部外傷」が 6 人(同 11.3%)であ
った。また、心中による虐待死事例では、「頚部絞扼による窒息」が 31
人(同 35.2%)で最も多く、次いで「中毒(火災によるものを除く)」
が 14 人(同 15.9%)であった。
表4-2-3-3 直接の死因(精神疾患あり) (第5次から第 17 次報告までの累計)
人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合
頭部外傷 6 (1) 10.3% 11.3% 1 (0) 1.1% 1.1% 7 (1) 4.7% 5.0%
胸部外傷 4 (0) 6.9% 7.5% 1 (0) 1.1% 1.1% 5 (0) 3.4% 3.5%
腹部外傷 2 (1) 3.4% 3.8% 3 (0) 3.3% 3.4% 5 (1) 3.4% 3.5%
外傷性ショック 3 (0) 5.2% 5.7% 3 (0) 3.3% 3.4% 6 (0) 4.0% 4.3%
頚部絞扼による窒息 15 (0) 25.9% 28.3% 31 (1) 34.1% 35.2% 46 (1) 30.9% 32.6%
頚部絞扼以外による窒息 4 (0) 6.9% 7.5% 2 (0) 2.2% 2.3% 6 (0) 4.0% 4.3%
溺水 5 (0) 8.6% 9.4% 9 (0) 9.9% 10.2% 14 (0) 9.4% 9.9%
熱傷 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0%
車中放置による熱中症・脱水 2 (0) 3.4% 3.8% 0 (0) 0.0% 0.0% 2 (0) 1.3% 1.4%
中毒(火災によるものを除く) 1 (0) 1.7% 1.9% 14 (0) 15.4% 15.9% 15 (0) 10.1% 10.6%
出血性ショック 1 (0) 1.7% 1.9% 8 (0) 8.8% 9.1% 9 (0) 6.0% 6.4%
低栄養による衰弱 2 (1) 3.4% 3.8% 0 (0) 0.0% 0.0% 2 (1) 1.3% 1.4%
脱水 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0%
凍死 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0% 0 (0) 0.0% 0.0%
火災による熱傷・一酸化炭素中毒 1 (0) 1.7% 1.9% 8 (0) 8.8% 9.1% 9 (0) 6.0% 6.4%
病死 2 (1) 3.4% 3.8% 0 (0) 0.0% 0.0% 2 (1) 1.3% 1.4%
その他 5 (0) 8.6% 9.4% 8 (0) 8.8% 9.1% 13 (0) 8.7% 9.2%
不明 5 (0) 8.6% 3 (0) 3.3% 8 (0) 5.4%
計 58 (4) 100.0% 100.0% 91 (1) 100.0% 100.0% 149 (5) 100.0% 100.0%
区分
心中以外の虐待死 心中による虐待死(未遂含む) 総数
298
一方、精神疾患のない実母による心中以外の虐待死事例では、不明を
除くと「頭部外傷」が 45 人(同 25.4%)と最も多く、次いで「頚部絞
扼以外による窒息」が 30 人(同 16.9%)であった。
また、心中による虐待死事例では、「頚部絞扼による窒息」が 28 人(同
29.8%)と最も多く、次いで「中毒(火災によるものを除く)」が 17 人
(同 18.1%)であった。
表4-2-3-4 直接の死因(精神疾患なし) (第5次から第 17 次報告までの累計)
人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合 人数 構成割合 有効割合
頭部外傷 45 (7) 20.6% 25.4% 6 (0) 6.0% 6.4% 51 (7) 16.0% 18.8%
胸部外傷 0 (0) 0.0% 0.0% 3 (0) 3.0% 3.2% 3 (0) 0.9% 1.1%
腹部外傷 6 (0) 2.8% 3.4% 3 (0) 3.0% 3.2% 9 (0) 2.8% 3.3%
外傷性ショック 1 (0) 0.5% 0.6% 2 (0) 2.0% 2.1% 3 (0) 0.9% 1.1%
頚部絞扼による窒息 15 (0) 6.9% 8.5% 28 (0) 28.0% 29.8% 43 (0) 13.5% 15.9%
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