「早く死にたい」と日々絶望する…じつは多い「長生き」をしすぎたと苦しむ高齢者たちの実態
日本は今、「人生100年」と言われる長寿国になりましたが、その百年間をずっと幸せに生きることは、必ずしも容易ではありません。特に人生の後半、長生きをすればするほど、さまざまな困難が待ち受けています。
長生きとはすなわち老いることで、老いれば身体は弱り、能力は低下し、外見も衰えます。社会的にも経済的にも不遇になりがちで、病気の心配、介護の心配、さらには死の恐怖も迫ってきます。
そのため、最近ではうつ状態に陥る高齢者が増えており、せっかく長生きをしているのに、鬱々とした余生を送っている人が少なくありません。
実にもったいないことだと思います。
では、その状態を改善するには、どうすればいいのでしょうか。
医師・作家の久坂部羊さんが人生における「悩み」について解説します。
*本記事は、久坂部羊『人はどう悩むのか』(講談社現代新書)を抜粋、編集したものです。
長生きとはすなわち老いることで、老いれば身体は弱り、能力は低下し、外見も衰えます。社会的にも経済的にも不遇になりがちで、病気の心配、介護の心配、さらには死の恐怖も迫ってきます。
そのため、最近ではうつ状態に陥る高齢者が増えており、せっかく長生きをしているのに、鬱々とした余生を送っている人が少なくありません。
実にもったいないことだと思います。
では、その状態を改善するには、どうすればいいのでしょうか。
医師・作家の久坂部羊さんが人生における「悩み」について解説します。
*本記事は、久坂部羊『人はどう悩むのか』(講談社現代新書)を抜粋、編集したものです。
長生きはよいことだと、若いころには私もそう思っていました。
しかし、高齢者医療に携わって、長生きのリアルな現実に接した今は、長生きをしすぎることは好ましくない、むしろ、悲惨だということが身に染みています。
実際、私がデイサービスで接した八十代後半のある女性は、不整脈の発作で意識を失ったあと、抗不整脈薬で意識を回復すると、「死ねませんでしたか」と、心底、落胆したようにもらしました。私が「そんなことを言わないで。生きていればいいこともあるでしょう」と励ますと、キッと表情を変え、「生きていてもいいことなんかひとつもありません」と断言しました。その迫力に、自分の安易な言葉を反省せざるを得ませんでした。
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