性別を超えた<母>と<娘>
性別を超えた愛情、演技で伝えられれば 草彅剛さん
聞き手・伊藤綾 朝日新聞
2020年7月5日 8時00分
昨年撮影した映画「ミッドナイトスワン」の公開が秋に決まりました。僕は、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの凪沙(なぎさ)という役を演じました。いつも以上に想像力が必要な役で、事前に資料を読んだり、当事者の方に話を聞いたりして、役を膨らませていきました。
やったことのない役だと、演じられるのか不安があるんだけど、その方が自分の心の扉が開いていく感じがします。心配な要素があるがゆえに、その場その場でいろんな空気を吸収しようとする。そういう力って安心していたら出ないと思うんです。その状態になると、自分の中で無になる。今回も無意識の状態で演じることができたので、良い作品になっているんじゃないかと思います。
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小説『ミッドナイトスワン』も発売
【詳細】
映画『ミッドナイトスワン』
公開日:2020年9月25日(金)TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー
出演:草彅剛、服部樹咲、田中俊介、吉村界人、真田怜臣、上野鈴華、佐藤江梨子、平山祐介、根岸季衣、水川あさみ、田口トモロヲ、真飛聖
監督:内田英治
配給:キノフィルムズ
<ストーリー>
故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪 沙。ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた少女・一果を預かることに。常に片隅に追いやられ てきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった 感情が芽生え始める。
作品公開に先駆け、映画『ミッドナイトスワン』と週刊文春が大胆コラボレーションを実
草なぎ剛がトランスジェンダーの母に 切なき疑似母子のラブストーリー『ミッドナイトスワン』
草なぎ剛が主演し、Netflix「全裸監督」の内田英治が監督を務める映画『ミッドナイトスワン』の製作が決定。
草なぎ剛が主演し、Netflix「全裸監督」の内田英治が監督を務める映画『ミッドナイトスワン』の製作が決定。10月下旬より撮影がスタートしているが、公開日は“未定”となっている。
内田監督による完全オリジナル脚本作品となる本作は、トランスジェンダーの凪沙(なぎさ)と、親から愛を注がれることなく生きてきた少女・一果(いちか)の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描く<ラブストーリー>。
片隅に追いやられて生きてきた凪沙。彼女は今夜もメイクをほどこし、ステージ衣装に腕を通し、一人で生きていくしかない仲間たちと共にステージに立つ。そんな凪沙が、育児放棄にあっていた親戚の娘・一果を預かることに。凪沙が一果の苦悩を正面から受け止めることにより、凪沙の中にいままで感じたことのなかった感情が生まれ、そして一果への母性を純化させるために凪沙は尊い決断を下す――。一人生きてきた少女との出会い、自らの“性”の葛藤、実感したことのなかった“母性”の自覚を描く軌跡の物語だ。
この凪沙を演じるのが、近年『まく子』『台風家族』が話題となった草なぎさん。「人の愛、エネルギーにすごくあふれていて国境や性別などを超える力があって」と脚本を読み、感動して涙したという草なぎさんは、「今までで一番大挑戦の役なので、ここでまた新しい作品の力やお芝居の力に目覚めることができたらいいなと思います」とコメント。
また「難しい役なのですが、凪沙の気持ちというのは少なからず誰しも生きている人間ならばわかるもの、作品として訴えかける力があっていいなと思います。“変えられない運命”、“逃れられない運命“の悲しみ、切なさといったものを人は誰しも抱えていると思う。それを作品のなかで表現できたらと思いました」と役への取り組みを語り、「想像もつかない作品になるんじゃないかと思います。監督を信頼してみんなで頑張ります」と意気込んでいる。
一方、内田監督は「5年ぐらい前に少女とトランスジェンダーの疑似親子の物語をつくりたいと思いオリジナル脚本として書きましたが、題材の難しさもあり、この5年間なかなか表に出せなかった」と明かし、「内面的な演技が要求されるこの難しい役を演じるのは、誰もが知っている方でないと意味がないと思っていたところ、草なぎさんが演じていただけるということで本当にうれしく思います」と草なぎさんの起用理由を述べた。
監督を務めるのは、「全裸監督」で2019年一躍注目を集めた内田英治。草彅の配役については、「内面的な演技が要求されるこの難しい役を演じるのは、誰もが知っている方でないと意味がないと思っていたところ、草彅さんが演じていただけるということで本当にうれしく思います」とコメント。さらに本作について、“人間ドラマ”であると同時に普遍的なエンターテイメント作品であると語りながら、「多様化の時代における一つの愛の形として受け止めていただければ」と述べている。
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