6/10(水) 21:22配信
スポーツ報知
将棋の史上最年少棋士・藤井聡太七段(17)が10日、大阪・関西将棋会館で指された第68期王座戦2次予選第5ブロック決勝で、後手の大橋貴洸(たかひろ)六段(27)に敗れ、挑戦者決定トーナメント進出を逃した。8日の第91期棋聖戦5番勝負第1局で渡辺明棋聖(36)=棋王、王将=に先勝して中1日というハードスケジュールを突破できず、今期初の黒星。連勝は10でストップした。
藤井七段は終局後、「踏み込まれた手が思ったより厳しかったです。残念な結果ですが、内容を反省して次につなげたいです」と敗戦の弁を述べた。
前名人・佐藤天彦九段(32)と永瀬拓矢2冠(27)=王座、叡王=を立て続けに破り棋聖戦挑戦権を得て、8日の第91期棋聖戦5番勝負第1局で渡辺明棋聖(36)=棋王、王将=に先勝して中1日。今月に入って4局目というハードスケジュールは、藤井七段といえど厳しかった。
新型コロナウイルスの感染拡大防止策で100キロを超す移動ができないため、対局を休んでいたが、この日は4月10日の王位戦挑戦者決定リーグ戦(対菅井竜也八段)以来、2か月ぶりに所属する“本拠地”関西将棋会館での対局となった。
相手の大橋六段は、2016年10月に四段に昇段した唯一の同期で2勝2敗の五分。タイトル未経験者で複数の黒星を喫している棋士は、佐々木大地五段(25)=藤井の1勝2敗=と大橋だけという天敵で、夕食休憩明けに窮地に陥り、逆転を許した。勝負メシの夕食は、棋聖戦第1局のカツカレーに続いて、ココイチの豚しゃぶカレーだったが、ゲン担ぎとはならなかった。
王座戦で挑戦者決定トーナメント進出を逃したのは初めて。2018年は準々決勝敗退、シード権を得た昨年は初戦で敗れており、藤井七段には“鬼門”となってしまった。
だが、敗れてもなお、対局ラッシュは続く。次回の公式戦は13日の阿部健治郎七段(31)との第61期王位戦挑戦者決定リーグ戦・白組の最終局。勝てばすんなり、紅組覇者を相手に今月23日、木村一基王位(46)との挑戦権を争う。その前の20日には竜王戦3組ランキング戦決勝で師匠・杉本昌隆八段(51)との2年3か月ぶり2度目の師弟対決を控える。この日、在住する愛知県など東海と近畿、中国地区が梅雨入りしたが、稀代の天才棋士は雨雲を吹き飛ばさねばならない。
報知新聞社
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