キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

高慢と偏見とベルばら

2015年12月22日 |   └─再燃!ベルばら
ちょっと前の映画「ユーガットメール」のワンシーン。メグライアン扮するショップガールと大型本屋の社長トムハンクスが、お互いを知り合いと知らずに初めて待ち合わせる場面。目印にしたのはバラの花を挿んだ「高慢と偏見」でした。


(これはBBCドラマ版の表紙ですね。コリンファースのミスターダーシー♪)

おそらくその文化圏の観客はこの本が選ばれたことで、ショップガールの人となりがかなり把握できるのでしょう。そういう本ってありますよね。映画の中では、待ちあわせの小道具だけでなく、本の内容についても色々話しています。



では、もしあの映画の舞台を日本に移したとして、どの本をもたせたらぴったりだろう?そんな愚にもつかないことを考えました。

ある程度の古典文芸で、持ち主の教養を感じる。文学少女のイメージかな?また、誰でも知ってて、でも古くさいわけでもなく、今でも映画になったりドラマになったりして、原作を読んだことがない人でもその物語は知ってて広く長く愛されてる。

うーん。
夏目漱石じゃないし、源氏物語じゃ時代が違いすぎるし、かといって現代語訳版がベストセラーってわけでもないし。村上春樹?でもそんなにドラマ化されて親しまれてるわけでもないか。

それに、あのシーンのポイントは、恋愛小説ってところだからなー。
川端康成?「伊豆の踊子」とか確かに何度も映像化されてるけど…どんな話か私は知らなかったりして(汗)


この前の女子会でも実はこの話をしました。オースティンが現代の恋愛物語に与えてる影響について。
あんなふうに、今のハリウッド映画やイギリス映画に繰り返し登場するモチーフを提供できるオースティンってすごいよね。日本にそういう文学作品あるかな??
その時、匹敵するのは源氏物語じゃないか、という意見があってとても納得だったけど、現代日本であの物語を恋愛ドラマに反映させるってあまり聞かない。あれは、古典としてもう終わってる感じ。


その理由として、現代の価値観にあれは合わなすぎだろう。という意見もありました。

繰り返し映像化されるという話に忠臣蔵がありますが、あれは常に忠臣蔵だからちょっと違う。
私としてはベルばらはかなりいい線いってるんじゃないかと思うんだけど。恋愛物語の典型として後世に君臨できるポテンシャルあるよね。主要4人のキャラも際立ってるし、例えば時代や設定を変えたストーリーなんかも可能という意味で相当強力な物語の魅力を持ってると思う。ただ残念ながら舞台が日本の話じゃないから映像化とか難しい。漫画スタートだし、昭和の話だし、オースティンみたいになるかと言われると、もちろん違うけど。

大河ドラマで人気の戦国時代とか、幕末とかを背景にやってみたらどうだろう。実在の人物にオスカル&アンドレを絡ませてドラマチックに展開できそうですよねー。



日本版ショップガールが待ちあわせの目印にベルばら持ってるとか、ちょっとやっぱり無理があるかな?


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