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子どもをひとりで育てるたいへんさは、母子家庭も父子家庭も、変わりありません。
「父子家庭にも児童扶養手当を」の切実な声が広がり、参議院で法案が可決しました。
自民党・公明党が、委員会審議・採決は欠席、本会議の採決には棄権という態度をとったことは、切実な願いに背くものであり、許されません。
児童扶養手当は、母子家庭の子どもの福祉の増進をはかることを目的に支給されています。
児童扶養手当制度は相次ぐ改悪で、現在支給されるのは、母と子ども1人の場合、収入が365万円未満の世帯となっています。
しかも、世論の強い反対におされ、いまは「凍結」されていますが、受給開始5年後には半額にすることを、自民党、公明党、民主党などの賛成で決めています。
法律がつくられた1961年から50年近くがたち、家族の状況も変化しています。
夫である男性だけが働いて生活する家庭よりも共働きの家庭が多くなっており、1人の収入で生活を支える大変さはいっそう大きくなっています。
父子家庭の平均収入は、不安定な雇用のもと低賃金で働かせられている母子家庭と比べると高いとはいえ、一般家庭の75%です。経済的困難が深刻な家庭も少なくありません。
年間就労収入300万円未満の父子家庭は37%、200万円未満の家庭が16%もあります。
リストラ・人減らし、派遣労働など雇用の不安定さの深刻化、長時間労働など労働条件の悪化は、父子家庭の場合でも、子どもを抱えて就労条件を選択せざるをえないなどの困難を、いっそう大きくひろげています。
なぜ同じひとり親家庭でありながら、母子家庭では支給対象となっている収入の基準に満たない、父子家庭の暮らしには、援助の手がさしのべられようとしていないのでしょうか。
政府は、「母子家庭の母の方が就業状況等がより厳し」く、「取扱いの差異は不合理なものではない」(日本共産党佐々木憲昭衆院議員の質問主意書に対する政府の答弁書、2008年6月)という立場から、改善しようとしません。
舛添要一厚生労働相は、父子世帯は年収400万円以上が約45%ある、両親そろっていてもたいへんな家庭がある、などと答弁しています。
困難な家庭があることを知りながら放置し、母子家庭のほうが大変だから、父子家庭は我慢せよというのは、政治の二重の無責任さをしめすものです。
国連子どもの権利条約は、「父母及び法定保護者が児童の養育についての責任を遂行するに当たりこれらの者に対して適当な援助を与える」ことを、締約国の政府に求めています。
政府、与党の立場は、世界の基準、流れに逆行しています。
日本共産党は、国会で質問をくりかえし、実現に力をつくしてきました。
児童扶養手当の削減をやめさせ、充実をはかるとともに、父子家庭への一日も早い児童扶養手当の支給の実現に、いっそう力をつくします。
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