綾瀬市は9年前(2014年)に、「綾瀬市新型インフルエンザ等対策行動計画」を策定しています。
今回の新型コロナウイルス感染症への対応もこの行動計画にのっとって行い、感染の収束後、行動計画の問題点を洗いだして次の新たな感染症への備えを見直すことが必要でした。
しかし、綾瀬市はこの行動計画があることを忘れていたようです。(議事録には残っていませんが、質問をする前に担当課に確認をしたとき、“ああ、そういえば、そういう計画があったなあ、そういえば、あれ見ていないなあ”、という対応だったのです)
いま現在も第8波が続いていますが、綾瀬市は自分で作った計画をおざなりにしたままなのです。
下記問答(要約)は昨年9月議会でのものです。
上田●新型インフルエンザ等対策行動計画に基づいてコロナ対策を行ったのか。
健康づくり推進課長●国、県からの通知の中で、市の役割を実施をしている。
上田●行動計画では、例えば発生段階で在宅療養患者への支援を行うとしている。市は「高齢者、障害者等の要援護者への生活支援(見回り、介護、訪問介護、訪問診療、食事の提供等)搬送、死亡時の対応について、対象世帯の把握とともに、その具体的手順を決めておく」となっているがこうしたことを行ったのか。
健康づくり推進課長●行っていない。県が行っていることに市が協力している。
上田●では、8年前に策定した「対策行動計画」は脇に置いて、県や国からの指示を行ってきたという理解でよいか。
健康づくり推進課長●その理解でよい。
健康こども部長●コロナに関しては、国、県からの指示を優先的にやっており、行動計画のマニュアルは別物と考えている。
上田●重大な問題発言だ。県は綾瀬市に「覚書」を交わせば感染者情報を提供するとしたのに、市は交わさなかった。それで、死亡者数をたずねても「把握していない」との答弁を繰り返した。こうした感染症が蔓延するときに備えての「行動計画」なのにそれを全く無視している。今後「行動計画」をきちんと位置づけることを求める。そして、「行動計画」を見直すことを求める。実行して問題点を洗い出し、マニュアルを見直すという検証のサイクルをしっかりと進めてほしい。このような開き直った答弁が来るとは思わなかった。
副市長●コロナは分類では2類。2類になってしまうと、市ができる範疇をちょっと超えているので、国、県からの指導に基づいて、市ができることを行った。
この最後の副市長の答弁も、まったく事実誤認といいますか、「行動計画」が2類のウイルスに対応していることを失念しているとしか言いようがありません。
今回の綾瀬市の対応では、新型コロナ以上の強毒なウイルス感染症のパンデミックが起きたとき、市民の命を守るための行動はとれません。猛省を促すとともに、「綾瀬市新型インフルエンザ等対策行動計画」の見直しを求めていきます。