「◆「新型ウイルス感染症の治療拠点としての公立公的病院の維持拡充を求める意見書(案)」を6月議会で提案」の記事でお知らせした、私の賛成討論は下記のとおりです。
しかし、繰り返しますが、自民系と公明党はなぜ反対したのでしょうか?
新型コロナウイルス対策を真剣に考えていないのでしょうか???
では、以下私の賛成討論です。
意見書案 第3号 新型ウイルス感染症の治療拠点としての公立・公的病院の維持拡充を求める意見書 について、日本共産党綾瀬市議団を代表して賛成の討論を行います。
厚労省は昨年9月に「再編・統合の議論が必要」とし、424病院の実名リストを公表しました。この数は今年の1月に440程度に増え、これは公立・公的病院の3割以上にもあたり、救急医療や感染症対策の拠点になっているところも多数含まれています。
このリストでは、地域の実情と住民の切実な声を踏まえないまま、「周産期医療を他の医療機関に移管」「夜間救急受け入れの中止」「一部病床を減少」「(高度)急性期機能からの転換」などの対応を例示し、公的医療体制の縮小を迫るものとなっています。これは非常に重大なことです。
国が行う地域医療構想の議論は、病床の削減数など、数合わせばかりに目が向けられています。国が減らそうとしている高度急性期や急性期の病床は、地域にとっては不可欠です。診療実績などのデータだけでなく、それぞれの病院が培ってきた特徴や業績、存在価値などをもっと踏まえるべきではないでしょうか。
そもそも国が統廃合の基準としたものは、他地域と比べて脳卒中や救急などの診療実績が少ないという点と、近隣に同程度の実績を持つ病院があるなどの機械的基準です。
私たちは、救急など高度医療だけで分析、評価するのではなく、行政や法人と病院が連携して進めてきた「地域包括ケアシステム」としての役割を大いに評価すべきだと考えています。
地域医療構想を考えるとき、地域医療が深刻化している最大の要因は医師不足ではないでしょうか。ある地域医療構想調整会議では、小児科医師、産婦人科医師、救急救命医、常勤の内科医師等の不足など、各医療圏域の医療機関から「医師不足で救急医療の維持が困難」との声が出されているのが実態です。
また、医師が足りないから患者は都市部に集まり、地方は過疎化につながっていきます。地域医療は、地域経済や、地域の未来にとってもとても重要なのです。
病院を統廃合すると、統合病院へ患者が集中するので医師はさらに多忙化します。そのことによって、医師が集まらないという事例が起きています。医師の4割が過労死ラインを超えた長時間過密労働を強いられている現状を変えることこそが、地域医療を守る最善の策だと考えます。
そして、強調したいことは、今回の新型コロナウイルス感染症対策として、感染症対策を担う公立・公的病院の重要性が高まっているということです。
新型コロナ治療の中心的な役割を果たす感染症指定医療機関は、公立や公的病院が大半を担っています。統廃合の対象として公表された中には、国が昨年4月時点でまとめた指定医療機関の53病院も含まれています。
厚労省の再編・統合の判断基準には、感染症指定医療機関かどうかという視点はありませんでした。このまま再編が進んだ場合、新型コロナの第2波、第3波や新たな感染症に対応できなくなる恐れがあります。むしろ次に備えて拡充や強化を検討すべきではないか、それが国民の声であると思います。
厳しい現状の中で、新型コロナ感染症などに対応する地域医療を支える医療機関の努力に応え、医師不足の解決など地域医療提供体制を拡充することこそ、国に求められていることを訴え、本意見書への賛成討論といたします。