”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

なぜ東海地方はむろあじ節?

2015-08-01 08:58:26 | だし

2日前の新聞に、大手コンビニチェーンのローソンが

レジ横のおでんを7年ぶりに刷新するという記事が

掲載されました。

 

  

全国を6地域に分け、

つゆに地域色を出していくそうです。

  

●ローソンのおでんつゆ

〈基本のだし〉焼津産かつお節+北海道産昆布

 ・関東、沖縄  基本のだし

 ・北海道、東北  基本のだし+煮干し

 ・中部  基本のだし+むろあじ節

 ・近畿  基本のだし+牛肉や鶏肉のエキス

 ・九州  基本のだし+あごだし



では、他のコンビニおでんつゆも見ていきましょう。

  

●セブンイレブンのおでんつゆ

〈基本のだし〉かつお節+宗田節

 ・関東  基本のだし

 ・北海道  基本のだし+利尻昆布+煮干し

 ・東北、信越  基本のだし+煮干し

 ・東海  基本のだし+むろあじ節

 ・関西、北陸  基本のだし+真昆布

 ・中国、四国  基本のだし+煮干し

 ・九州  基本のだし+あごだし

 

 

この2つのコンビニを見てもわかるように、

私が暮らす静岡県では、むろあじ節が使われていることになります。

 


が、しかし!!

一般家庭で、むろあじ節なんて見たことないんですよ。^_^;

そう、むろあじ節は他の節類と合わせて、

うどんつゆなどに多く使われているようです。

  

東海地方と言えば、焼津産のかつお節が有名で、

むろあじ節はちょっと存在感が薄い気がします。

では、なぜ東海地方でむろあじ節がそんなに使われているのか?

その理由を調べてみました。

 

やはり最大の理由は、

 ●沼津、伊豆でムロアジが多く獲れる。


しかし、

 ●ムロアジは、マアジに比べると、味が落ちる。

だから、加工に回されることが多く、

その中で一番有名なものは、あの「くさや」ですね。

むろあじ節も、そんなムロアジを加工する

ひとつの方法だったのでしょう。

 

そして、何といっても

 ●かつお節に比べると、値段が安い。

だから、だしをたっぷり使うような

うどんや蕎麦のつゆに利用されてきたと思われます。

  

むろあじ節は、さっぱりとした香りで、

甘味のあるだしがとれますが、あっさりしているので

 ●かつお節や宗田節と合わせることにより、コクが加わる。

ということが言えます。

  

 

やはり、だしとその地域の食文化には

深いつながりがあります。

たくさん獲れたものをうまく加工し、活用する・・・

むろあじ節にも、そんな先人たちの知恵が詰まって、

うまみを形成しているのでしょう。



※だし素材として表記する際は「むろあじ」

 魚として表記する際は「ムロアジ」とさせていただきました。


コメント
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