宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

「分解し、再統合する」

2008年03月17日 | Weblog
(画像はクリックされましたら拡大します。)

画像の本の方は88年に出版された児童書ですが、先日某所で
30万円で出品されていたのには少々驚いてしまいました。

この本の中では「魔法」に関して取り立てて珍しい話というものは
ありませんが、しかしながら「人間錬金術」に関して非常にわかり易く、
また示唆に富んだ説明の箇所があります。

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中世には「錬金術師」と呼ばれる人達が、実際に鉛などの卑金属
から純金を取り出す実験にとりつかれ、無益な実験に貴重な日々を
費やしていったと伝えられています。

こんな話しがあります。
一人の自称錬金術師が街角に立って、「私はついに奥義をおさめた!」
と叫び、持参の奇妙な形のかまどの入り口から鉛を入れて見せました。
するとどうでしょう。
下の入り口からはキラキラと輝く黄金が溶岩のように流れ出てきた
ではありませんか。

驚いた聴衆の中の一人がこの金を細工師の所にもって行くと、
「これは本物の金だ。」と答えたそうです。

しかしこれは後に、これは全てこの男のインチキで、上から入れた
鉛はかまどの途中で止まり、別所に仕掛けてあった金が流れ出る
ようになっていたとわかりました。

「錬金術師」の話は、まだまだ沢山あります。
でも大抵がこの種の話であったので、人々は「錬金術」と言えば
一獲千金を夢見る愚か者か、詐欺師や妖術師の類と思うように
なりました。

歴史に登場する「錬金術師」の中には、こうして出来もしない
黄金作りに生命をかけ、人々の嘲笑の中で寂しく世を去った
人も沢山います。

でもそんな実験の中から生まれた貴重な芽もあります。
今私達の生活を潤している近代科学がそれです。
黄金を作ろうとした過程からリンの分離を引き起こし、アンチモン酸を
発見するなど、多くの物理的な発見は副産物としてこの世に誕生
したのです。

錬金術の開祖はヘルメス・トリスメギストス(三重に偉大なヘルメス)
であるとされ、この秘法は彼の名にちなんでヘルメス学とも呼ばれて
います。

ただ西洋の錬金術は金属変成にもっぱら力を注いだのに対し、
東洋では「仙丹」と呼ばれる不老長寿の薬の開発に情熱を
燃やしたようです。

西洋の錬金術師が求めたのは、「賢者の石」と云う、全ての金属を
金に変えるものでした。

錬金術が盛んになった時代は、あの「魔女狩り」と同じ暗い時代でした。
魔法が秘密のとばりに隠れたのと同じく、錬金術も表舞台から逃れて
いったのです。
そこで錬金術師達は自分の発見や発明を暗号や寓意画の中に
隠し、弾圧の網の目をかいくぐる事が出来ましたが、それはあまりに
巧妙過ぎて、皮肉な事に後世の人間にはそれが何を意味している
のかが判らなくなってしまいました。

錬金術師の中には本当に「賢者の石」を発見したと伝えられる人も
います。
でも歴史の中に残るのは寓意画のみでした。

こうして金属変成の手段としての錬金術を見て、「自分が金を得る
為なんて、これでは私利私欲を追及する黒魔術の精神と変わらないん
じゃない?」
そう考えたあなたはまさしく正解。
実は錬金術には、そんな表面的な黄金作りとは違った、もっと大切な
役目があるのです。

錬金術師が本当に黄金に変えたかった素材は、金属ではなく、
実は人間そのものでした。

例えば醜い姿で地を這う毛虫がサナギになり、一瞬にして蝶に
変わり、鮮やかな羽を広げて舞い上がる……その美しい蝶のように、
鉛から黄金へ、人を変えていこうとするのが錬金術の真の目的です。
肉体と精神の両面を鍛錬する事によって浄化し、人間の中に宿る
霊性をより純粋なものに磨き高める……これを錬金術師は「賢者の
石」に求めたのです。

錬金術の有名な言葉の中に、「分解し、再構築せよ」というのが
あります。
既に存在するものを分解し、改めて高次元の存在に「再構築」
しなさい、という事です。

鉱物錬金術の中では、その作業はかまどの中で行われます。
毛虫はサナギの体の中で行い、蝶に変わります。
そしてあなたがそれを行うなら、あなたの心と体を充分に使いなさい。
錬金術はこうあなたに教えています。
「あなたが蝶のように変身する力は、あなたの中に隠されている」
と……

黒い何でもない塊から銀へ、そして金へ……。
この変成は魔術師としての大切なプロセスでもあるのです。

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80年代は精神的な向上道に対する感性や関心の強い少女達に
こうした言葉が直感的に抵抗なく受け入れられていましたが、
現在はどうでしょうか。


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「捕鯨の問題を持ち出す事で儲ける人達がいる」
http://jp.youtube.com/watch?v=W8hJTrSG7sg&feature=related

水産庁資源管理部の森下氏が、「グリーンピース」が既に
大企業化し、その維持のために常に収入(寄付)を得る事が
必要となり、「捕鯨問題」を歪曲して宣伝する事で世界中から
寄付金を集めている事実をわかり易く解説されています。
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