(A)30年前に賃借した土地で、期限まであと3ヶ月という時に借地人の建物が失火で全焼しました。借地人は直ちに建築に取りかかろうとしましたが、地主が建築禁止の仮処分などして、3ヶ月間建築にかからせないうちに借地の期限が満了しました。この場合、更新されずに土地を明渡さなければならないでしょうか。
(Q)最高裁昭和52年3月15日判決の事例では、借地上の建物が契約期間が切れる3ヶ月前に第三者の失火によって焼失(全焼)したところ、地主はその翌々日に借地人に対して「建物の再建築をしてはならない」と通告して借地の即時明渡しを求めました。
そのため、借地人は建物建築計画をすすめることができないでいるうち、その1ヶ月も経たないうちに地主から借地明け渡しの調停申立てが成され、その調停中に契約期間がきれてしまいました。調停はその後不調に終わったため、地主は直ちに借地明渡しの訴訟を起こしましたが、その理由は、契約満了時に借地上の建物が存在しなかったから、借地契約は法定更新されないまま終了し、借地権は消滅したというものです。
これに対して判決は、借地上の建物が火災によって滅失した後、借地人は建物を再築しようとしていたのに、地主の建築禁止通告及びこれに続く借地明渡し調停の申立てがあったために、借地人は再建築ができなかった(再建築を妨害された)。そのために契約期間満了時に借地上に建物が存在しなかったのであるから、地主が(自分の妨害によってもたらした)建物不存在を理由に借地人の更新請求権を否定するのは「信義誠実の原則」に反し許されない。つまり、借地契約は有効に更新されたものとして扱うべきだから、地主の借地明渡請求は認められない。としました。
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そのため、借地人は建物建築計画をすすめることができないでいるうち、その1ヶ月も経たないうちに地主から借地明け渡しの調停申立てが成され、その調停中に契約期間がきれてしまいました。調停はその後不調に終わったため、地主は直ちに借地明渡しの訴訟を起こしましたが、その理由は、契約満了時に借地上の建物が存在しなかったから、借地契約は法定更新されないまま終了し、借地権は消滅したというものです。
これに対して判決は、借地上の建物が火災によって滅失した後、借地人は建物を再築しようとしていたのに、地主の建築禁止通告及びこれに続く借地明渡し調停の申立てがあったために、借地人は再建築ができなかった(再建築を妨害された)。そのために契約期間満了時に借地上に建物が存在しなかったのであるから、地主が(自分の妨害によってもたらした)建物不存在を理由に借地人の更新請求権を否定するのは「信義誠実の原則」に反し許されない。つまり、借地契約は有効に更新されたものとして扱うべきだから、地主の借地明渡請求は認められない。としました。
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