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公営住宅の収入基準引き下げは、住宅困窮者の切捨てで、問題のすり替えだ

2008年02月07日 | 国と東京都の住宅政策
 昨年の暮れ、国土交通省は公営住宅の入居収入基準等を見直す政令改正の公布を行なった。

 今回の見直しで、公営住宅に入居できる入居収入基準は本来階層で政令月収20万円から15万8千円に引き下げられる。国土交通省の説明によると、平成8年の収入分位25%(収入分布の中で低い方から4分の1の水準)に相当する政令月収20万円は、世帯所得の変化や高齢世帯の増加等により現在は収入分位36%に当るという。当時の公営住宅の応募倍率は3倍だったが、応募者の急増で現在は全国平均で9・9倍、東京では32・1倍に上昇し住宅に困窮する多数の入居希望者が入居できない状況にあるからという。今回の見直しで応募倍率も最小4倍程度に下がるだろうという予測をしている。

 今回の政令改正によって、政令月収15万8千円を超えると収入超過者や高額所得者となり、5年後には近傍同種並みに家賃が値上がりし、公営住宅から退去させられる。それによって空家が発生し、募集戸数も9・6万戸から15万~20万戸程度増えるという皮算用をたてている。

 確かに都民の中には公営住宅に入居できないことへの不満も強い。しかし、収入基準を引き下げれば入居可能な世帯は限定されてしまう。高倍率になったのは公営住宅の供給を怠ってきた国や都の責任であり、政令改正は問題のすり替えだ。


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