東京多摩借地借家人組合

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賃料滞納で無断で部屋に立ち入り、施錠する等の処置をする特約は無効

2008年02月13日 | 最高裁と判例集
◎賃料を滞納した場合、賃借人に無断で建物に立ち入り、適当な処置をとることができる という特約が無効とされた事例     東京地裁 H18年5月



◎賃借人AはH15年2月より賃料11万円でマンションの1室を借り受けた。

なお、賃貸借契約書には、「賃借人が賃料を滞納した場合は、賃貸人は賃借人の承諾を得ずに本件建物に立ち入り適当な措置をとることができる。」という趣旨の特約がある。その後Aは賃料を2ヶ月分滞納したため、不動産会社Bより委託をされている管理会社Cは、「滞納が2ヶ月に及んでおり、賃貸借契約を直ちに解除する」旨の内容証明郵便をH17年7月に送り、8月に管理会社Cの従業員は賃借人Aの不在中に貸室内に立ち入り、扉に施錠具をとりつけ、また窓の内側に施錠具を取り付けた。賃借人Aは9月に貸室を明け渡したが、賃借人の不在中に立ち入り施錠具を取り付けた行為は違法な私生活の侵害に当たり、また本件特約は公序良俗に反し無効であると主張、管理会社Cに対して慰謝料100万円を請求した。
判決では、賃借人Aの請求を一部容認し、精神的苦痛に対する慰謝料5万円を認めた。また、本件特約についても緊急等特別の事情がある場合を除き原則として許されない、即ち公序良俗に反して無効と判断された。
この判決は、滞納者を退去させるために、無断で立ち入り強硬措置を行うことは違法な行為として許されない、そして自力救済に関する特約が否定された事例である。(不動産業者の開運ブログより)



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