2019年から、命日である8月29日にここで取り上げてきました。
今年は没後50年となります。一応これを節目としたいと思います。
17歳で自分の命が絶たれるとは、どのような思いであったのか、想像はまったくつかないのですが、亡くなる10日ほど前、手記を書けなくなる1日前に書き遺した詩が、心に刺さります。
普段あまり詩を読んで感銘を受けるようなことはないのですが、その意味ではこの詩は、自分の中ではもっとも印象に残っている詩のひとつ、ということになるかと思います。
夏を閉じる日
鈴木 由里
夏を閉じる日
散っていく花びらに 少しの言葉がほしい
空回りしている詩に 確かな鼓動がほしい
夏を閉じる日
ブランコの揺れる あの日に戻りたい
開かれた白いページに 瞳を埋めていたい
夏を閉じる日
心を閉じて 一人でいたい
悲しみのうた
みんな知っている
悲しみのうた
どこの庭にもひとつは育っている
君も僕も ときどきは ブルーな気持ちにとらわれるものだ
だけどそんなときは その悲しみを歌にして
それを歌ってみるんだ
なんども歌ってみるんだ
悲しみのうた
柳のように泣きむせび
悲しみのうた
それを枕にしてねむる
でも面白いだろ 泣きながら歌っていると
いつのまにか いい気分になってる 自分に気がつくんだ
どうしようもなく そうなるんだ
僕も君も ときどきは ブルーな気持ちにとらわれるものだ
だけどそんなときは その悲しみを歌にして
それを歌ってみるんだ
リンクを以下にまとめます
鈴木由里さんの手記「ともしび」 1977年放送分
トラ刈りオヤジのノラないハナシ
夏を閉じる日 - うさぎくん