うさぎくん

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ネットスパム事情2023

2023年11月22日 | デジタル・インターネット
数年前、前澤友作氏が同氏の名前を語るなりすましアカウントに対し、発信者情報などの開示を求めてSNS管理者を提訴した(開示は認められた)ことがあった。

偽前澤友作氏は一時期SNSではかなり暗躍していた。FBの設定を変える前は僕の所にも友達申請とかがいくつも来ていた。

今年の夏ごろからFBで、SBI証券の広告が出るようになった。「ローソク足の読み方」という教則本を無料でお配りします、というものだ。
ページを開けてみるとLINEをフォローしてください、などと書いてあってなんだか怪しい。大手のネット証券なのにフォロワーが100人ぐらいしかいない。

実はこれはなりすましサイトで、本物とは何の関係もない。
ただ、証券会社がチャートの読み方を指南する教本を配るキャンペーンはありそうな話だし、だまされても不思議はない。

検索すると『SBI証券』という名前ですごい数のユーザーが出てくる。
松井証券という名前で広告が出たこともあったが、広告内容がSBIと同じ、ローソク足の教本を配る、というものだった。

ちょっと気になって調べてみたが、金融機関を語るなりすましはかなり広範にみられるようだ。
FBには「i_ページ」という、カテゴリーを示す欄があるが、写真にあるように「ローカルビジネス」、「コミュニティ」などとなっている。これは、本物じゃないですよ、というエクスキューズのつもりなのかもしれない。
はなはだしいのは「衣料品ブランド」、「スポーツ選手」などというのもある。

経済学者の野口悠紀雄もなりすましに使われていた。
上に掲げた堀江氏もそうだが、このページの文章は日本語としてこなれていて、内容もそれなりに説得力がある。要は投資へのおすすめと、情報を無料で提供します、と伝えているわけだが、ここで疑いを持たなければ本気で案内に従ってLINEをフォローしてしまう人がいるかもしれない。

なりすましの対象になった人(実際に見かけた人)には他に三木谷浩史氏、桐谷広人氏、厚切りジェイソン氏、森永卓郎氏などがいた。エコノミスト、実業家が多い。
三木谷氏は検索すると無限に出てくる。
60件ぐらい数えて、きりがないからやめた。

これを表示させないようにするため、名前横の・・・というところをクリックして「サポートを依頼またはコンテンツを報告」を選択、さらに「他の誰かになりすましている」を選択して通報する。

ところがこの名前欄はFBの実際のアカウントと合致しないと先に進めないことになっているらしい。たぶん野口悠紀雄氏はFBアカウントを持っていないと思うが、そうなると先に進めない。

よく見たらほかに「偽装Facebookページ」という欄があったので、今はこれをもっぱら選択し、該当アカウントをブロックしている。

ただし、一つや二つブロックしてもまた出てくる。本当にきりがない。
Facebookにはそういうところがある。定期的に「リールとショート動画」(Meta社が提供している動画サイト)の広告のようなものが出てくるが、しばしば水着姿の女性がくねくねしている動画が数点掲示される。腹が立つ(お前こういうの好きだろ、と言われているみたいで)ので、時々そういうのをブロックしたりするが、やってもまた出てくるから無駄といえば無駄だ。
Metaも商売なので、たとえ逆効果でも自社のサービスを宣伝したいのだろう。

しかしFBの金融広告は問題なしとはしない。これでは本当の金融機関が広告掲示できないだろう。
また、なりすましを受けた人たちの被害は言うまでもない。
仮に識別可能性や類似性が法的に問題なかったとしても(そうは思えないが)、該当ページの記事はしばしば断定的判断による勧誘に相当すると思われ、金商法に抵触するはずだ。

マーケティングには詳しくないが、以前は雑誌広告やテレビCMでもアーティスティックな映像、気の利いたコピーなどで人々の目を惹きつけた時代があった。
今例えばまとめサイトなどを開くと、読みたいコンテンツにかぶさるように広告が出てきたり、不快感を催す画像が掲示されるなど、嫌がらせとしか思えないような広告掲示が多い。

この辺の実情、往時を知る広報担当者たちはどう感じているのだろうか。
もうネット時代も長いから、みんな引退しちゃったのかな。。



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