夕日が朝日に変わるとき
季節が大きく変わる頃、
いつのことだったかは覚えていない夕暮れの出来事。
私は海と空が真っ赤に燃える夕焼けを見つけた、どこかの海辺で。
その時、太平洋と山々が入り乱れる曲がりくねった道を
私は車で走っていた。
突然、山々の切れ間に見たこともないほどの真っ赤な夕日が現れた。
こんな夕日に出会った時はきっと誰だって追いかけるに違いない、
と咄嗟にアクセルを踏んだ。
運良く対向車はなく、この道は私一人だけのものとなった。
急に広い浜辺に出て車から降り、その素晴らしい太陽の沈む瞬間を見た。
私の追いかけた太陽はますますスピードを増して、そして沈んだ。
ところが、姿をすっかり沈めたその瞬間、
なんとこんな事が起こるのだろうか、、、。
その沈んだ場所から、今度は太陽ったら朝日になって私の目の前から
昇ってきたではないか!
なんという光景、私の体は動かない。
清清しい白い姿に身を変えて、夕日は朝日になって生まれた。
朝日はいつもの早い速度で、いつものようにぐんぐん天に昇って、
気がついたら私の頭の上まで来た。
誰かが言った言葉を思い出して、
私は両手を大きく広げて太陽の方へ差し出した。
太陽はあなたに無限の活力を与えてくれる。
誰が教えてくれたのだろう、きっとこの日のためだったのだろうか。
不思議な事はもっと起こる。
その太陽は真っ白なエネルギー体になって、急速に縮みだした。
そして、こともあろうに私の方を目がけてシュルシュルと落下した。
私は落ちた場所に走った。
誰かが私に言った。
「触ったらやけどするよ!」
手に取った時、太陽は丁度サッカーボール位の大きさになっていた。
もう、熱くはなかった。
私はその真っ白いボールになった太陽を思いっきり足で蹴った。
熱いと教えてくれた爽やかな少年に向かって。
いつのことだったかは覚えていない夕暮れの出来事。
私は海と空が真っ赤に燃える夕焼けを見つけた、どこかの海辺で。
その時、太平洋と山々が入り乱れる曲がりくねった道を
私は車で走っていた。
突然、山々の切れ間に見たこともないほどの真っ赤な夕日が現れた。
こんな夕日に出会った時はきっと誰だって追いかけるに違いない、
と咄嗟にアクセルを踏んだ。
運良く対向車はなく、この道は私一人だけのものとなった。
急に広い浜辺に出て車から降り、その素晴らしい太陽の沈む瞬間を見た。
私の追いかけた太陽はますますスピードを増して、そして沈んだ。
ところが、姿をすっかり沈めたその瞬間、
なんとこんな事が起こるのだろうか、、、。
その沈んだ場所から、今度は太陽ったら朝日になって私の目の前から
昇ってきたではないか!
なんという光景、私の体は動かない。
清清しい白い姿に身を変えて、夕日は朝日になって生まれた。
朝日はいつもの早い速度で、いつものようにぐんぐん天に昇って、
気がついたら私の頭の上まで来た。
誰かが言った言葉を思い出して、
私は両手を大きく広げて太陽の方へ差し出した。
太陽はあなたに無限の活力を与えてくれる。
誰が教えてくれたのだろう、きっとこの日のためだったのだろうか。
不思議な事はもっと起こる。
その太陽は真っ白なエネルギー体になって、急速に縮みだした。
そして、こともあろうに私の方を目がけてシュルシュルと落下した。
私は落ちた場所に走った。
誰かが私に言った。
「触ったらやけどするよ!」
手に取った時、太陽は丁度サッカーボール位の大きさになっていた。
もう、熱くはなかった。
私はその真っ白いボールになった太陽を思いっきり足で蹴った。
熱いと教えてくれた爽やかな少年に向かって。
いつだったろうか、はるか幼いときの記憶だとすると運転はできないし、
もっと数十年前のことだったろうか。
「叶兎・かなう」を作ろうと思ったのは、こんなことがあった記憶が蘇ったのかも知れない。
今は嫁の病気の回復を願うばかりです。