在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”キャンティ・クラシコ・イル・ポッジョ 2003” 他 カステッロ・ディ・モンサント

2008-11-09 17:10:04 | Toscana トスカーナ
"Chianti Classico 2006"
"Chianti Classico Riserva 2005"
"Chianti Classico Il Poggio 2003" Castello di Monsanto -Toscana


行きつけのエノテカ(酒屋)で、立ち飲みの試飲会があった。
来た人には誰にでもふるまう気軽なタイプの試飲会である。
今回はトスカーナのカステッロ・ディ・モンサント。
以前はかなり伝統的だと思ったが、だいぶモダンになったなー。。。と。
3種、どれも良い。どれも良く出来ている。でも、アルコール度がかなり高い。(ラベル表示にも14%とある。ただし、ラベルは嘘も多いので正確ではないので注意。)

キャンティ・クラシコ(2006年)は、華やかな香りで、花とフルーツがきれいに出ていて、ベースにスパイスがある。そして、アルコールがやや上がる。飲むと、口の中でボワっと味が広がり、かなりインパクトがある。持続性も良いのだが、アルコールが結構残る。
この値段で(10ユーロちょっとだからそう高くない)これだけインパクトがあれば、このタイプのワインが好きな人には良いと思う。
バリックでの熟成、ただし、新樽は使わず。

キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ(2005年)は、さすがにもう少し落着きがある。花は少しドライ気味だし、フルーツもややコンフィ風、そして、スパイスが出ているし、革、アニマルの臭みがややある。アルコールがやはり少し上がる感じあり。味は、やや印象に欠ける感じか。良く出来ているのだが、キャンティ・クラシコのような明るさと、イル・ポッジョのような風格の中間に位置し、どちらでもない。。
バリックでの熟成、新樽と旧樽。

キャンティ・クラシコ・イル・ポッジョ(2003年)は、ぐっと落ち着いた感じではある。スパイスがきれいに出て、バリック新樽使用とはいえ、バニラバニラしてはいない。ただし、トースト臭はかなりある。ブラックチェリー、森の木の実、どちらもややコンフィ風で、タバコ、革、リコリースなどがきれい。味も、どっしり、アルコールがあり、インパクトが強く、タンニンもどんとしていて、持続性も適度にあり、ちょっと値段は高いが、それなりの風格がある。
バリックでの熟成、新樽のみ。

しかし、全体にアルコールが強すぎのような気がする。良く出来ているが、「造りました」という印象が強いような。でも、今のキャンティの流れに沿えば、こうなるんだろうなー。。。と思ったのでした。