在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”マッセート” 1997-2002年 テヌータ・デル・オルネッライア

2008-11-19 23:08:54 | Toscana トスカーナ
“Masseto” 1997-2002 Tenuta dell’Ornellaia -Toscana

かなり古い、2006年の春の試飲。出てきたメモから。
マッセートは買おうと思うと高い。
品種はメルロー100%。異論はあると思うが、イタリアのメルローの中ではトップと言えるのではないかと思う。かなりの風格あり。

初リリースは1986年。
7ヘクタールで、3つの畑に分かれているが、ここで、20-25日に収穫の時期に差がありとのこと。(9月初めの収穫から9月終わりまで)
24か月の新樽バリックでの熟成後、ブレンド。
70%が輸出向けとのこと。

1997年
暗めのトーンのルビー色でガーネットは縁にやや見える程度。凝縮感がすごい。澱がややあり。降りてくる涙が細く、細かくきれい。
最初は閉じている。ふくよかで、カフェ、カカオ、バルサム臭、森の木の実のコンフィ、葉巻たばこ、コケ、ほんのりと緑のトーン海傍の茂み(とでもいうのか。。。こういう単語は訳し辛い)macchia mediterraneo、もろもろのスパイス。。と、香りにかなりの深みがある。
アタックがきれいで、さすがマッセート。タンニンが繊細で、素晴らしい品質。酸がきれいに残る。後味は、甘いフルーツがきれいに残り、当たり前だが、かなり長い。
(この値段では当たり前と言いたい。。)

1998年
やや酸が多めな感じ。強さも97年と比べるとやや弱いのでエレガントな印象。良く熟したフルーツ、甘いスパイス、葉巻たばこ、チョココーティングされたチェリー、ダイオウに海の近くの茂みの香り(日本語にするとなんのこっちゃ、って感じ。。)などなど。
アタックはまろやかで、タンニンもエレガントできれい。酸がきれいに出て、全体にやや細めの印象になっている。後味は97年と比べると短め。

1999年
バランスのとれた香り。良く熟したフルーツ、ミント、バルサム臭、リコリース、樹脂、ほんのりカカオなど。
まだかなり若い。アタックがとてもきれい。タンニンの質がとても良いが、まだかなり若い。酸がきれいに出ている。後味にフルーツが長く残る。

2000年
バニラの香りが甘い感じで若さあり。マラスカ(チェリーの一種)、森の木の実がきれいで、タンニンの粉っぽさを気のせいか感じる。ミルクチョコ、パイプタバコなど甘いスパイスも。
タンニンがまだ若く、口でも粉っぽい感じがある。甘いフルーツの後味はかなり長く続く。

2001年
かなり閉じている。ミント風の香りがあり、visciole(チェリーの一種)など。エレガントでかなり良い香り。
ボディがあり、なおかつエレガントでアタックが素晴らしくきれい。タンニンはもちろん若いが非常に良い。後味もかなり長く、フルーツの甘さが広がる。

2002年
色の凝縮がやや劣る。2002年だから、そこは仕方ないかも。
カラメル、チョコ、フルーツなどで、バニラ、木の香りが強く、バランスがいま一つ。
細い感じ。エレガントいえばそうだが、全体に力が足りない。