在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”フォビアーノ 1997” ラ・カライア

2009-03-23 02:50:06 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Fobiano 1997” La Carraia –Umbria(点数7)
ワインを知っている友達と気さくに飲むときは、できるだけ古いワインを飲むようにしている。
新しいものはいつでも誰とでも飲めるし、古くてちょっとダメ?と思っても、ワインを知っている人なら、貴重な体験と思って飲んでくれるし、ワインを知らない人は、これ何?これなんか変じゃない?となることもあるし、それでは、せっかく古いものを開けてももったいない。
で、少し前から、いったいどうなっていることやら?と気になっていたフォビアーノを開けてみた。
ワイナリーのラ・カライアは、一時期、結構話題で、有名(今でも、と言わなきゃいけない?)、フォビアーノは3ビッキエーリを獲得し、当時のモダンワインの一つの例だった。
なにせ、当時、有名だった(今でも、と言わなきゃいけないだろうな。。。)コタレッラ氏(リッカルド氏の方)がエノロゴ(醸造家)で、コタレッラ・ファミリーが経営者に連なっている。

この1997年は3ビッキエーリを獲得しているはずである。
今現在、品種は、メルロー70%、カベルネ・ソーヴィニオン30%だが、97年はどうだったかわからない。(似たようなものだと思うが)
新しいものを開けると、まさにルビー色で、色は濃く、熟したフルーツの香りぷんぷん、アルコールは結構あり、まろやか、インテーナショナル、という感じのワインである。
それが、約12年(正確には11年ちょっと)たつと、色は、相変わらず割と濃いが、ガーネット色を超えて、オレンジも超えた感じで、茶系の色が結構出ている。澱はない。
香りは、しょうゆ系の香り、と言いたい。(イタリア人には理解できないが)
煮物、奈良漬風、ブラッドオレンジ、森の木の実のミックスコンフィなど。そして、土っぽい感じ、スパイスミックスもある。
味はまろやか。古いワインはよく酸が際立つ感じが多いが、そうではない。タンニンは完全に丸くなっている。だから、全体に甘さが出て、フルーツのコンフィが残る。

モダンなワインはたいていすぐに飲めて、若いうちからまろやかである。つまり、酸が一般に少ないと言えるが、それが年数を経ると、こうなるんだぁ、という例の一つだった。